膝の痛みの7つの治療法

2016年2月21日 : 膝の痛み

膝の治療は、手術を行わない保存的療法と、外科的な手術療法との大きく2つに分かれます。状態や病気の種類によって治療を決定しますが、治癒の具合をみて、薬物療法では症状改善が難しい場合に、手術に切り替える場合もあります。

 

保存療法の種類とは?

保存的な治療では、生活習慣がまず基本となります。それに加えて、次の4つの治療が行われます。

 

・薬物療法

・装具療法:サポーターや矯正器具など

・物理療法(温熱や冷却):お湯で温める温熱療法や氷で冷やす冷却療法など

・運動療法:リハビリや筋肉強化、ストレッチなど

 

通常、これらを組み合わせて治療が行われます。

 

生活習慣の改善としては、和式トイレを洋式にする、手すりを設置する、杖をつくといった工夫で、日常生活で膝に負担がかかる動作をなるべく回避します。正座の生活から椅子にするだけでも、膝への負担が大きく減ります。さらに、食生活の見直しや適度な運動で体重を減量することも大切です。

 

では、薬物治療について詳しくみていきましょう。

 

薬物療法〜内服薬、湿布

痛みを抑える鎮痛薬や炎症を抑える抗炎症薬が主に用いられます。アセトアミノフェンや非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)は、副作用が少ないためまず初めに用いられます。NSAIDsであっても高齢者では、胃潰瘍の原因になることもあり、胃薬も同時に処方されることが多いです。

 

容量を増やしても改善効果が少ない時には、ステロイド薬が用いられます。ステロイドは強い抗炎症作用、鎮痛作用があるため非常に有効な治療です。短期的に内服する場合は、一時的な頭痛や動悸、血糖上昇がみられることがありますが、内服をやめると元に戻るため心配はいりません。ステロイド薬は必ず胃薬と一緒に処方されます。しかし、長期的なステロイド内服では、高血圧、高血糖、うつといった精神症状、骨粗しょう症などの副作用が危惧されます。

 

日本では、湿布治療も広く用いられます。皮膚から吸収されるため、全身への副作用が少ないというメリットがあり、内服薬と同時に使用されることが多いです。海外では、湿布が一般的ではないため、ゲルなどの塗り薬が用いられます。

 

薬物療法〜関節内注射

関節内に直接、ステロイド薬、局所麻酔薬やヒアルロン酸を打つ治療があり、「関節内注射」と呼ばれています。

 

関節内に満たされている関節液(滑液)には、ヒアルロン酸が多く含まれており、粘稠度を高めることで、関節の動きをなめらかにしたり、クッション性を高める働きをしています。高齢者に多い変形性膝関節症ではこのヒアルロン酸が減少してしまうため、注射でヒアルロン酸を直接注入することで、関節の動きをなめらかにして、軟骨のすり減りの進行を予防し、痛みの改善を図ります。

 

注射は、毎週1回、約1ヶ月行います。改善が見られれば、症状に合わせて2週間〜1ヶ月程度空けて、この治療を繰り返します。毎回針で穿刺するために、軽度の痛みを伴う治療であることや、繰り返す穿刺によって細菌感染を起こすリスクがあります。

 

また、関節には血管が少ないため、内服薬の効果が効率的に発揮できないことがあります。そのため、炎症や痛みが非常に強い時には、ステロイドや局所麻酔薬を直接関節中に注射することがあります。ステロイド剤は繰り返し注射すると、軟骨に悪影響を及ぼすことが分かっており、ステロイドの関節内注射は慎重に判断されます。

 

外科手術

骨折や靭帯の損傷など、自然治癒が難しいケースや、軟骨の変性が進行している状態などで、主に次のような外科的な手術が選択されます。

 

・関節鏡視下手術

・高位脛骨骨切り術

・人工膝関節置換術

 

全身麻酔下での手術が基本となるため、高齢者の方では、糖尿病や心臓病などの合併症が問題となります。また、手術の後には、数ヶ月から数年のリハビリが必要となるため、ある程度の体力が必要となります。

 

さらに、術後の合併症として、出血、術後の疼痛、感染などがあります。

 

では、それぞれの治療を詳しく見ていきましょう。

 

関節鏡視下手術

関節鏡を使った手術は、硬膜外麻酔という腰椎麻酔(患者さんは起きた状態です)または全身麻酔で行われます。腰椎麻酔の場合は、患者さんは実際の治療している関節の画像を見せてもらえることもあります。靭帯の再建といった長時間に渡る手術の場合は、全身麻酔となります。

 

膝には、1cmから3cm程度の小さな切開線が数カ所残ります。再建する腱の採(通常、膝屈筋腱が用いられます)や、縫合などで傷が追加されることがありますが、いずれも3cm以下の小さな傷です。

 

手術直後〜術数日とう短期間で、松葉杖をついての歩行が可能です。手術2週間後からサポーターをつけての歩行が可能となり、その後徐々に段階をあげていき、約半年後にスポーツの復帰が可能となります。日々のリハビリが非常に大切であり、医師やリハビリ専門の理学療法士と一緒に状態に応じたリハビリを行います。

 

高位脛骨骨切り術

強いO脚では、内側の関節に負担がかかり、そのまま放置すると軟骨がどんどんすり減ってしまいます。この治療では、下腿(脚の下の部分)の2つの骨を一部切り取って、まっすぐに成形してあげる手術です。

 

骨を切断するため、回復にはある程度時間がかかりますが(入院期間は約1ヶ月)、術数日後から正座ができるなどのメリットが高い手術です。

 

人工膝関節置換術

高度な骨・軟骨の変形・変性がある場合は、関節自体を取り替える人工膝関節置換術が選択されることがあります。痛みのために全く歩けないといった歩行障害が高度な人でも、手術により痛みが軽減されて、スムーズな歩行が期待できる手術です。

 

しかし、約1ヶ月間の入院や、本人がリハビリに協力的といった条件も必要となるため、寝たきりの高齢者には実施が難しくなります。

 

 

 

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