整体師が教える猫背の原因

2016年3月2日 : 肩こり,腰の痛み,頭痛

背骨(脊椎)は、あらゆる振動や衝撃が頭の中の脳へ直接伝わらないように、全体にS字を描くようにして吸収しながら、頭を支えています。

そのパーツは、首(頸椎)・胸(胸椎)・腰(腰椎)・お尻(仙骨)・尾てい骨(尾骨)に分かれていて、その中でも元々後ろに弯曲している胸椎ですが、その弯曲が強く背中が丸まっている・肩や頭が前につき出ている状態を「猫背」と呼んでいます。

 

猫背の見分け方

明らかに背中が猫のように丸まっている状態であれば、「猫背」であると分かります。ですが、猫背の意識がない方でも「猫背」になっている可能性があります。簡単な見分け方は、体の力を抜いた状態で立位を横から見た時に分かります。

足の外踝・骨盤・肩・頭(耳の穴)が一直線にまっすぐ揃っているのが「きれいな美しい姿勢」、直線から肩や頭(耳の穴)が前につき出ており、背中が丸まり、顎が少し上がった状態が「猫背」です。

ほんの少し、例えば1cm程だとしても頭が前につき出ていれば、それは「猫背」の姿勢に入ります。

中にはバランスを取ろうと骨盤が後方へつき出ている出尻といわれる姿勢や、肩が前に巻き込まれるように力が入る巻き肩といわれる姿勢も猫背の特徴です。

 

「猫背」の重症度

「ほんの1cmでも」と先程述べましたが、まだ「猫背」になりかかったばかりで生活習慣を見直すだけですぐに「猫背」解消ができる超軽度段階、姿勢を意識やストレッチに励むことで「猫背」を自力解消できる軽度段階、ある程度専門家の手を借りながら矯正された姿勢を維持するよう努力を要する重度段階、Cの字のように丸まってしまって矯正に時間と気力を要する超重度段階と何段階にも分かれています。

壁に背を預けて、まっすぐ立ってみてください。もともとS字の曲線を描いていますから、胸椎は後方へ、腰椎は前方へと軽い弯曲がみられますから、壁と腰との隙間に手の平が一枚入ることが正常となります。手の平が入らないか、2枚以上入ると弯曲が強く出ている「猫背」となります。

 

・S型猫背:一見しただけでは姿勢は悪くないものの、骨盤が本来のポジションよりも前へ傾きが強く、腰が反ってしまう為、バランスを取ろうと背中(胸椎)を丸めて頭が前に出ている状態。

壁に背を当てると踵・お尻・背中(肩甲骨)は壁につくが、腰と壁の間には手の平1枚分以上・後頭部も壁から離れる。スマホを長時間操作する前かがみ姿勢が作り出す為、若い人によくみられる傾向。

軽度状態が大半だが、慢性化している上に無意識の姿勢なので、重度化しやすい。

 

・C型猫背:まさに猫のように背中が丸まり、立っていても座っていても背中が丸まってしまい、見るからに姿勢が悪い状態。足を踏み出すよりも前に骨盤が移動してしまい、重心バランスを摂るように背中(胸椎)を丸めて頭を前に出すようになる。

壁を背に立った時、踵と背中(肩甲骨)はつくが、お尻と後頭部は壁から離れ、腰には手の平が入らないか、手の平1枚以下のかすかな隙間しか空かない。完全に「猫背」化している重度の状態。慢性的な痛みや不快感が体の至る所に感じられる。

 

・首猫背:骨盤が本来のポジションより後ろへの傾きが強くなることで腰が平らになることで背中(胸椎)が丸まり、頭が前に出ている状態。壁を背に立つと踵・お尻・背中(肩甲骨)はつくが、腰と壁の隙間には手の平2枚以上の隙間が空き、後頭部も壁から離れている状態。

背中の弯曲に関わらず、首が前に出ていることもある。慢性的に疲労感が抜けず、「猫背」も重度化しつつある。

 

