整体師が教える分離症を調べる3つの方法

2015年11月25日 : 未分類

分離症とは、スポーツを習慣的に行う子供に多い「成長期腰椎分離症」を指すことが多く、背骨の病気の一つです。分離症には特徴的な症状があり、その症状で分離症を疑い、さらに画像検査所見により確定診断されます。子供の一番近くにいる存在である、親や、スポーツを指導する大人が分離症の症状を理解し、子供の症状を見逃さないことが大事です。

今回は、腰椎分離症の症状について詳しくお話しします。

 

1.特徴的な腰痛の症状とは?

 

分離症は、第5腰椎に最も頻度が高く、繰り返す機械的な負荷が原因で生じる疲労骨折であり、運動時の腰痛が主な症状です。

発症の仕方は様々で、徐々に痛みが出てくるケースや、ある時突然ギクッと痛みが走ってその後腰痛が持続するという場合もあります。

その中でも分離症に見られ、医学的に有意とされている所見は、以下の3つがあります。簡単な身体検査なので、セルフチェックも可能です。

1:Kemp徴候

2:腰椎伸展時痛

3:棘突起(きょくとっき)叩打痛・圧痛

これらについて一つずつ詳しく解説します。

 

2.Kemp徴候とは

座った状態またはまっすぐ立った状態で、やや斜め後ろに腰椎を倒して、回旋します。左右どちらも行います。その時に、右または左に回旋した時に痛みを生じた側が病側となります。

これは、脊髄からでた枝である神経根が圧迫されるためで、この検査で腰痛が誘発されることを「Kemp徴候」といいます。

成長期のスポーツを行う若者がKemp徴候を認めた場合、画像所見で実際に分離症と診断された人は約7割であり、非常に感度の高い所見です。一方で、Kemp徴候が陰性で、画像所見で分離症ではないことが証明されたのは約半分でした。

このことから、Kemp徴候を認めた人は、分離症を積極的に疑い画像検査をする必要があります。さらに、この徴候は分離したばかりの発症早期に約8割の人に認められ、偽関節期まで進行すると約3割と減少します。

また、陰性でも約半分の人が分離症であったことから、陰性の場合でも、腰に負担のかかるスポーツ歴や好発年齢(12~17歳が約9割)などから分離症が疑わしい場合はさらなる検査が検討されるべきです。

腰椎分離症は無症状の患者も多いのですが、腰痛が発生する機序については十分に解明されていません。自覚症状がない場合でも、長時間の立ち仕事や腰を反らせたり横に曲げたりする時のみに腰痛を生じることがあります。

 

3.腰椎伸展時痛とは?

 

立った状態で前かがみになると腰痛が出現することを「腰椎伸展時痛」といいます。

腰部伸展時痛があるスポーツを習慣的に行っている若者10~18歳では、約半数に腰椎伸展時痛を認めています。

この腰椎伸展時痛に関しても、病期が進行するにつれて頻度が減少し、早期では約9割ですが偽関節期には約6割と報告されています。

 

4.棘突起(きょくとっき)の圧痛とは?

 

棘突起とは椎骨の後端が隆起して突出した構造であり、背骨として体表から触れることができる。

腰椎分離症は第5腰椎に発生することが多いため、この部位の棘突起を押す、もしくは軽く叩くと痛み(棘突起叩打痛)を生じることがあります。分離症の約6割に認められ、発症早期であるほど陽性率が高くなります。

 

5.複数の所見で感度がアップ

 

これまでに、Kemp徴候、腰伸展時の痛みと棘突起に限局した圧痛の3つをご紹介しましたが、複数の所見がそろうほど分離症の可能性が高くなります。

発育期のスポーツ選手での発症頻度は約40%と効率であり、偽関節に至る例も多いことから、スポーツを定期的に行う子供に腰痛を認めた場合は、簡単にできるこれらの所見を確かめてみるのも良いかもしれません。

 

6.早期に発見する利点

 

発症早期ほどいずれの所見も感度が高く、この時期に医療機関を受診して分離症を見つけてもらうことが大事です。

発症早期にスポーツを中止して、コルセットにより体幹固定を行うことにより分離した骨が再度くっつく骨癒合(こつゆごう)偽関節期になると、骨癒合は期待できません。

 

7.すべり症の症状とは

 

高校生頃までは、椎骨の一部がやわらかい成長軟骨で構成されているため力学的に弱く、分離症と気付かずにスポーツで負荷をかけ続けることで、分離症が伸展して「分離すべり症」になることがあります。

すべり症とは、分離症で上下の椎骨の固定が不安定であるために、椎骨が前方にすべってしまう病気です。前後にずれた椎骨が神経を圧迫すると、下肢のしびれや疼痛、下肢の筋力低下といった神経症状が出現することがあります。

また、脊髄からでた枝である神経根(しんけいこん)を圧迫すると、おしり、太ももの後ろ、すねや足先などにしびれや痛みを生じることがあり、座骨(ざこつ)神経痛様の症状を示すことがあります。

若いほどすべり症の発症頻度が高くなり、スポーツを継続することが困難となり、またコルセットなどの保存療法では改善しないために手術が必要となるケースもあります。

将来スポーツ選手になりたいという子供の夢を叶えるためにも、早期に分離症の治療を行い、このすべり症への進展を防いであげることが非常に大切なのです。

 

 


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