警告!便秘を放っておくと腸閉塞になるかもしれませんよ

2016年3月13日 : 腰の痛み

突然、差し込むような下腹部痛が起きたら、みなさん、まずは便秘かな?と思います。でもその痛みが辛抱できない程の痛みを伴って、しかも断続的に起きたら、何か重症な病気なのではないかと心配になりますよね。体を二つ折りになるような尋常ではない痛み、嘔吐を伴った場合は「イレウス(腸閉塞)」を疑った方が良いでしょう。

 

イレウスって何?

口から摂取した飲食物が胃や腸を通って必要な栄養分や水分は吸収され、残ったかすは便として排出されます。しかし、腸管の通過障害により便や消化液など腸管内容物が停滞し、腸内容物が肛門側へ行かなくなる状態で、腹痛、吐気、嘔吐、腹部膨満、排ガスないし排便の中止などを伴って発症するのがイレウスです。つまり、出口を失って腸が詰まった状態ですね。

 

出口が塞がれているのに、上から次々と飲食物が送り込まれて、腸管はパンパンに張ってしまします。すると、切りきりとした強い痛みが断続的におきます。これを疝痛と言います。次第に肛門へ進むべき腸内容物が逆流し、吐き気や嘔吐を伴ってきます。最初は透明で酸っぱい胃液が、次に黄色で苦い胆汁が、最終的には腸そのものから便異臭を漂わせた腸内容物が逆流してきます。

 

腸管に少し余裕ができるためか、腹痛や嘔吐感は一旦治まります。これを腸内の減圧と呼んでいます。しかし、出口は塞がれたままですから、また腹痛や嘔吐感が繰り返されるようになり、時間と共に酸欠で顔面蒼白、冷や汗や冷感が起こり、脈や呼吸は弱いのに速く、次第にショック状態へと陥ってしまいます。

 

イレウスの種類

一般的に「機械的イレウス」と「機能的イレウス」に大別されます。機械的イレウスは器質的・物理的に腸管内腔が閉塞・狭窄したもので、腸管膜の血行障害をきたす「絞扼性イレウス」と、血行障害をきたさない「単純性イレウス」に分かれます。機械的イレウスは物理的な腸管閉塞ではなく、腸管の運動機能が障害されたもので、腸管の運動障害の低下による「麻痺性イレウス」と持続性けいれんによる「けいれん性イレウス」に分けられます。

 

診断にはX―P、超音波検査、CTなどを用います。絞扼性イレウスでは小腸にガスが発現しない、麻痺性イレウスでは小腸・大腸共に腸拡張が見られるなど、単独検査では診断見落としがあるかもしれないので、複数の検査を行うことも必要になります。また血液検査では白血球やCRPの上昇が確認されます。

 

【機械的イレウス】

  • 血行障害を伴うもの(複雑性イレウス、絞扼性イレウス)

:強い持続的な腹痛が起こり、腸管蠕動音は亢進(聴診器上で金属音がする)あるいは低下し、発熱、頻脈、腹膜刺激症状、ショック、代謝性アシドーシス、血清腹水貯留などを呈します。狭義の絞扼性イレウス(索状物、虫垂、卵管、大網、Meckel憩室など)、腸重積症、腸管軸捻転症(ねじれ)、ヘルニア(鼠径ヘルニア、大腿ヘルニア、閉鎖孔ヘルニア、腹壁ヘルニアなど)がありますが、広義には急性腸間膜虚血症が重要であり、これも分類に含まれます。

  • 血行障害を伴わないもの(単純性イレウス)

:先天性(鎖肛、先天性腸閉塞・閉鎖、腸回転異常、総腸間膜症、移動盲腸など)、腸管瘢痕性狭窄変化(外傷、結核、クローン病、放射性腸炎、腸管虚血など)、肉腫・癌など腫瘍性癒着、消化器手術の術後癒着・腹腔内の炎症性癒着、腸管内の異物(胆石、宿便、回虫)などにより、発症します。

 

【機能的イレウス】

  • 麻痺性イレウス

:腸管蠕動音は減弱(聴診では腸雑音が聴こえない)し、発熱、疼痛を伴わないことが多く、腸蠕動は亢進腹部の圧痛などの臨床像を示します。一般的に下部消化管でのイレウスは症状及び経過が緩慢となります。腸管の運動障害の低下は、腹部打撲、腸管の虚血、電解質異常、腹膜炎や腹腔内出血、脊髄疾患、麻薬、精神科での向精神薬の使用、開腹術後、ヒステリーなどで引き起こされます。原因が判明した時はその除去が求められ、特に電解質異常ではその補正、薬物による場合は服用中止が必要です。

  • けいれん性イレウス

:持続するけいれんは鉛中毒、神経衰弱、腸管に鈍力・損傷などが作用して反射的に引き起こされます。

 

  • イレウスの治療方法

絞扼性イレウスを除き、保存的治療で症状の改善が見込まれます。まずは、腸管機能を休ませるために、新たな飲食を控えるといった絶飲食が望まれます。 また、腸管で水分吸収が行われていない状態ですから、維持輸液に加え、乳酸リンゲル液などを加えて電解質補正も行うことで、適正尿量が得られるようする必要があります。

 

腸の拡張があるようなら、閉鎖された腸管の減圧を行うことも有効です。単純イレウスならば、口や鼻から胃管というチューブを挿入することで、胃の内容物を汲みあげたり、腸の減圧を図って閉塞改善する症例もあります。イレウス管というチューブによる減圧が必要である場合には、通常、X線透視下でガイドワイヤーを用いて、鼻腔から挿入を試みます。腸内容物の吸引効果は大きく、また先端からの造影検査で閉塞部位や閉塞原因の推定が可能となります。

