脊柱管狭窄症になるタイプについて

2015年11月25日 : 未分類

脊柱管狭窄症は、脊椎(背骨)の中を走っている脊髄の通り道が狭窄している病態です。脊柱管は椎骨や椎間板、椎間関節、後縦靭帯、黄色靭帯などの様々な組織によって周囲を囲まれています。この脊柱管が狭窄すると、中を走っている脊髄神経が圧迫され、手足のしびれや動かしにくさなどの症状が引き起こされます。

 

脊柱管狭窄症には、先天性の原因と後天性の原因があります。一般的な脊柱管狭窄症の大部分は後天的な原因によるものであり、その中でも変性脊柱管狭窄と呼ばれる病態が多くを占めています。では、このような後天的な脊柱管狭窄になりやすいのは、どのような方なのでしょうか。

 

脊柱管狭窄症と加齢

脊柱管狭窄症が起こりやすいとされているのは、まず高齢者です。変性脊柱管狭窄は、脊柱管の周囲にある椎骨、椎間板、椎間関節、靭帯などが肥厚や膨隆といった変性をすることによって、脊柱管を狭めてしまっています。これらの組織の変性には加齢による影響が非常に大きいです。また、高齢になると骨粗しょう症などの骨代謝にも異常をきたしやすくなるほか、背中が曲がってくることで脊椎自体の形も大きく変わっていくことになります。腰周りを支えるための体幹の筋力も次第に衰えていき、その分の負担が骨や関節、靭帯へと加わることも加齢による大きな変化です。

 

脊柱管狭窄症が特に生じやすいのは腰の部分であり、現在では40歳以上の方の約3.3%、約240万人が腰部脊柱管狭窄症に悩まされていると推測されています。この腰部脊柱管狭窄症の有病率も加齢とともに高まることが明らかであり、80歳以上にもなると男性では9.3%、女性では15.8%の有病率になるとされています。

 

脊柱管狭窄症と激しい運動・労働

このように、脊柱管狭窄症は加齢による骨や関節、靭帯の変性による影響が大きく、どちらかというと高齢者の疾患というイメージがあります。しかし、スポーツや肉体労働などの腰に負担がかかりやすい生活をしている方は、当然骨や関節、靭帯の変性も起こりやすくなります。

 

若い頃から激しいスポーツを行ってきた方、特に重量挙げのようなスポーツでは腰への負担が非常に大きくなっています。脊柱管狭窄症の起こりやすい部位である腰部のもう1つの代表的な疾患として、腰椎椎間板ヘルニアがあります。腰椎椎間板ヘルニアは比較的若年者での発生も多く、特に腰に負担のかかるスポーツを行ってきた方などに起きやすいです。激しいスポーツを行ってきた方では、この腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症の合併などが起こることもあります。また、中高年になってからは、テニスやゴルフによる腰部脊柱管狭窄症も増えてきます。テニスやゴルフは腰を捻る動作も多く、そのフォームによっては身体に無理な負荷がかかってしまいます。運動によって体幹の筋肉を鍛えることは、もちろん良いことですが、頑張りすぎて無理をしすぎないように気をつけることも大切です。また、スポーツ以外にも、農業や造園業のような中腰の姿勢を多くとる仕事や、引っ越し、運送業といった重い荷物を運ぶことの多い仕事でも、腰への負担は大きくなっていきます。

 

脊柱管狭窄症と反り腰

普段の姿勢における脊椎のゆがみも、脊柱管を狭める要因となります。人の脊椎というのは、一直線になっているわけではなく、ゆるやかに前方や後方へとカーブを繰り返しています。これは、脊椎にかかる衝撃の吸収や、柔軟な体幹の動きを生み出すために重要な構造です。このカーブが過度に増強したり、反対になくなったりしてしまうことは脊椎への負担を高めることになります。

 

脊柱管狭窄症が起こりやすい腰部の骨である腰椎は、ゆるやかに前方に凸のカーブを作っています。この腰椎の前方に凸のカーブが過度に強まっている状態が、反り腰と呼ばれる姿勢になります。下腹部を前方に突き出し、状態が後方に少し傾いたような、腰を反らせた状態です。この反り腰は、腰部の脊柱管狭窄症が起こる危険性を高めてしまいます。壁に背を向けてまっすぐ立ったときや、床に仰向けに寝たときに、自分の腰に手を入れてみてください。反り腰になって、腰椎のカーブが増強している方は、自分の手の平がすっぽりと腰に入ってしまうと思います。反り後になる理由は、下腹部の脂肪や腹筋の筋力低下、ハイヒールによる姿勢変化など様々です。

 

脊柱管狭窄症とストレートネック

頸部も脊柱管狭窄症が起こる危険性をもった関節です。頸椎も腰椎と同様に前方に凸のカーブを持っており、このカーブの変化が脊柱管狭窄症を招いてしまうことがあります。

 

頸部に起こりやすいのは、このカーブが消失してしまうストレートネックという状態です。言葉のとおり、前方に凸のカーブがなくなり、頸椎が真っすぐになってしまうことで負担が高まります。ストレートネックは、パソコンやスマートフォンの普及によってその発生率がどんどんと高まってきています。パソコン作業の姿勢、うつむいてスマートフォンを操作する姿勢は、頸椎のカーブが弱まる姿勢であり、毎日長時間この姿勢をとっていることによって頸椎の自然なカーブが失われていきます。さらに、頸椎の乱れは、身体全体のバランスを乱すことにもつながりかねません。作業の合間にストレッチや体操を行うことが、筋肉や関節のバランスを取り戻すためには効果的です。

 

 

 


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