強直性脊椎炎になったらどんな病院に行けば良いか知っていますか?

2016年2月15日 : 腰の痛み,膝の痛み

強直性脊椎炎の多くは10歳代〜20歳代、遅くても30歳代までに発症するとされています。初発症状は臀部や背中の痛みであることが多く、症状に日によってムラがあることや、身体を動かすことで痛みが和らぐことなどが特徴として挙げられます。また、進行が比較的ゆっくりであることが多い疾患でもあります。このような強直性脊椎炎が疑われる場合、どのような病院を受診するのが良いのでしょうか。

 

整形外科

強直性脊椎炎は仙腸関節や腰椎の炎症から始まり、胸椎や頸椎、股関節、肩関節、靭帯や腱の付着部へと炎症範囲が拡大していく、いわゆる運動器の疾患です。そのため、整形外科で診察、治療を受けることが可能です。

 

運動器とは、身体運動を行うために必要な器官、つまり筋肉や骨、関節、靭帯、神経などの総称です。私たちの身体はこれらの運動器と呼ばれる器官がそれぞれ連携することで、運動を行っており、このうちのどこかが障害されることで身体運動に支障をきたします。整形外科は主に、この運動器の機能的改善を主目的として治療を行う診療科です。

 

また、強直性脊椎炎では、まず臀部や背部の疼痛を初発症状として訴えることが多いとされています。そのため、最初はただの腰痛や腰椎椎間板ヘルニア、坐骨神経痛などを疑って医療機関を受診するケースも多いです。これらの疾患においても、整形外科は第一選択となりやすく、そこで強直性脊椎炎が発見されることも少なくありません。

 

膠原病科・リウマチ科

強直性脊椎炎は朝に身体を動かしにくいことや関節の炎症など、関節リウマチと類似した症状を示すことがあります。そのため、初診に膠原病科やリウマチ科を受診する方もいらっしゃいます。膠原病とは全身の筋肉や関節、血管、皮膚などの炎症を引き起こし、原因不明の発熱、湿疹、関節の痛みなどの症状を伴う疾患の総称です。古くからの代表的な膠原病としては、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性筋炎、皮膚筋炎、リウマチ熱、結節性多発性動脈周囲炎などがあります。

 

また、近年では、強直性脊椎炎や乾癬性関節炎なども膠原病の類縁疾患として扱われることがあります。強直性脊椎炎や乾癬性関節炎など疾患群の総称である血清反応陰性関節炎は、関節内に菌が検出されない(化膿性関節炎ではない)亜急性期の関節炎という点では、関節リウマチとも類似しています。しかし、血清反応陰性関節炎では、リウマトイド因子という因子が陰性となる点が関節リウマチとの大きな違いでもあります。

 

強直性脊椎炎の検査

では、強直性脊椎炎が疑われる症状で、医療機関を受診した際には、どのような検査、診察を受けることになるのでしょうか。強直性脊椎炎の診断、鑑別に必要となる検査をご紹介します。

 

まずは、問診などにより臨床症状の確認が行われます。痛みのある部位や程度、そして腰椎を中心とする脊椎の運動性の制限の有無や程度などです。また、胸郭の拡張性低下も特徴的な症状であるため、息を最大限吐いたときと、吸ったときでの胸郭の広がり方の差、というのも診断に用いられます。

 

強直性脊椎炎も、その他の多くの疾患と同様に画像検査が行われます。強直性脊椎炎の異常所見はまず、仙腸関節と呼ばれる部分に生じることが多く、多くの診断基準の中にも仙腸関節の所見に関する項目が含まれています。仙腸関節とは、脊椎の最下方で骨盤を構成している仙骨と腸骨という2つの骨によって作られる関節です。関節という名前がついていますが、肩関節や股関節のような自由度はなく、数mmの動きで身体活動のコントロールやバランス制御、骨盤への負荷の分散などに寄与します。強直性脊椎炎では、通常仙腸関節にびらんが出現し、関節裂隙が拡大します。さらに、病態が進行すると、びらん周辺に硬化像が出現し、関節裂隙が狭小化、最終的に強直へと向かいます。X線撮影では、まず仙腸関節にこのような所見がみられるか、そしてその所見が左右の仙腸関節の両側にみられるか、片側のみかを観察します。その他、脊椎の画像所見にも異常がみられやすいです。特に、前縦靭帯と呼ばれる靭帯の付着部の骨化、つまり靭帯骨棘形成や、椎体の方形化がみとめられます。また、病態が進行していると、椎体が竹節状となる竹様脊柱(Bamboo spine)という状態での強直が起こります。また、坐骨結節や踵の腱付着部の所見も画像診断に利用されます。

 

血液検査では、赤沈値やCRP(C反応性蛋白)値など炎症状態の判断に用いられます。また、関節リウマチの患者では約8〜9割が陽性となるリウマトイド因子というものが陰性となるのも強直性脊椎炎を含む血清反応陰性関節炎の特徴です。特に関節リウマチであれば、疾患が重度となるほどリウマトイド因子の数値は上昇していくため、リウマトイド因子が陰性というのは鑑別診断にも有用です。加えてヒト白血球抗原(HLA)の検査も診断補助に有効です。強直性脊椎炎の患者は、このHLA検査を行うと約9割がHLA-B27が陽性となるとされています。

 

 

 

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