お知らせ! 強直性脊椎炎の症状とは・・・

2016年2月12日 : 腰の痛み

強直性脊椎炎はその原因についても明らかとなっていない部分が多く、国の定める難病としても指定を受けています。

 

これは、その名の通り、脊椎の炎症を主とする疾患です。脊椎は、小さな骨である椎骨とその間に挟まる椎間板によって構成されており、身体の複雑な動きを可能にしています。この脊椎に炎症が起こることで、骨破壊や癒着が起こり、脊椎は徐々に可動性を失っていきます。また、脊椎の炎症は股関節や肩関節といった周囲の関節への広がりを見せることもあります。その症状には、日によってムラがあることから、時には怠け病とも言われることがある強直性脊椎炎、今回はその具体的な症状について見ていきましょう。

 

強直性脊椎炎の病態

強直性脊椎炎による症状は、まず仙腸関節という関節の炎症から始まることが多いとされています。仙腸関節とは、脊椎の最下部に位置し、骨盤を構成する仙骨と腸骨によって作られた関節であり、数多くの靭帯によって補強されています。仙腸関節の動きは非常に微細ですが、日常生活の中で脊椎のバランスをとる重要な働きを担います。

 

強直性脊椎炎はこの仙腸関節に始まり、腰椎、胸椎へと上向きに拡大していく椎間関節の関節炎、そして脊柱靭帯の付着部炎が主な病態となります。椎間関節の炎症は軟骨の侵蝕による関節裂隙の不整や狭小化、骨硬化などへと進行し、最終的に強直と呼ばれる状態へと移行します。強直とは、関節を構成する骨や軟骨が変形・癒着することで関節運動が制限されてしまう状態です。

 

一方、靭帯の付着部炎は、椎体隅角部の侵蝕や骨硬化、椎体前面の骨膜化、椎間板辺縁の線状骨化などが生じ、最終的には椎体間の骨性癒合が生じてしまいます。これは腰椎や胸椎をはじめ、頸椎まで広がることもあり、X線撮影では、竹様脊柱(Bamboo spine)と呼ばれる所見がみられます。

 

また、脊椎だけでなく、肩関節や股関節といった、脊椎に近い関節にも炎症が起こりやすく、進行していくことで骨破壊が生じます。さらに、骨自体は炎症を繰り返すことで、弱化してしまい、骨粗しょう症も引き起こされます。

 

強直性脊椎炎の症状

強直性脊椎炎はその病態から、最初は仙腸関節や腰椎の炎症による腰痛、臀部痛などの症状から始まることが多いです。そのため、始めはただの腰痛や坐骨神経痛かと勘違いすることも少なくありません。痛みの進行は比較的ゆっくりであり、適度な運動によって症状が緩和したり、日によって痛みの程度に違いがあったりするのも特徴です。また、股関節や肩関節を中心に、四肢関節にも痛みや運動制限が生じてきます。

 

初期の強直性脊椎炎では、激しい痛みがあったかと思うと、翌日には症状がほとんどなくなってしまうことも少なくありません。そのため、医療機関の受診が遅れたり、症状を上手く伝えることができなくなったりします。また、痛みがなく動ける日もあることから、周囲にはただ怠けているだけという誤解を受けてしまうこともあります。

 

症状が進行をしていくと、胸椎、腰椎部分を始めとして強直と呼ばれる関節運動が制限された状態に陥ります。特に、胸椎の後方に凸のカーブが過剰に増強、腰椎のカーブが消失した状態になりやすく、猫背のような前傾姿勢になっていきます。さらに、頸椎にも強直が起こることもあり、上を見上げることが難しい、場合によっては立って前を見ることも困難になることもあります。

 

ただし、このような脊椎が動かなくなるほどの重症例は患者全体の約1〜2割程度であるとされています。重症例では、発症から10〜20年をかけて、このような状態へと進行します。しかし、多くのケースでは、多少の支障があるものの、日常生活や労働を行うことができています。

 

強直性脊椎炎の合併症

強直性脊椎炎による直接の病態とは異なるが、いくつか起こりやすいとされている合併症もあります。脊椎の変形が起こっていたり、骨破壊による骨粗しょう症が進行したりしている場合には、まず骨折が起こる可能性が高くなります。特に、胸椎・腰椎部分で骨折が起こりやすく、場合によっては神経を圧迫することで神経症状を引き起こしてしまうこともあります。また、骨折が起こった部分がその治癒過程で偽関節という状態になってしまうことも少なくありません。

 

胸椎付近の炎症は胸郭の可動性の低下も招きます。胸郭の可動域制限により、肺活量が低下する拘束性換気障害という状態にもなりやすくなります。また、肺活量低下による肺合併症が起こる可能性も高まります。

 

また、患者の30%ほどには、視力低下やぶどう膜炎(虹彩炎)といった眼の症状を併発します。これは稀ではありますが、失明につながることもあります。その他にも、炎症性腸疾患のような消化器症状、弁閉鎖不全症や伝導障害といった循環器疾患などの病態が合併することもあります。このような臓器不全が強直性脊椎炎の患者の予後に影響することも多いです。

 

 

 

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