「猫背」の原因

「猫背」になる原因としては長時間の不動状態、体に負荷をかける姿勢習慣、心理的行動といったものが挙げられます。

デスクワークや草むしり、家事の時に腕を前に出す姿勢をずっと取り続けていると背中が丸くなりやすく、肩も前に出やすくなります。下を向いてずっとかがみこんでいたり、深いシンクで洗いものをする時に背中を丸めたままの姿勢を長時間続けることで、その姿勢を体が認識して胸や背中の筋肉が固まってしまうことで起きます。

頭の重さは体重の1割ほどあります。通常の姿勢であれば頭そのものの重さだけを支えればよいのですが、「猫背」はその重たい頭が前へ移動することで首に大きな負担がかかります。

 

頭が5cm前に移動するだけで、首への負担は2倍になるとも言われていますし、バランスを保つために肩が内側に丸まるといったありがたくないおまけもつきます。

デスクワークでPCの画面を覗き込みながら指先だけを動かしたり、スマホばかり見ていると頭が前方に出やすくなって「猫背」姿勢になりやすくなるといった現象が最近多く見受けられます。

また、座り方ひとつにしても「猫背」になりやすい座り方とそうでない座り方があります。私たちは坐骨面をとらえて正しい姿勢の状態で座わります。この坐骨面で座れずに、背もたれによりかかったり背中を丸める形で座ってしまうと、おなかや腿の裏、お尻の筋肉が縮こまって固まってしまい、作業をしやすいように前傾姿勢をとってバランスを取ろうと「猫背」になってしまいます。

 

いずれの場合も、仕事や日常的な必須行動ですから、今すぐに止めるというわけにはいきません。仕事や家事の合間に胸や肩甲骨のストレッチをしたり、長時間座らなければならない時はこまめに立つかお腹・腿の裏・お尻のストレッチをして、長時間の不動状態や体に負荷をかける姿勢習慣から体をリセットしてあげることが大切です。

あるいは、デスクワーク時に高さ調整や前傾姿勢を支えるデザインの机や椅子を選ぶこと、シンクの深さを身長に合わせたものへとリフォームすることなど、初期投資はかかりますが、長い目で見た時に体に負担のかからない生活環境を整えることも一つの手段となっています。

 

授業中に先生に指されないために背中を丸めて小さくなったり、背の高いことをコンプレックスに感じて少しでも小さく見せたいと背中を丸めたりといった心理的行動が「猫背」を生み出すことがあります。

ずっと教科書の影に隠れていることは出来ませんし、昨今では女性が170cmを超えることも珍しくありません。しかし、長時間かけてしみついた体の癖やラインを治すには一朝一夕にはいきません。常に意識し続けること、骨格矯正にも時間をかけることが必要になります。

 

科学的なことになりますが、昼夜問わず番組放送を行うテレビや、すぐに手元の端末で知りたいことを瞬時に検索できる現代では、情報ストレス・ネット依存といった新しい病症が現れています。情報ストレスを受け止めた第5胸椎の可動域が狭くなることで「猫背」の原因となる胸椎の伸展制限を作っているとも言われています。

 

まとめ

「猫背」は見た目も、体の機能も損ないます。機能不全からくる痛みや疲労は私たちを苦しめ、意欲を削ぐ方向へと向かわせてしまいます。

長時間同じ姿勢を取らない、体に負荷をかけない、随時ストレッチや筋トレを取り入れるといったちょっとした方法で「猫背」を改善・解消できます。

自力で無理でも、骨格矯正といった専門家の手を借りることもできます。もう治らないと悲観せずに、多方面からの可能性を探ってみましょう。

 

 

 

 

身体を壊してお身体のケアをせずにどこに行ったら改善するのか分からなく迷っている方は一度【てらだ鍼灸整骨院】の施術を試してみませんか?

無料相談を遠慮なくお使いください。

0120−405−100

 

 

 

 


症状について詳しくはこちら

長年の肩こりでお悩みの方

関連記事


ページトップへ戻る

ページを閉じる