整体師が教える過敏性腸症候群(IBS)の改善方法

2016年3月14日 : 腰の痛み

なんだかずっとおなかが張っていてガスが出る、腹痛が続いている、便秘と下痢を繰り返しているなど、外出や人と会うのが心配、「もしかしたら病気なの?」と、不安感を感じていませんか。もしかしたら、それは過敏性腸症候群かもしれません。

 

過敏性腸症候群って何?

IBSは、大腸内視鏡検査を含む通常精密検査で原因となる癌や潰瘍、炎症などの器質性疾患が見られないのに、腹痛や腹部の不快感、ガス溜まり、下痢、便秘といった便通異常が慢性的に続く機能性疾患です。特に命にかかわる病気ではありませんが、日常生活の質を著しく低下させます。日本を含む先進国に多い病気で、日本人には10~15%に認められ、消化器科を受診する患者の1/3を占める程に発症率の高くなっています。発症年齢は20~40代に多く、男女比は1:1.6とやや女性に多く見られます。

 

どんな症状があるの?

過敏性腸症候群は、慢性・反復性の腹痛や腹部の不快感、下痢、便秘など、大腸が過剰に働くことが特徴です。医療機関では、症状による辛さ、生活の質(QOL)の低下を聴取し、内視鏡などの検査結果を踏まえて、検査結果で異常がないこと、重大な病気にならないように加療を進めていくことを説明してくれます。ただし、貧血、体重減少、粘血便、夜間の腹痛が見られる場合には、大腸癌などの器質性疾患の除外が必要で、更に精密検査を行うこともあります。

重大な病気ではないといっても、重症度や病型に沿った治療が必要になります。そこで診断には、国際的診断基準であるRomeⅢなど、診断基準に照らし合わせて行います。

 

【RomeⅢ基準】

1.少なくとも3か月以内以上繰り返す、腹痛又は腹部不快感で、以下の3つの特徴のうち、2つ以上を満たす。

・排便によって軽快する。

・排便頻度の変化を伴う。

・便性状の変化を伴う。

 

2.下記の5つのうち、2つ以上の症状が、有症状期の25%以上認められる。

・排便回数の変化がある。

・下痢あるいは便秘など、便性状の変化がある。

・便意切迫などの排便状況の変化がある。

・粘液性の便がある。

・腹部膨満感がある。

 

IBSでは排便回数よりも便の形状が腸の状態を表し、またどのタイプでも腹痛を伴うのが特徴で、上記から便秘型・下痢型・混合型・分類不能型(便通異常よりも腹痛・腹なり・ガス症状を強く主訴)に分類され、病型に対応した治療が開始されます。男性では下痢型、女性では便秘型が目立ちます。

 

  • IBSと分かったら、早速治療を開始しましょう

腸自体に異常がないのに、どうして痛みや便通異常が起こるのでしょうか。現代段階では、「心身症:診断・治療ガイドライン」のIBS治療アルゴリズム(3段階方式)を活用し、痛みの軽減や便通異常の改善を図っています。

・第一段階:生活習慣・食生活の指導と消化管運動調節薬による消化管機能の調整する。

・第二段階:不安・抑うつの有無に注目した向精神薬投薬と簡易精神療法を行う。

・第三段階:専門医での治療で、重症例になる程、段階をあげて治療する。

 

生活指導と消化管運動異常

昼夜逆転や生活リズム、暴飲暴食や規則性のない食事などは腸に直接悪影響を与えます。また、腹痛の原因は「腸内細菌」であるという説があります。IBSの人の腸は、健常者の腸と比べて拡張する刺激に対して過敏に反応します。すると、腸内細菌のバランスが崩れて悪玉菌が増え、腹痛や腹部の不快感といった知覚過敏が起きやすくなります。

 

お手軽な外食やファーストフードだけで食事を済ませていると、栄養のバランスが崩れて、善玉菌が増えてくれません。下痢をしやすい人では乳糖、人工甘味料、マグネシウムを含む食品を取りすぎている場合もあるので、薬やサプリメント、食品の内容チェックをしましょう。例えば、キシリトールという成分は虫歯を防ぐ甘味料としてガムやキャンディーなどに多く使用されていますが、多く摂りすぎると下痢することがあります。

 