 

高圧酸素下では腸管ガス容積の圧縮により、腸管内の減圧効果が得られ、腸管壁の血行が改善します(高圧酸素療法)。

また、高気圧環境下では、動脈血中の溶解酸素量が増加して、腸管壁に十分な酸素が提供されることで、腸内細菌層の分布に変化が起きて、バクテリアトランスロケーションが起こりにくくなるなどの効果もあります。バクテリアトランスロケーションの可能性も念頭に置き、グラム陰性菌や嫌気性菌をターゲットにした抗菌薬投与を考慮する場合もあります。麻痺性イレウスでは、パントールやプロスタグランジンF2αといった腸管蠕動促進剤を用いた薬物療法を中心に保存的療法を行うようになります。

 

絞扼性イレウスでは、タイミングを逃さず緊急手術を優先し、原因別により、癒着剥離術、腸内異物除去、索状物の切断、腸管の部分切除が行われます。壊死に至った腸管は切除、癒着剥離術は腹腔鏡下で行われていることが多くなってきています。単純性イレウスでも、保存的治療で効果が得られない症例では、第二選択として手術を行うことが大切です。

 

保存的治療で軽快しても、再発を繰り返す反復性イレウスでは待機的手術を行うことになります。反復性イレウスは術後の癒着に多く見られます。これは腸にできた傷を回復させるために、腸と腸同士、または腸と腸壁などをくっつけて直そうとする腸本来の働きによるもので起きます。

傷ついた部分は正常な箇所と癒着することで回復していきますが、腸の力が弱まっていると、本来くっつくべき個所ではない部分まで癒着を起こし、広範囲で起きた癒着で腸が本来の運動をできなくなったり、曲がったり、ねじれたりして、腸内容物が詰まりやすくなります。

 

  • イレウス予備軍

イレウスのうち、閉塞が不完全で腸内容の通過が認められる場合を亜イレウス又は不完全イレウスと呼んでいます。病因もイレウス同様、症状も吐気、嘔吐、腹痛、腹部膨満、排ガス、便通停止など何もかわらないようではあるものの、いずれも完全閉塞時より軽く、全身状態も良好となっています。腹部X-Pにて小腸ガス像、腸管拡張像が見られるのですが、大腸ガス像も見られることで不完全閉塞であると鑑別されます。

 

消化管造影では狭窄像を呈することもありますが、不完全な状態だけに明らかな病変を指摘できないこともあります。不完全閉塞の原因が小腸の悪性腫瘍の場合は診断が困難で、治療が遅れる場合もあるので、注意や多方面からのアプローチが必要になります。禁食、輸液により多くは軽快するので、保存的治療に反応しない場合や繰り返す場合には手術が必要となります。

 

イレウスに予防方法はあるの?

腸の働きを活発にし、腸が本来の働きを行えるよう、整えておくことが必要でしょう。例えば、元々便秘症の人は常に腸管に便や消化液といった腸内容物を抱えて、蠕動運動が上手く行えていない状況を作り出しています。

腸内容物をまったくゼロにすることは困難ですが、少しでも身軽に、腸が蠕動運動を行いやすくしておくことを目指しましょう。その為には、消化しやすい食品を摂る、善玉菌といわれる腸内細菌を増やす、平滑筋といった蠕動運動を起こす筋肉を鍛えておくことが大切です。

 

便秘症対策というとゴボウやセロリといった繊維質の食べ物を摂ることが大切と思われがちですが、不溶性食物繊維といってとけにくい食物繊維は反対に腸に負担をかけてしまいます。単なる便秘症ではなく、腸が弱っていますので、消化しやすい豆類や穀類、白身魚などの食品を摂取するようにしましょう。

また、食べ過ぎて一気に腸へ内容物を送ることや、早食いで消化不良の状態で内容物をどんどん腸へ送り込むことは、イレウスを誘発しやすくなります。よく咀嚼し、腹8分目の食事を心がけましょう。

 

腸内環境を整えるには整腸作用のある食べ物が大切です。一番は乳製品でしょうか。乳製品は乳酸菌やビフィズス菌などを多く含み、善玉菌を増やし、更には腸内をアルカリ性に保つことで悪玉菌の発生を抑えることができます。

他にもぬか漬けや味噌、納豆といった発酵食品も乳酸菌を多く含みます。牛乳などで下痢を起こしやすい方は、発酵食品を摂るようにしましょう。食事だけでは十分でない場合は、サプリメントや整腸剤などの服用も効果的です。

 

どうしても高齢者では加齢と共に筋力低下を起こしやすく、若年層でも運動不足から筋力低下で蠕動運動を制限させてしまいます。また、腸はストレスの影響を受けやすく、少しの不安や環境変化などで善玉菌が減少し、悪玉菌が増大してしまいます。適度な運動やストレス発散など、生活環境を見直すことも大切です。

 

まとめ

イレウスは、突然起きるというよりも、便通がない、お腹が張るといった予兆があります。激痛が起こる前に、その時点で食事制限を行ったり、医療機関を受診することで、下腹部の激痛や腸のねじれ、手術を回避することができます。

また、術後や外傷による腸癒着でなければ、日々の生活習慣を見直すことで避けることできる病気でもあります。毎日の排便、おなかに手を当てて腸の張り具合を、確認してみては如何でしょうか。

 

 

 

 

身体を壊してお身体のケアをせずにどこに行ったら改善するのか分からなく迷っている方は一度【てらだ鍼灸整骨院】の施術を試してみませんか?

無料相談を遠慮なくお使いください。

0120−405−100

 

 

 


症状について詳しくはこちら

長年の腰の痛みでお悩みの方

関連記事


ページトップへ戻る

ページを閉じる