下腹部の七転八倒の痛みは尿路結石の疑いがありますよ!

2016年3月11日 : 腰の痛み

突然と左わき腹や、右腰から鼠径部にかけて鈍痛や激しいに驚いたことはありませんか?いつもの腰痛や筋肉痛とは違う、トイレに行っても排尿できないとなったら、それは「尿路結石」です。

 

尿路結石は痛い!

尿路結石」は尿の成分が結晶化して石状の塊ができる病気の総称で、結石ができる場所によって、「腎結石」「尿管結石」「膀胱結石」と異なる名称で呼ばれています。

尿路結石の成分の大半は、リン酸カルシウムやシュウ酸カルシウムといったカルシウムの結晶です。当然、結晶ですから、サプリメントタブレットのように丸くツルツルしているわけがなく、ギザギザ・トゲトゲの石ころ…小さければ痛みを感じないのですが、狭い尿管や尿道と同等か大きな結石になると通過時に激痛を伴います。

 

ですから、腎結石の場合、広い腎臓内に損際するために自覚症状はほとんどなく、エコーやCTなどで偶然発見されることが多いのですが、尿管結石では、疝通発作とよばれる側腹部の激痛で発見されることが多くなっています。

膀胱結石には、上部尿路から下降する結石と、膀胱内で形成されるものがあります。尿管を下降して膀胱に落下すると、通常は容易に尿道を通過して排出しますが、前立腺肥大症や神経因性膀胱、尿道狭窄などのような残尿が発生する排尿障害があると、結石は膀胱内に停留し成長してしまいます。

しかし、下部尿管結石では上部尿管結石に比べると発症頻度がはるかに低く、嵌頓部の痛みと閉尿の苦痛で受診することになります。

 

尿路結石の罹患率は増加しており、1965年と比較すると2005年では約3倍に増えています。これは食習慣の欧米化によって、動物性食品の摂取量が増えたことが原因のようです。

近年では、動脈硬化症や糖尿病など生活習慣病との関連が指摘されており、腎・尿管結石の再発率は、約40%と高く(結石の種類によって異なる)、再発予防の観点からも生活指導の役割が重視されています。「男性では7人に1人が、女性では15人に1人が一生に一度は罹患」という報告もあるように、食生活の違いや、男性の尿路が長いといった体の構造によっても発症や症状も異なるようです。

 

診断方法

尿路結石症に関しては、日本泌尿器科学会、日本尿路結石学会らに編集されている「尿路結石症診断ガイドライン」に沿って診断や診療が進められています。

 

検尿(尿沈渣)、腹部超音波検査、腎尿管膀胱部単純X-P、血液検査が診断には必須項目となっています。尿酸結石やシスチン結石はX線透過性なので見落としに注意が必要です。

次の段階として、排泄性尿路造影を施行し、結石の確定診断あるいは尿路閉塞状態についての評価を行います。近年ではマルチスライスCTの導入により、尿路結石の診断に関しても長足の進歩を遂げており、CTを契機に腎・尿管といった上部尿路結石と診断される場合も少なくはありません。

 

治療方針

長径5mm以下の結石では自然排石が期待できるので、経過観察もしくは保存的治療を行います。長径10mm以上では自然排石が期待できないので、積極的治療の対象となります。5~10mmの結石については境界型となるため、感染や水腎症、腎機能低下、あるいは患者の社会的背景などを考慮した上で治療法を決定することになります。

 

【疼痛に対する治療】

第一選択では、ボルタレンサポなどの非ステロイド性消炎鎮痛薬の坐薬が用いられます。坐薬で鎮痛が不十分な場合は、非麻薬性鎮痛剤であるペンタゾシンの筋注を行うことになります。

 

【保存的治療】

  • 生活指導:飲水(1日2L以上)と適度の運動(なわとびや階段降り)などを行うよう指導を受けます。結石が動き出しても、5mm以下の結石では特に加療を必要としません。入院加療となっても、結石は排出されるまで、輸液の点滴注射のみといったことも珍しくありません。これはたくさん飲水しても、動き出した結石が尿管を塞いでしまい、結石を圧し出さないばかりか、排出されない尿で尿管破裂を防ぐためだといわれています。

