2016年3月19日 : 腰の痛み
生理ではない不正出血が頻繁にある、生理が重たい・痛い、生理でもないのに生理痛のような鈍痛があるなど、慢性的に痛みや不快感を感じたことはありませんか?ついつい、お腹…子宮のあたりをさすったりしたことはありませんか?もしかしたら、その症状は単なる月経トラブルではなく、子宮筋腫の可能性があります。
子宮筋腫とは
子宮筋腫とは、子宮の良性腫瘍で、婦人科で最もポピュラーな腫瘍といわれています。筋繊維と結合組織からなる結節性病変(平滑筋腫)のために、子宮筋層に大小種々の結節状、球状の腫瘍として発症します。発症個数は1個のみのこともありますが、多くは多発していることから、子宮体積の増大を認めます。
子宮筋腫は思春期以降に発生(性成熟期に顕在化)すること、閉経以降に発育が止まる(閉経後には鎮静化)ことが多いことから、卵巣機能と子宮筋腫発生には密接な関係があるエストロゲン依存性疾患と考えられています。
発生頻度は子宮腫瘍中最も多く、婦人科外来患者の約5%を占めています。剖検例では30歳代で20%(4-5人に1人の割合の罹患率)、50歳代で40%と高率であるものの、その多くは小結節で無症候性のことも珍しくもなく、医師を訪れることもなく発見されずに見過ごされていることが現状です。結節の発症部位により体部筋腫(子宮筋腫の大多数を占め、約95%)、頸部筋腫、膣部筋腫と分類される。
症状と診断
主たる症状は月経時の出血量の増加や月経期間が10日以上続く過多月経や過長月経など出血・不正出血、や月経困難症にまつわるものが多く、その他にも、ひどい月経痛、腫瘤感、貧血、腰痛、頻尿、動悸や息切れを引き起こします。
また子宮筋腫ができてしまうと受精卵が着床しづらい状況が作り出されてしまう、卵管付近の筋腫は精子や受精卵を運搬する機能を低下させて卵管自体を閉塞させて受精卵の移動を妨げてしまうなど、不妊症(妊孕性の低下)や初期流産を引き起こすリスクが高まることが推測されています。
症状で疑診を抱き、双合診で子宮の肥大を認めれば、鑑別診断には経膣超音波検査やMRIによる画像診断が有用となります。子宮筋腫では、境界明瞭な腫瘤を単発あるいは多発性に認めていて、いびつな形状をとることが多くなっています。
治療
無症候性の子宮筋腫では、自覚症状がないために受診しない症例も多く、また検診などで過っけんされても積極的に治療を行う必要性が乏しいものの、定期的な経過観察は行う方が良いでしょう。
過多月経による貧血、日常生活に支障をきたす疼痛、あるいは不妊・不育などの症状がある場合には治療の対象となります。一般的に薬物療法は一時的な効果を認めるのみで根治させることは難しく、手術療法が考慮されることが多くなります。根治手術は子宮全摘術ですが、晩婚化の時代を反映して、子宮を温存する核出術が増えてきています。
【薬物療法】
・対症療法:子宮筋腫による過多月経や月経困難症などの月経随伴症状に対して、症状を軽減する為に行います。病変部に対する直接の治療効果はありません。過多月経に対してはカルバゾクロム系製剤(アドナ錠)や抗プラスミン剤(トラサルミンカプセル)など止血剤を投与、月経痛に対してはロキソプロフェンナトリウム製剤(ロキソニン錠)やフェニル酢酸系製剤(ボルタレンサポ)など解熱消炎鎮痛剤の投与を行います。
・漢方療法:症状の緩和、病巣の伸展抑制を期待して、当帰芍薬散エキスや桂枝茯苓散など漢方顆粒の投与を行います。
・GnRHアナログ療法:無月経に導くことで治療効果を発揮します。しかしながら、その効果は一時的であり、手術直前の貧血改善を図り、病巣の縮小を期待して投与するほか、閉経間近な症例に対して手術を回避する目的で行う逃げ込み療法に用いています。骨量減少などの副作用のため、抗ホルモン剤(リュープリン注やスプレキュア点鼻液)の投与期間は4-6か月に限られています。
・その他のホルモン療法:低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(低用量ピル)、黄体ホルモン製剤、ダナゾールなど、子宮筋腫における保険適応の方向が検討されています。保険改訂時でなくとも、随時見直しが行われていますので、婦人科の専門医との相談が必要になります。
【手術療法】
・子宮全摘術:子宮筋腫根治手術となります。子宮の大きさ、経産回数、手術既往の有無などにより、膣式・腹腔鏡補助下・腹式アプローチ法を決定します。
・子宮筋腫核出術:妊孕性を温存する為に行います。子宮筋腫の大きさと個数、発生部位などの条件により、子宮鏡や腹腔鏡を用いる内視鏡下手術と従来の開腹手術を選択します。近年の傾向として、核出に際して漿膜面に創がつくケースでは、術後の妊娠成立時に帝王切開分娩を選択することが多くなってきています。
・子宮動脈塞栓術・集束超音波療法:いずれも保険適応外での手段になりますが、子宮筋腫の縮小と症状の軽減を図って行われます。実施施設にも症例にも制限があるので、婦人科の専門医との相談が必要になります。
まとめ
近年急速に治療の選択肢が広がっていています。いずれも一長一短あり、施設によって提供できる手段も違えば、患者によって望むところも異なるため、まずは受診をして、あまねく情報を提供し、症例毎に個別に最善の方法を検討する医師と相談しながら診療を進める必要があります。
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