ご存知ですか? 強直性脊椎炎の改善について

2016年2月14日 : 腰の痛み,膝の痛み

強直性脊椎炎は仙腸関節を初めとし、腰椎や胸椎、頸椎、股関節、肩関節などへと炎症が広がっていく全身性の疾患です。その原因についても、未だ明らかとなっていない部分が多く、根治療法も確立されていません。そのため、強直性脊椎炎の治療は、症状を緩和する対症療法が主となります。薬物療法や運動療法、不良姿勢を防ぐことによって、痛みなどの症状を和らげながら、脊椎や関節の可動性低下を防ぐことを目的として治療を進めていきます。

 

強直性脊椎炎に対する薬物療法

強直性脊椎炎に対する薬物療法は非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)と呼ばれる薬剤が中心となることが多いです。これは、ステロイドホルモンを含まない抗炎症作用を有する治療薬の総称です。炎症などを引き起こすプロスタグランジンという物質の生成を抑制する働きがあり、疼痛の緩和作用も含んでいます。頭痛や腰痛、生理痛などのさまざまな痛みに対しても使われることが多い薬剤であり、関節リウマチの治療にも使われることが多い治療手段となります。

 

また、近年では、激しい炎症や痛みが続く場合、生活への障害が著しい場合には、TNF阻害薬という薬剤が使用されることもあります。これは、強直性脊椎炎の患者の関節や脊椎で過剰に産生されているTNF-α(腫瘍壊死因子:Tumor necrosis factor-α)という物質の生成を阻害する薬です。TNF-αは、免疫や炎症に関与するサイトカインというたんぱく質の一種です。

 

強直性脊椎炎の患者は、その症状の経過が非常に長期間にわたることも特徴の1つです。早ければ10歳代から発症することもあり、その後長期間にわたって薬物療法を継続していくケースも多いです。その中で、他の身体の不調が重なる場合もあります。薬には、それぞれの組み合わせを考慮して服用していく必要がありますので、かかりつけ医以外を受診する場合には、普段から服用している薬を覚えておいて、説明する必要がありますので、注意が必要です。

 

強直性脊椎炎に対する運動療法

運動療法は強直性脊椎炎の治療において、薬物療法と並んでとても重要となります。強直性脊椎炎の症状は身体を動かすことで緩和することが多く、強直性脊椎炎の方のための体操療法もあります。特に、強直性脊椎炎による炎症が起こりやすい脊椎や肩関節、股関節は一通り動かしておくことで、強直が起こるのを防ぎます。

 

頭や頚であれば、上を見上げる・下を向くといった前後の動き、左右を向く回旋方向の動き、そして左右に頚をかしげるような左右の動きをそれぞれ数回、同じ回数ずつ繰り返します。加えて、口を大きく開け閉めするような顎の運動も行います。

 

体幹についても同様に、前後、左右、回旋方向の動きを行います。左右、回旋の動きは椅子に座って行うのが良いでしょう。椅子に座った状態で、左右にそれぞれ身体を大きく捻る回旋の動き、身体を左右に傾ける動きを数回繰り返します。前後の動きは四つ這いで行います。四つ這いから、頭を下にさげ背中を丸める動き、反対に、頭を持ち上げて背中もまっすぐに伸ばす動きを数回繰り返します。

 

肩の運動は大きく、可動範囲全体を動かすように行います。まず、肘を曲げて、指先で自分の肩を触ります。そして、肘の先で大きな円を描くように肩を広く、大きく動かしましょう。

 

また、肩周りや脊椎の可動性低下に伴い、胸郭の可動性が低下するのも強直性脊椎炎の患者の特徴です。そのため、できるだけ胸郭の動きを意識した深呼吸も数回行いましょう。

 

股関節も体操を行った方が良い関節の1つです。股関節の体操は、同じように椅子に座って行うことができます。足先を近づけて座った状態から、両膝を外側に開きましょう。足先の位置は変えずに、股関節の回旋の運動を誘導していきます。また、可能であればベッドの上でうつ伏せになることも有効です。これは、股関節を伸ばす方向の運動であり、うつ伏せになった状態を5〜10分程度維持しましょう。

 

このような体操については、医師や理学療法士などから助言をもらうことができるかと思います。医療機関を受診した際に、自宅で行うことができる体操についても尋ねてみるのが良いでしょう。

 

強直性脊椎炎に対する手術療法

強直性脊椎炎の治療は、薬物療法と運動療法が中心であり、手術療法というのは原則行われません。脊椎の変形が非常に高度となり、前を向くことすらままならないような高度後弯変形であれば、矯正骨切り術という手術の適応となることもあります。しかし、日本人でそこまでの高度な変形は非常に稀であると言えます。

 

一方、強直性脊椎炎が原因となって、日常生活や歩行に支障をきたすほどに股関節や膝関節の動きが悪くなった場合には、股関節や膝関節に対して人工関節全置換術を行うこともあります。これは、変形性関節症や関節リウマチなどの患者に対して行われることが多い手術で、人工の関節と入れ替えることによって、痛みの緩和や、歩行能力の改善を目指します。

 

 

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