2015年12月31日 : 膝の痛み
膝蓋軟骨軟化症・原因がわからない膝の痛み放置していませんか?
膝蓋軟骨軟化症とは、膝蓋骨と大腿骨との間にある関節軟骨の一部が軟化したり、膨隆・亀裂などを起こしてしまう疾患です。原因は明らかになっていませんが、何らかの力学的異常が発症をきたすことと原因として考えられています。
その例として、膝の使いすぎや長距離ランナーの方が発症率が高いことから、スポーツをする人や10代前半の女性に発症することが多いようです。
そのことからスポーツ障害の一種として考えられていたのですが、膝蓋骨の何らかの別のケガが原因で関節軟骨に傷がついて起こることもあります。
また、膝蓋大腿関節に生まれつき形態異常がある場合や生まれつきのX脚・膝蓋骨亜脱臼をともなうケースでも膝蓋軟骨軟化症となりやすいようです。
そのほかにも関節軟骨の栄養障害も原因になり、20歳前後の若い女性に多く発症するのもこの疾患の特徴といえます。
膝蓋軟骨軟化症はどのような症状をきたすのか
主に運動時や階段の昇降時に膝前方に痛みを訴え、特に階段を上がるときには膝がゴリゴリといった音も感じます。
また、関節軟骨が変形して軟化するためにか、おそるおそる歩くような歩行形態をとり、膝に力が入らなくなると同時に痛みも感じます。
ただ初期症状では、膝蓋骨の違和感や膝蓋骨が引っかかるような感じがする程度で、痛みを感じないケースもあり、それを放置しておくと上記のような症状が徐々に進行していくのです。
そして膝関節軽度屈曲位で膝蓋骨を大腿骨に圧迫しながら上下・左右に動かすとザラザラした感じを触知し、疼痛が誘発されます。これを「膝蓋骨グライディングテスト」いう。
これらは片側だけに限らず、両側の膝の痛みを感じるケースもあり、決して両膝が痛むから膝蓋軟骨軟化症ではないと安易に自分で判断しないでください。
そのほかの膝蓋軟骨軟化症の症状の特徴として以下のようなものがあります。
①膝蓋骨の内側が押すと特に痛む。
②痛みのある膝だけで膝屈伸運動を行うと、クリッとし軋轢音と同時に痛みも誘発される。
③スポーツ活動や運動時に膝のまわりが痛む
このような症状がすべてあてはまれば、早期に医療機関を受診しましょう。
膝蓋軟骨軟化症の治療方法
まずは、休養と運動療法を中心として行っていきます。
階段の昇降やしゃがみこみ動作など膝蓋大腿関節に負荷がかからないような動作を心がけます。あたりまえですが、膝を休めることがたいせつですのでスポーツをしている方は練習を休み患部に負担がかかることを避けます。
ですが何もしないのではなく、膝の休養と同時に大腿四頭筋を鍛える運動療法をおこなっていきます。膝関節伸展位での大腿四頭筋筋力増強訓練を行い、痛みと炎症を抑える内服薬とサポーターなどの補装具で膝蓋骨の動きを安定させて運動をおこなうと不安感もなくできるでしょう。
また、温熱療法で大腿四頭筋を温めることで筋肉の硬直を取り除き、より効果的に運動療法が行うことができるでしょう。そして日々の習慣としてハムストリングス・膝関節周囲・大腿四頭筋・縫工筋などのストレッチングも取り入れて治療していきます。
日常生活や運動時に影響のないようであれば、特に安静や運動制限は必要ありませんが、痛みの強さが激しい・跛行・違和感が強く日常生活にも支障のある場合は観血療法に適応となる場合があります。
外側解離手術で関節包を切開や脛骨粗面を浮上させたりなど、膝蓋骨の亜脱臼の補正手術などで回復をめざします。
またこの疾患は、先天的な要素も深く関わっているため生まれつき膝蓋骨に変形などのトラブルがある人は、スポーツなど行わなくても発症する可能性があるので日ごろから膝の異常に注意するようにこころがけましょう。
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