整体師がお伝えする強直性脊椎炎の原因とは

2016年2月13日 : 腰の痛み,膝の痛み

主に骨盤や脊椎、さらには股関節や肩関節などの炎症、靭帯の付着部炎を主とするのが強直性脊椎炎です。その原因についても未だ解明されていない部分もあり、国の定める難病としても指定されています。今回は、この強直性脊椎炎の概要、原因、有病率についてご説明します。

 

強直性脊椎炎の概要

強直性脊椎炎は、血清反応陰性脊椎関節症(Seronegative spondyloarthropathy:SNSA)と呼ばれる疾患群の代表的な疾患です。英名は、Ankylosing spondylitisという名称であることから、ASと呼ばれることもあります。

 

血清反応陰性脊椎関節症というと、ほとんどの方は聞き覚えのない名称であるかと思います。この血清反応というのは、いわゆるリウマチ反応として考えることができます。関節リウマチというと、ご存知の方も多いのではないでしょうか。関節リウマチでは、全身の関節の腫れや痛み、変形などの症状を引き起こす全身性の炎症性疾患です。この関節リウマチには、約80%にリウマトイド因子という自己抗体の陽性反応が検出されます。一方、血清反応陰性脊椎関節症に当てはまる疾患ではこのリウマトイド因子が検出されません。

 

また、血清反応陰性脊椎関節症による関節炎は化膿性関節炎とは異なるため、関節内に細菌がみとめられないことも特徴です。つまり、亜急性期に関節炎を発症するが、関節内の細菌がみとめられず、リウマトイド因子が陰性である疾患群が血清反応性脊椎関節症と呼ばれます。

 

血清反応脊椎関節症の代表的な疾患は強直性脊椎炎のほかに、乾癬性脊椎炎や反応性関節炎(Reiter症候群)、炎症性腸疾患に伴う関節炎、若年性脊椎関節症、分類不能脊椎関節炎などが挙げられます。リウマチ熱やライム病という疾患も、リウマトイド因子陰性とはなりますが、これらは血清反応性脊椎関節症には分類されていません。

 

強直性脊椎炎の原因

強直性脊椎炎の原因については、未だはっきりと明らかになっていない部分も多いです。しかし、その発症には、ヒト白血球抗原(Human leukocyte antigen:HLA)のタイプが関係しているとされています。これは、大まかにいうと白血球のタイプのことを指しています。A型やB型、O型、AB型といった血液型は赤血球のタイプによるものですが、同じように白血球にもタイプがあると考えると分かりやすいかと思います。

 

強直性脊椎炎の患者は、血液のHLA検査を行うと、約90%の患者がHLA-B27が陽性となるとされています。ただし、HLA-B27をもつ方が必ず強直性脊椎炎を発症するわけではなく、HLA-B27陰性であっても発症する可能性もあることから、HLA-B27だけが原因となるわけではないと考えられています。

 

また、親族での発症も10%程度みられることから、遺伝的な影響がある可能性も推測されています。このようなHLA-B27の陽性反応や遺伝的素因に、細菌感染や免疫異常といった後天的な要因が合わさることで、発症につながるのではないかと考えられていますが、その詳細については未だ、明らかにはなっていません。

 

白人を対象としたある研究では、その他の血清反応脊椎関節症とHLA-B27との関係も示されています。強直性脊椎炎ではHLA-B27陽性率が90%程度であり、反応性関節炎では40〜80%、乾癬性関節炎では40〜50%、炎症性腸疾患に伴う関節炎では35〜75%、分類不能脊椎関節炎では70%という陽性率となっています。そのため、血清反応脊椎関節症はHLA-B27関連関節炎と称されることもあります。しかし、これらの陽性率は白人における研究結果であり、日本人を含むアジア人の患者にも同様のことが当てはまるかどうかについては断定できません。

 

強直性脊椎炎の有病率

疫学調査では、強直性脊椎炎の国内での有病率は0.04%であるとされています。また、人種による有病率にも違いがあり、一般には白人の方が発症をしやすい疾患であると言えます。アジア人の中でも、日本人はHLA-B27をもつ人の割合が低いことから、インドや中国、韓国と比べても強直性脊椎炎は稀な疾患となります。

 

男女の比率で見ると、9:1〜5:1であるとされており、男性に発症しやすい疾患であると言えます。リウマトイド因子が陽性となる関節リウマチでは、男女比が1:4と女性に多いのと対照的です。

 

10歳代、20歳代と若年で発症することが多い疾患です。そのほとんどが、30歳代までに発症するとされており、40歳を超えて発症することは非常に稀です。そのため、症状のピークは青年期、壮年期となることが一般的です。また、強直性脊椎炎は関節リウマチなどの類似した症状を示す疾患が多いことや、日本での有病率が低いためになかなか疑われにくいことなどから、早期発見・早期診断が行われにくい疾患です。発症から診断までに3年から長ければ20年、平均でも9年ほどを要するとされています。このことを考えると、未診断の強直性脊椎炎患者の存在も推測され、実際の有病率はもう少し高くなることが予想されます。

 

 

 

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