整形外科を2件行ってロキソニンを飲んでも改善しなかった坐骨神経痛の患者さん

2015年12月13日 : 腰の痛み

平成27年12月12日来院  Aさん 59歳 男性 会社員 松阪市横地町

NO.26861脇田和憲さん(エキテン)

 

主訴

・右大腿後面の痛み

・右下腿後面から足底にかけての痺れ

 

既往歴

・3ヶ月前に右臀部の痛み

・高血圧

・3年前にぎっくり腰

 

症状

・歩行時に5分で右大腿後面の痛みが出るため足を引きずる

・会社の朝礼の時も5分で痛みが出るために座り込んでしまう

 

整形外科での過去の治療

・3年前のぎっくり腰の時はレントゲンを撮ってもらって骨に異常がないためにコルセットを貰って、痛み止めと胃薬で1週間で改善する。

・平成27年9月に右臀部の痛みが1週間続いたがロキソニンとリリカで改善した。

 

整形外科での今回の治療

・平成27年10月初めから右大腿後面の痛み、右下腿後面から足底−足趾にかけての痺れ。

1件目の整形外科でレントゲンを撮りロキソニンとリリカを貰っても改善せず。

総合病院でMRIを撮り軟骨がへたっている改善するなら手術しかないと診断される。同様にロキソニン、リリカを貰って服用していても症状が改善しないためインターネットで整体の施術所を調べて来ていただいた。

 

内科の治療

高血圧の薬をもらっている

 

【検査】

血圧(133/76)

脈拍 71

体温 36.2°

握力(36Kg/35Kg)

・坐位検査

骨盤の後傾

仙腸関節の硬さ

脊椎の硬さ

腰椎の回旋不足

肩の外転

 

・上向きで寝た検査

仙腸関節の硬さ

脊椎の回旋の硬さ

SLR(38°/55°)

 

姿勢分析・・・写真を3方向撮る

NO.2686脇田和則さん【平成27年12月11日】1回目

 

 

【Aさんに説明】

 

今日1日で成果を出すような施術をするのではなく、根本的に改善して再発のしにくい施術をするという事。

Aさんの身体が自然に改善していくようなお手伝いをする。

将来的には寝て起きたら症状が無くなってスッキリする身体を作っていくという事。

Aさんの必要な来院回数を伝える。

 

【施術】

1分で脊椎の回旋の硬さ解除

10秒で外転の硬さ解除

施術総時間20分で骨盤の後傾、仙腸関節の硬さ、脊椎の硬さを解除

 

【解説】

3年前は痛み止めとコルセットで改善し、今年の9月はロキソニンとリリカを服用して改善したのに12月まで改善してないのでAさんは不安感を強く持たれていました。

 

姿勢分析によって改善しなければならない事が多いのに気付いてもらったのと検査によって首の状態も改善しないといけないという事を理解してもらったので施術後の改善具合を納得していただきました。継続して来ていただく事になりました。

 

 

【患者さんの声】

3ヶ月前から痛みに悩まされていました。

ネットで「てらだ」さんを知り訪れました。

初めて体のゆがみを見て頂き日頃の「体手入れ」が悪いのを知らされてびっくりしています。

ていねいな説明をして頂きこれからも御願いしようと思います。

早い回復を願い自らも自己改造が必要と痛感しています。

 

 

治療感想

 

 

坐骨神経痛で悩んでいる方は今すぐお電話ください

0120−405−100

 

 

 

坐骨神経痛の改善について

2015年11月11日 : 未分類

臀部や脚の痛みやしびれを引き起こす坐骨神経痛。そんな坐骨神経痛にはどのような対処法があるのでしょうか。もちろん病院を受診することで適切な治療を受けることができます。しかし、病院に行くほどの症状でない場合や、忙しくて受診する暇がない場合に何かできることはあるのでしょうか。また、すでに病院にかかっているけども家でもできる対処法はあるのでしょうか。