腸を健康に保つには、ヨーグルトや乳酸飲料を取っていればいいと思いがちですが、口から摂取して腸に生きて辿り着ける菌の数や種類は限られています。「補うだけ」という考え方にするのではなく、善玉菌が増えやすくなるような腸内環境を整えてあげる事が重要なポイントになります。IBSは生活リズム、腸内細菌の乱れなど、微妙な変化で発症します。お腹の不調を感じたら、食事の見直し、生活リズムを整えるなど、振り返りが必要です。

 

腸管の知覚過敏

大腸に刺激を与えて、その時の脳の反応を調べてみると、IBSの人では、刺激に反応する脳の部位の血液の増え方が健常者よりも大きく、周辺のうつや不安に関する部位にも血流が増えたとの臨床報告があります。つまり、腸の不調が単なる痛みや不快感だけでなく、心理面にも影響を及ぼし、悪影響を生んでいるということです。

 

腸と脳には密接な関連があります。故に、「腸は第二の脳」といわれる所以にもなりましたが、腸の環境が悪くなると、それを脳へ伝えられて、ストレスとして腸へ逆伝達されるといった情報伝達のやり取りが行われるようになります。腸が快調だと幸せホルモンが大量分泌されて精神安定が図られるとも言われていますから、腸の環境を整えることは単なる知覚過敏を治めるだけではなく、精神状態を安定させて、腸管環境を更によくする働きかけをすること、またその逆も然り、好循環が繰り返されるようになります。

 

IBSや機能性ディスペプシアなどの機能性消化管障害、腰痛症、顎関節障害などの全身疾患、更にはうつ病、パニック障害、身体表現障害などの精神疾患と共存することが少なくないので、IBS改善には既往症にも注目が必要になります。

 

消化器官用薬による指導

薬の治療では、まず腸内細菌の正常化を図る耐性乳酸菌製剤(ビオフェルミンR錠・ラックビー錠など)やガスによる腹部症状の改善にジメチコン製剤(ガスコン錠など)の止瀉剤・整腸剤が投与されます。

 

IBSは医療機関に行かないと治らない?

癌や潰瘍など、器質性疾患ではないことを確認する為には、医療機関を受診することが一番です。また症状に応じた処方を受けることも早くに症状を軽減させることにつながります。しかし、他に既往症があまり薬を増やしたくない、以前薬が合わなかったという方もおられることでしょう。その場合、治療方法の第一段階「生活の見直し」を図った上で、IBSの原因をご自身でしっかり理解し、それを一つ一つ取り除いていく必要があります。

 

例えば、睡眠不足が原因なら就寝時間と起床時間を決めて、行動するようにしましょう。便秘傾向の方は、毎日決まった時間にトイレに行き、「この時間は排便時間」だと脳や体に覚え込ませましょう。また便意を感じたらトイレを我慢しないことも腸内環境を整える助けになります。下痢傾向の人は食品表示をよく見て、乳糖、人工甘味料、マグネシウムを含むものを控えましょう。

 

また繊維質を多く含も食品は便通を良くする為に多くに水分を必要としますから、便の中に含まれる水分を繊維質に少し吸ってもらいましょう。ストレスが引き金でIBSを起こしている方は、ストレスをなくすよう、生活を方向転換していきましょう。ストレスをなくすことは簡単なことではありません。ですが、そのストレスを抱えていることは、IBSを悪化させるばかりか、他の病気の誘因となりかねません。ストレスが自律神経の乱れておこることもありますから、簡易的なカウンセリングだけでも心が軽くなることがあります。自律神経を整える鍼灸や整体など体のメンテナンスも有効的です。薬を使わないといった安心感もありますね。

 

 

まとめ

誰もが経験する一過性の便通異常や腹痛はIBSとは呼びません。たとえ1日でもお腹の調子がおかしくなると不愉快なもの。それが毎日のように繰り返されたら、一過性で終わらずに終わりが見えなかったら、どれだけ苦しく不安なことか!IBSは決して命に関わる病気ではありませんが、その代わりに生活の質(QOL)が著しく落ちます。

 

人前で恥ずかしい想いをしたくないために、人前に出ることを避けるようになり、行動範囲も狭くなりがちです。更には不登校や出勤不能、引きこもりなどの問題も生じてきます。精神的にも辛くなり、うつ病などを併発するケースも珍しくありません。自分のやりたいことができるようになり、豊かな人生を歩むためにも、IBSを克服しましょう。

 

 

 

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