2016年2月19日 : 膝の痛み
体重のほとんどを支える膝には、毎日大きな負担がかかっているため、膝のトラブルはつきものです。膝の構造は、筋肉・腱・靭帯・軟骨・骨といったさまざまな組織が関わるため、膝の痛みの原因も多岐に渡ります。
今回は、原因別に膝の痛みに迫ります。
スポーツなどによる膝関節の酷使
スポーツを幼少期から習慣的に行っている子供〜青少年に多いのが、スポーツによる腱、靭帯、軟骨のトラブルです。
靭帯が断裂するような大きなトラブルでは、歩くこともままならず、強い痛みがあるため、運動を一時的にストップせざるおえません。問題は、腱や軟骨の軽度トラブルです。軽い痛みから始まることが多いため、無理をして練習を続けて、状態が悪化することが多いのです。
運動前には、柔軟をしっかり行い、膝の柔軟性を高めて関節への負担を軽くすることが大切です。
下記のような疾患のリスクがあります。
骨・軟骨の障害
- 半月板損傷
- 離断性骨軟骨炎
- 棚(たな)障害
- 関節ねずみ・関節内遊離体
- オスグッド・シュラッテル病
腱・靭帯の障害
- 腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)・ランナー膝
- 膝蓋腱炎・断裂
- 鵞足炎(がそくえん)
- 靭帯損傷(じんたいそんしょう)
急な運動によるもの
休日に、フルマラソンを走ったり、富士山に登ったりと、普段よりも少し激しいアクティビティーを行ったことは、みなさん一度はありませんか?
ランニングや上り下りでは、実際の体重よりも3倍〜10倍ほどの負荷が膝にかかります。さらに、普段運動しない人は、普段使われていない下半身の筋肉が疲労を起こすことも、膝の痛みを生じる原因となります。
加齢による変化
加齢により膝にもさまざまな変化が起こります。筋肉は衰えて、靭帯や腱も硬くなり、軟骨が石灰化・変形し、骨はもろくなります。そのため、必然的に、若い時よりも膝のトラブルを抱えやすくなります。
30歳台ころを境に代謝が急激に落ちるため、体重が増えやすいことも膝の負担になります。特に、女性は閉経後に体重増加が顕著となります。食生活や運動、規則正しい生活など、生活習慣を改善し、筋力の強化と体重コントロールを行いましょう。
ピロリン酸カルシウムの結晶が沈着するために起こる「偽痛風性膝関節症」は生活習慣などの関連性はなく、原因は明らかになっていませんが、高齢者に多く、変形性膝関節症との合併も少なくありません。
下記のような疾患のリスクがあります。
- 変形性膝関節症
- 偽痛風性膝関節症
- 膝関節水腫
先天性の骨格によるもの
日本人と西洋人は生まれつき、骨格に大きな違いがあります。脚に関しては、日本人はO脚が多く、西洋人は軽度のX脚が多いのが特徴です。O脚では膝関節の内側に、X脚では膝関節の外側に大きな負担がかかり、軟骨が徐々に磨り減って、膝の痛みの原因となります。
脚の形は、幼少期であればあるほど、ある程度矯正が可能です。例えば、器械体操やクラシックバレエを幼少期より行っている子供は、日頃のトレーニングにより真っ直ぐに矯正されることが多いです。
さらに、もともと、膝に先天性の異常を抱えている場合もあります。
下記のような疾患のリスクがあります。
- O脚、X脚
- 有痛性分裂膝蓋骨
- 膝蓋骨不安定症・膝関節不安定症
- 色素性絨毛結節性滑膜炎
成長過程での異常
子供の骨が20年ほどかけて、徐々に成長します。この成長過程で異常をきたすものがあります。
下記のような疾患のリスクがあります。
- オスグッド・シュラッテル病
- ペルテス病
外傷や処置による感染
交通事故による膝周囲の開放骨折、膝関節の手術、関節水腫の関節液を抜くための処置などで、膝に細菌が入り感染することがあります。
適切な治療を早期に開始しないと、敗血症になり非常に危険です。また、治療には時間がかかります。関節内には血管が少ないため、なかなか抗菌薬が効き辛いためです。
下記のような疾患のリスクがあります。
- 化膿性膝関節炎
膝以外の病気によるもの
膝以外の病気でも、膝の痛みとして現れることが少なくありません。現在は結核性のものはほとんど見なくなりました。
下記のような疾患のリスクがあります。
- ウイルス感染症(肺炎、上気道炎、胃腸炎など)
- 関節リウマチ
- 痛風
- 血友病
- 結核性膝関節炎
腫瘍性のもの
一部では遺伝性のものがありますが、明らかな原因がわかっていないものがほとんどです。「肉腫」とつく病気は「悪性腫瘍」であり、徐々に浸潤して、全身に転移することがあります。良性であっても、腫瘍が多発することがあり、切除しても再発することも多いため、完治が難しい病気です。
下記のような疾患のリスクがあります。
良性の腫瘍
- 骨軟骨腫
- 内軟骨腫
- 滑膜骨軟骨腫症
悪性の腫瘍
- 軟骨肉腫
- 骨肉腫
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