 

坐骨神経痛に対するストレッチ

坐骨神経痛に対処法としては、まずはストレッチがオススメです。ただし、その方の坐骨神経痛の原因や神経の圧迫の仕方によっては、坐骨神経痛を悪化させてしまうことになる可能性もあります。自らの症状の経過に注意しながら、自分に合わないと思うストレッチはやめておいた方が良いでしょう。

 

まずは、腰のストレッチです。仰向けになって、両膝を立てましょう。両手は左右に大きく広げます。その姿勢から、立てた膝を左右にゆっくりと倒していきます。こうすることで、腰をひねる筋肉を伸ばすことができます。もう1つ、仰向けに寝たまま、片膝を立て、片膝は真っすぐ伸ばします。そこから、立てた膝を胸に近づけていきましょう。手で膝を胸に引き寄せることで、お尻の後ろの筋肉を伸ばします。次は、反対の膝を立てて、胸に引き寄せます。最後は、両膝を同時に胸に近づけていきましょう。

 

次は、前屈のストレッチです。両膝を真っすぐ伸ばして、床に座ります。そこから、指先でつま先を触るように上体を前屈させていきます。太ももの後ろのハムストリングスという筋肉を伸ばしていきます。

 

最後は、梨状筋という筋肉のストレッチ方法です。梨状筋が硬くなることで、真下を通る坐骨神経を直接圧迫し、坐骨神経痛の症状を引き起こしてしまいます。この梨状筋は股関節を外向きに捻る筋肉であるため、反対に股関節を内向きに捻ることでストレッチができます。まずは、両膝をまっすぐ伸ばして、床に座ります。次に、右膝を立てて、左脚の外側に足裏を置きます。そこから、右膝を左に倒すことで、右の梨状筋をストレッチします。同じことを左脚ですることで、左の梨状筋も伸張することができます。

 

繰り返しになりますが、坐骨神経痛に対して有効なストレッチはその方の坐骨神経痛の原因によって異なります。ある方にとっては、非常に効果的なストレッチであっても、他の方にとっては症状を悪化させることになる場合もあります。自身の症状を確認しながら、最適なストレッチ方法を探しましょう。

 

坐骨神経痛に対するツボマッサージ

坐骨神経痛に対して、有効なツボというのもあります。人体には非常に多くのツボがありますが、そのうちの坐骨神経痛に効果的といわれるツボをいくつかご紹介します。

 

まずは、坐骨点と呼ばれるツボです。坐骨点は、臀部の少し出っぱっている骨の左右に位置しているツボになります。坐骨神経痛の症状があるときには、押圧による痛みを感じやすい部位です。親指の腹を使って押圧すると、刺激しやすいです。

 

承扶は、太ももの付け根にあるツボであり、臀部と太ももの境目になります。お尻の筋肉を少し上に持ち上げるように、押すと、効果的です。

 

委中は膝の裏側にあるツボです。膝の後ろ側の丁度中央部を押圧することで、痛みを和らげる効果が期待できます。

 

下巨虚は身体の前面、向こうずねにあるツボです。すねの骨の少し外側、膝と踵の丁度真ん中付近を押圧します。ここは下腹部痛にも効果があるとされるツボです。

 

ツボを押す時の力加減は、痛気持ちいいと感じる程度の強さがオススメです。無理に効果を出そうと、力一杯押すことは、かえって逆効果になるので、注意しましょう。

 

身体を温める

坐骨神経痛に対するストレッチやマッサージを行うにあたって、身体を温めることも非常に効果的です。これは、温熱療法と呼ばれ、ホットパックや超音波、赤外線など、病院やクリニックにおいても行われます。温熱療法は筋肉を温めることで、緊張をほぐし、血流を良くする効果があります。

 

