ご存知ですか?虫垂炎の手術痕が腰の痛みの原因かもしれませんよ!

2016年3月22日 : 腰の痛み

急激な腹痛…といって、真っ先に思い浮かべるのは「盲腸」という方は多いことでしょう。この「盲腸」、正式病名を「虫垂炎」といいます。

 

虫垂炎とは

虫垂は盲腸の内側端に付属する細長い小指大の管腔臓器で、ここで急性の化膿性炎症が起きる病態を急性虫垂炎と呼んでいます。

「盲腸」という通称は虫垂が盲腸内に属していることから、触診時に盲腸の腫れを示し説明することから、一般的になったと言われています。

急性腹症の原因としても最も頻度が高いのですが、大半が命に関わる状態ではなく、適切な診断及び治療が施されれば予後は決してわるいものではありません。

その証拠に、研修医が初めて担当するオペは、「アッペ(虫垂炎切除術)」がセオリーになっています。

 

症状の程度は、軽度の炎症(カタル性)から、全層性の化膿性(蜂窩織炎症)、更には壊疽性に至る種々の炎症変化が認められています。

虫垂の主な閉塞転機は、糞石や異物、腫瘍、寄生虫などの何らかの理由で虫垂に軽度の炎症が起こり、壁に浮腫、充血、リンパ組織の過形成が生じ、虫垂内腔が閉塞して化膿性、壊疽性変化に伸展すると考えられています。

特に、成人では糞石によるもの、小児ではリンパ濾胞の過形成によるものが多く、幼児期以降に好発します。

全人口のうち、欧米では約7%、わが国では20~25%が一生のうちに罹患するといわれるほど、頻度が高い疾患です。特に10歳代から20歳代は、リンパ組織発達の著しい為に虫垂炎発症率が高くなっています。

 

症状と診断

一般的に食欲不振もしくは疲労時に吐気を伴う腹痛(多くは心窩部痛)、発熱が初発の症状として現れ、腹痛は次第に右下腹部に移行していきます。一定期間持続後、発熱、腹痛が著明になるなど急に増悪し、まれに敗血症、ショック状態に陥ることがあります。

 

悪心・嘔吐を伴い、次第に右下腹部に局在していく腹痛があれば、ある程度予測・診断は可能となります。圧痛部位は右上腸骨棘側の点に最も点在し、下腹部のMcBueney点(臍と右上前腸骨棘を結ぶ外側1/3の点)やLanz点(左右上前腸骨棘を結ぶ右側1/3の点)に圧痛を認めることが多いといわれています。

これらの圧痛点に腹膜刺激症状である筋性防御(反射性腹壁緊張)や、手を離した瞬間に疼痛を感じる、いわゆるBlumberg徴候があり、白血球の増加(核の左方変位)と発熱があれば診断は確定となります。

蜂窩織炎性や壊疽性では、Rosenstein徴候(左側臥位で圧痛増強)及びRovsing徴候(左下腹部の圧痛による右下腹部痛の誘発)なども認められます。

 

圧痛点の触診以外にも、検査方法があります。血液検査では、一般的に白血球及び好中球比率が増加し、CRPも上昇も顕著になります。腹部X線検査では、右下腹部に腸管ガス像の消失、膿瘍腔内のガス像である二ボーが認められることがあります。

超音波検査では、虫垂の腫大(小児で約6mm以上、成人で約9mm以上)や壁肥厚などの所見を、CT検査では、虫垂の腫大や壁の肥厚濃染像、糞石や虫垂周囲の脂肪組織の炎症性変化を認めることができます。超音波検査やCT検査は診断能が高く、腫瘍や腹水の存在などの所見も得られ、腸憩室炎・腸間膜リンパ節炎・急性腸炎・結腸腫瘍・クローン病・婦人科疾患(子宮外妊娠、骨盤腹膜炎、卵巣嚢腫など)・尿管結石などの他疾患との鑑別にも有用となります。

 

しかしながら、腹痛も軽度で圧痛も少なく、白血球増加や発熱のない虫垂炎もあります。特に小児や高齢者では圧痛点が不明瞭な場合が多く、さらには非典型的な経過をたどるケースもあるため、重症化する可能性が高くなります。