 

  • 排石促進剤:排石促進剤としてウロカルン(植物エキス製剤)や猪苓湯(漢方製剤)が古くから処方されてきましたが、効用や作用機序が完全に解明されているわけではなく、近年ではα受容体遮断薬による自然排石促進効果が注目されています。残念ながら、日本ではまだ保険適用ではありません。

 

  • 溶解療法:尿路結石やシスチン結石では、尿のアルカリ化によって溶解度の上昇が期待できるため、クエン酸製剤(ウラリット配合錠)の投与が有効となります。更に尿酸結石では尿酸生成阻害剤(ザイロリック錠)の併用もされます。尿酸値を2~6.8に安定させることで、結石の生成を阻止しようというわけです。

 

【積極的治療】

10mm以上の結石や嵌頓に伴い、急性腎盂腎炎を併発している場合や単腎症例では、堰き止められた尿の排出を促すために、結石の破砕、患側腎の尿の速やかなドレナージを目的とした尿管カテーテルの留置あるいは経皮的腎瘻造設が必要となるため、泌尿器科専門医に即刻紹介されます。

 

尿路結石に対する積極的な治療法は体外衝撃波砕石(ESWL)・経皮的腎砕石術(PNL)・経皮的尿管砕石術(TUL)といった結石を小さく破砕して流してしまおうというものが主流で、管を挿入して結石を通りやすくするドレナージを目的とした尿管カテーテルの留置あるいは経皮的腎瘻造設は第二選択とされています。

 

長径20mm未満の腎結石及び上部尿管結石に関してはESWLが主体、長径20mm以上の腎結石及び珊瑚状結石に関してはESWL単独では難しく、PNLとの併用が推奨されています。中部尿管結石に関してはTULあるいはESWLが第一選択され、膀胱・尿道といった下部管結石に関しては長径10mm以上ではTULが第一選択、10mm以下ではTULあるいはESWLが第一選択となります。

 

最近ではESWLによる残石率及び再発率の高さが指摘される傾向にあり、それと対照的に軟性鏡とレーザーを使用したTULの治療効果が注目されており、中部尿管結石のみならず上部尿管結石や珊瑚状結石に対するESWLの補助治療としてTULを行う施設も増えつつあります。

いずれも保険適応されますが、衝撃波によるリスクや体への負担など、患者の年齢によって対応策は様々です。破砕器機を備えているかどうか、術前に先生と伺っておくことも必要です。

 

再発予防

1日2L以上の飲水や適度の運動、バランスのとれた食事などについて、生活全般の見直しは大切となります。前記したように、動物性食品…特に肉類中心の食生活ではでシュウ酸や尿酸といった結石の原因となる成分摂取が増えてしまいます。

また、レバーや魚卵などプリン体の多い食材も尿酸値を上げますから、結石を作りやすくなります。最近では痛風や結石を意識したプリン体カットといったアルコールも出ていますね。ナッツ類やチョコレート、コーヒーなどカフェインを多く含む食品もシュウ酸を多く含み、ビタミンCもシュウ酸を作り出す手助けとなりますから控えましょう。

 

では、どのような食生活がいいのでしょうか?サツマイモ、レタス、ホウレンソウ、レモンやオレンジといった野菜や果物を中心とした食生活はカリウムを多く摂取できます。カリウムは尿を結晶化させないよう保つ働きがあります。

また、食物繊維・マグネシウム・クエン酸・抗酸化物質を含むことで、結石化を妨げます。穀物類もマグネシウムや食物繊維を多く含みますから、バランス良く、適量を摂取しましょう。

 

もちろん、適度な運動も必要です。運動は血行を良くし、各臓器の働きの活発化を促します。運動すると汗をかきますから、汗をかいた分、水分補給をして、尿量が減らないよう、また尿濃度が薄くならないように気をつけましょう。

 

まとめ

尿路結石は、単なる体質でできるわけではなく、生活習慣の見直しで予防することができます。また、上手くコントロールできない場合でも、痛風治療剤によって尿酸値を維持することで予防することができます。あの痛みを一度でも体験したら…二度と結石は嫌だと思うはず。事前に予防できるものなら、予防しましょう!

 

 

 

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