自宅では、入浴などで身体を温めた際に、同じように筋肉への血流が良くなっています。この上体で、ストレッチやマッサージを行うと、その効果をより高めることができます。また、入浴後は心身ともにリラックスできている状態であり、副交感神経がよく働いていることからも、筋肉をほぐすのに適したタイミングであると言えます。

 

坐骨神経痛と食事

さらに、坐骨神経痛には、食事による栄養素も関係があるとも言われています。特に筋肉を硬くしてしまう原因として、ビタミンBやビタミンEの不足による血流不足が影響していることがあります。

 

食事からビタミンBを摂取するのであれば、豚肉や玄米、卵、大豆、納豆、牛乳、レバーなどがオススメです。ビタミンEはアーモンドやひまわり油、とうがらし、抹茶、すじこなどに含まれています。

 

食事だけで、坐骨神経痛の症状を完全に抑えることは難しいですが、筋肉のコリ、緊張を和らげるためにもストレッチやマッサージだけでなく、食事の工夫も取り入れてみましょう。

 

 

坐骨神経痛になるタイプについて

2015年11月11日 : 未分類

ただの腰痛だけでなく、臀部や太もも、足先までの痛みやしびれの症状も伴う坐骨神経痛。このような坐骨神経痛になりやすいタイプというのはあるのでしょうか。

 

坐骨神経痛の症状を起こす可能性の高まる加齢による影響について考えてみます。また、日常的に坐骨神経痛の症状が出てくる前に、意図的にその症状を引き起こすことで、坐骨神経痛になりかけているかどうかを確認することもできます。その確認方法についてもご紹介します。

 

加齢と坐骨神経痛

多くの疾病は、年齢を重ねるとともにその有病率、リスクが高まっていきます。これは、坐骨神経痛という症状にとっても同様であり、加齢は坐骨神経痛の原因となりうる腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症の発症リスクを高めます。

 

腰椎椎間板ヘルニアは、スポーツをしている10代、20代の学生や働き盛りの30代、40代にも多い疾病ではあります。これは、スポーツや仕事によって、腰に慢性的な負荷がかかることで椎間板から髄核が突出し、神経を圧迫することになります。しかし、この椎間板は加齢につれて、強度や柔軟性が低下していくことから、当然、年を重ねることで髄核が突出してしまう危険性は高まります。

 

腰部脊柱管狭窄症は若年者には比較的少なく、中高年と加齢に伴い発症しやすくなる疾病です。脊柱管とは私たちの脊椎(背骨)の中にある脊髄の通り道であり、この通り道が細くなることで神経を圧迫するのが脊柱管狭窄症です。この脊柱管を構成する組織である椎間板や椎間関節、靭帯なども老化し、変性しやすくなっていきます。そのため、加齢に伴い脊柱管の狭窄による神経圧迫も起こりやすくなります。

 

坐骨神経痛の症状チェック

坐骨神経痛では、坐骨神経が圧迫されることで、腰部・臀部の鈍い痛みや、臀部から太もも、ふくらはぎ、足裏へかけてのしびれや感覚麻痺を引き起こします。加えて、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、梨状筋症候群など、坐骨神経痛を引き起こしている原因疾患によって、特徴的な症状をきたすこともあります。その症状をチェックすることで、坐骨神経痛の症状が強くなってくる前に、異常に気づくこともできます。

 

一般に整形外科疾患の鑑別や症状の確認などに、道具を使わない整形外科的テストと呼ばれる検査が用いられます。腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛では、下肢伸展挙上テストと呼ばれる検査が陽性となります。この検査は、SLR(Straight Leg Raising)テストやラセーグ徴候とも呼ばれています。この検査では、患者は脚をまっすぐに伸ばして、仰向けに横になります。検査者はこの状態の患者の脚を持って、膝を曲げないように注意しながら片脚をまっすぐ上に持ち上げていきます。上半身と膝を伸ばしたまま持ち上げた脚との角度が70°以上まで持ち上がった場合には、正常(下肢伸展挙上テスト陰性)となります。坐骨神経痛の症状がある場合(下肢伸展挙上テスト陽性)には、70°まで持ち上げる前にしびれや痛みなど臀部から足先へ向けて走ります。