また、妊娠では子宮による圧迫で、虫垂が頭側に変位することに注意する必要があります。妊娠に気がついていない場合もありますから、性別や年齢によっては問診の上で、検尿検査や妊娠反応検査も行うことも必要になります。

 

治療

炎症が粘膜側に限局したカタル性、漿膜側まで広がった蜂窩織炎性、周囲腹膜まで広がった壊疽性に分類され、穿孔に至ることもあります。

原則的には手術による虫垂切除が最善となります。腹膜炎を合併した場合には抗生物質の投与と、ドレナージによる膿瘍の排出が必要となります。保存的療法は診断がつかないときの経過観察目的で行われ、絶食及び輸液を併せて行うようになります。

 

【急性カタル性虫垂炎】

急性虫垂炎の初期病変といえる状態で、虫垂は充血・腫大し、その粘膜には浅いびらんが見られるのですが、白血球浸潤はあまり著明ではありません。虫垂切除のみにて治癒し、合併症を起こすこともほとんどありません。頻度は不明ながら、この段階で抗生物質を投与することにより保存的に治癒することもあります。

 

【保存的加療】

入院、禁食のもと、十分な輸液と第2世代セフェム系抗菌薬(セフメタゾン注)の投与を行います。症状や所見に改善が見られない場合は、手術へと移行します。

腫瘤を形成している場合はカルバペネム系(フィニバックス注)などの抗菌薬を投与して、軽快後に消化管精査を行います。

 

【外科的治療】

蜂窩織炎性や壊疽性虫垂炎で、腹膜刺激症状が明らかな症例では、早急に虫垂切除術を行います。

術前に十分な輸液と抗菌薬(膿瘍形成症例や穿孔症例ではカルバペネム系抗菌薬)の投与も必要となります。術後合併症には、創部感染、腹腔内膿瘍、縫合不全などがあります。

 

・急性化膿性虫垂炎

急性カタル性虫垂炎が進行したもので炎症が筋層から全層に波及します。虫垂は腫大し、表面に膿を認めます。

ときに周囲の大網や臓器に癒着を起こし、腫瘤を形成するようになり、放置すると血流障害を起こし壊疽性虫垂炎へと進行してしまいます。治療は外科的切除となります。

 

・急性壊疽性虫垂炎

蜂窩織炎性虫垂炎が最も進行したもので、虫垂壁が壊死を起こし、虫垂は高度に腫張、部分的に暗赤色ないし黒色を呈します。虫垂内容は悪臭があり、泥状となります。

しばしば穿孔をきたし、腹膜炎に移行する場合があります。治療は外科的手術であり、この時期には虫垂切除とともに局所のドレナージが必要となります。

 

・急性穿孔性虫垂炎

急性虫垂炎が進行すると、根部で内腔が閉塞し、内腔圧が上昇、虫垂は腫大します。

虫垂壁は全層性に炎症を呈し、治療されないと血行が不良となり、ついには壊死性変化を起こし穿孔に至ります。穿孔すると内容である便や膿が本来無菌である腹腔内に流出し、汎発性あるいは限局性腹膜炎を引き起こしてしまいます。

初発症状から穿孔までの時間は24時間程度と言われています。全年齢での穿孔率は20%程度、小児で10%、50歳以上で70~90%という報告もあり、高齢者に多くみられます。

小児では小網の発達が悪く汎発性腹膜炎になりやすいことが、高齢者では動脈硬化・虫垂の筋組織の脆弱化・初期症状の乏しさなどが原因と推定されています。

 

まとめ

虫垂炎の手術は全身麻酔または腰椎麻酔下に、開腹手術又は腹腔鏡手術を行われます。

腹腔鏡下の手術では、開腹手術に比べて腹腔内の広範な検索が可能で整容性が優れていることに加えて、入院期間の短縮や創部感染が少ないなどメリットがあり、積極的に選択する医療機関も増えてきています。

傷口が小さく目立たないというのは、成長期の学生や女性には嬉しいニュースかもしれません。

 

 

 

 

 

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