 

また、もう1つブラガードテストと呼ばれる検査も腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛には効果的です。このテストは、先程の下肢伸展挙上テストが陽性となった角度から、脚を少し下げた状態でつま先を頭の方に引き寄せます。これも同様に、臀部から足先にかけてのしびれ、痛みが生じた場合は、ブラガードテスト陽性として腰椎椎間板ヘルニアの存在が疑われます。

 

また、腰部脊柱管狭窄症では、身体を後方へと反らせた際に腰の痛みや臀部のしびれが強くなるという特徴があります。これは、腰を反らせることで、腰部の脊柱管の狭窄が増強することが原因です。また、坐骨神経痛による症状が進行していくと、間欠性跛行という特徴的な症状をみとめます。これは、長時間立ちっぱなしであったり、歩き続けたりすることで、しびれや痛みの症状が強くなり、休憩をとることで症状が消失するという状態です。この症状の消失は、身体を前屈みにすることでより楽になります。これは、後ろに反らせるのとは反対に、前屈みになることで、脊柱管の狭窄が緩和するためです。

 

梨状筋症候群は主に、スポーツをしている場合など、股関節周囲の筋肉に負担がかかりやすい方がなりやすいとされています。梨状筋症候群では梨状筋が硬くなることにより、坐骨神経を圧迫することで、腰椎椎間板ヘルニアととてもよく似た症状を呈します。ただし梨状筋症候群では、緊張した梨状筋を押圧すると非常に強い痛みを発することが特徴です。また、股関節を他者により内向きに捻られることで梨状筋の痛みが生じるFreibergテストという整形外科的テストも梨状筋症候群に対して行われます。

 

このような症状を確認しておくことで、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などによる坐骨神経痛について早期から確認することができます。坐骨神経痛になりやすい方の場合は、日常生活に症状が出ていなくても、これらのチェックに当てはまる場合がありますので、注意してみてください。

 

坐骨神経痛になったらどんな病院に行けば良いか?

2015年11月11日 : 未分類

慢性的な腰や臀部の痛み、そして腰から広がる脚全体のしびれや痛み、このような症状は坐骨神経痛によって引き起こされる典型的な症状です。このような症状が日常生活に出現したとき、自分が坐骨神経痛ではないかと感じたとき、どのような病院を受診すれば良いのでしょうか。また、どのような治療を受けることができるのでしょうか。

 

まずは整形外科へ

腰や臀部、脚の痛みやしびれを訴えて病院を受診した際、坐骨神経痛とは症状の名称として治療を受けることになります。この坐骨神経痛を引き起こす原因は、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などの整形外科疾患であることがほとんどです。これらは、病院の診療科の中では、整形外科が専門となります。

 

整形外科は身体の軸となる骨格、すなわち骨や関節、靭帯、そしてそれを取り囲み、支配する筋肉や神経などの運動器の治療を専門とした診療科です。整形外科では医師による問診や整形外科的テスト、画像診断などによって疾病の診断が行われます。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、梨状筋症候群もこれらのMRIによる画像診断や症状の臨床所見から診断されることになります。

 

整形外科で受けることのできる治療

坐骨神経痛に対する整形外科での治療はまずは、薬物療法やリハビリテーション、ブロック療法などによる保存療法から始まります。しかし、それでも症状の改善が期待できない場合には、手術療法が選択される可能性もあります。

 

薬物療法は坐骨神経痛による痛みやしびれなどの症状を和らげるために行われます。用いられる主な薬剤は非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)やアセトアミノフェミン、神経障害性疼痛治療薬、オピオイド、鎮痛補助薬などがあります。非ステロイド性消炎鎮痛薬とはステロイドを除いた抗炎症作用、鎮痛作用、解毒作用を持つ薬のことであり、痛み止めとして処方されることが多い薬剤です。その鎮痛効果は、シクロオキシゲナーゼという酵素を抑制し、プロスタグランジンという痛みの原因物質の生成を防ぐことによるものです。オピオイドは、脊髄や脳のオピオイド受容体に結合することで痛みを防ぎます。また、神経痛の原因として考えられている痛みを伝える神経伝達物質の過剰放出を抑える神経障害性疼痛治療薬も坐骨神経痛の有効な治療薬です。

 

また、並行して症状を和らげながら日常生活を送るために、リハビリテーションが行われます。運動療法やストレッチ、筋肉のリラクセーションによって筋肉の緊張、こわばりを和らげます。特に、梨状筋症候群に対しては、梨状筋への直接のマッサージやストレッチによって梨状筋の緊張を落とすことで、神経圧迫による症状改善が期待できます。また、赤外線や超音波、マイクロ波、ホットパックなどの物理療法による温熱療法も患部を温めることで、筋血流の改善、筋緊張の緩和を促します。さらに、腰に負担のかからない姿勢の改善や、日常生活における動き方の工夫の指導なども行います。

 

神経ブロック療法は、神経周囲に局所麻酔薬を使うことで、痛みが神経へと伝達することを防ぐ治療方法であり、これも坐骨神経痛に対してはよく用いられます。神経ブロック療法も薬物療法やリハビリテーションと併用しながら、複数回実施していくことになります。麻酔薬を直接神経に作用させる治療法であるため、その症状や原因に合わせていくつかの種類があります。硬膜外ブロックは腰部や仙骨部に対して行われ、下位腰椎の疾患や坐骨神経痛に効果的な、比較的手技が容易とされるブロック療法です。選択的神経根ブロックは腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症が原因となる坐骨神経痛に対して、即効性の効果が期待できます。非常に効果が高ければ数ヶ月にわたり疼痛が緩和されることもありますが、反対に数時間しか持続しないこともあります。梨状筋症候群による坐骨神経痛に対しては、坐骨神経ブロックという治療法が選択されますが、硬膜外ブロックや神経根ブロックよりも穿刺部位の決定が難しく、効果にもムラがあります。

 

この神経ブロック療法や薬物療法は整形外科以外にも、麻酔科やペインクリニックでも実施してもらうことができます。特にペインクリニックにはその名の通り、痛みを専門とした医療機関です。ペインクリニックにおいても、画像診断を受けることは可能であり、さまざまな身体所見、症状、画像所見から痛みの原因判断、適切な治療を行ってもらえます。

 

このような薬物療法、リハビリテーション、ブロック療法による保存療法でも症状が改善しない場合、また原因疾患が非常に進行している場合には手術療法が選択されることになります。これは腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などのそれぞれの疾患に合わせた手術法が選択されます。

 

疑わしい症状、つらい症状の改善は、まず病院を受診することから始まります。適切な病院を受診して、自分の症状、疾病に合わせた適切な治療をしてもらいましょう。

 

 

 

 

 

坐骨神経痛と生活習慣の関係性について

2015年11月11日 : 未分類

高齢者だけでなく、若い方、働き盛りの方を含め、多くの方が坐骨神経痛に悩んでいます。坐骨神経痛を起こしてしまうと、腰や脚の痛み、しびれといった症状に苦しみ、日常生活に支障をきたします。

 

この坐骨神経の発症には、普段の生活習慣も関係しています。姿勢や体型などの問題が坐骨神経痛を引き起こすこともあります。このような生活習慣と坐骨神経痛の関係について見ていきましょう。

 

坐骨神経痛と姿勢

まずは、普段の姿勢と坐骨神経痛について考えてみましょう。

 

本来、私たちの脊椎(背骨)はゆるやかに前後へのカーブを描いています。これは、脊椎にかかる衝撃を分散するとともに、脊椎のさまざまな方向への柔軟な動きを行うために、大切な構造です。この前後へのカーブが崩れてしまうと、それによって身体のどこかへと負担がかかります。この負担が集中しやすいのが、身体の“要”である腰になります。

 

立っている姿勢で多いのが、お腹を少し前方に突き出すように、腰を反らせてしまっている姿勢です。これは、特に腹筋の筋力が弱い人や筋力はあっても腹筋を上手く使えていない人に多い姿勢です。私たちの腰の骨、腰椎は本来ゆるやかに前方に凸のカーブを作っています。しかし、腰を反らせた姿勢はこの腰椎の前方カーブを増強し、腰椎や椎間板、靭帯、筋肉などへの負担を強めます。また、パソコン作業などのデスクワークによって最近では猫背の人も増えています。猫背は胸の部分の胸椎の後方に凸のカーブを乱します。この猫背による重心位置の変化も、同様に腰への負担を高めるのです。

 

同様に、座っている際の姿勢にも注意が必要です。腰への負担が増えやすい姿勢として、仙骨座り、と呼ばれる座り方があります。本来、座っている時の姿勢は、お尻の部分の骨である坐骨に体重が乗り、背筋がまっすぐになっている姿勢が良いとされています。この姿勢で椅子に深く座ると、脊椎がしっかりと後ろの背もたれに接触します。ところが、仙骨座りは、お尻が前にズレており、仙骨と呼ばれるお尻よりも少し上の位置の骨に体重がかかってしまっています。この姿勢では、椅子の背もたれと腰の間に大きな空間が空いています。このような仙骨座りは、腰椎のカーブを消失させてしまう原因となります。

 

こうした、立っているとき、座っているときの姿勢の乱れが、腰椎への負担を高め、坐骨神経痛を引き起こす原因ともなってしまいます。

 

坐骨神経痛と肥満

また、肥満も同様に腰への負担を高めることで、坐骨神経痛の原因となる可能性があります。

 

肥満の多くは、特に腹部に脂肪が集中することで、お腹がぽっこりと出てしまいます。こうして、お腹の前に重たい脂肪がつくことで、私たちの重心は本来よりも前方へと引っ張られます。これに対して、多くの人は、無意識のうちに上体を少し後ろに反らせた姿勢をとることで対応しています。これは、前述のとおり、腰を反らせた姿勢によって腰椎の前方に凸のカーブを増強させることになります。

 

また、肥満による体重増加は純粋に身体への負担を高めます。一般に、立ち座りや物の持ち上げなどの動作時には、体重の約2.5倍の負荷が腰にかかるとされています。そのため、肥満による体重増加は、その2.5倍の負荷として、腰への負担を高めることになってしまいます。

 

坐骨神経痛とストレッチ

また、日常的にストレッチを習慣とすることで坐骨神経痛になりにくい身体に近づくことも期待できます。特にストレッチをオススメするのが、腰と股関節、そして太ももの筋肉です。

 

腰の筋肉は、日常的な過度な使用によって、緊張が高まり硬くなってしまいます。硬くなった筋肉は血流を阻害し、乳酸などの疲労代謝物質を蓄積させてしまいます。そのため、硬くなった筋肉には、直接の押圧によるマッサージやストレッチによってほぐしてあげる必要があります。

 

そして、もう1つ、効果的なのが太ももの後ろのハムストリングスと呼ばれる筋肉です。この筋肉は一見、腰とは関係がなさそうですが、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症による坐骨神経痛を訴える方では、この筋肉が硬くなっていることが非常に多いです。この太ももの後ろを走行している筋肉は骨盤から膝へと向けて付着しています。そのため、この筋肉が硬いと、骨盤の動きがそれだけ制限されてしまうのです。こうして骨盤の可動性が悪くなると、日常生活における腰への負担が増加してしまうのです。

 

股関節のストレッチも同様です。股関節周りの筋肉が硬く、短縮してしまうと同じように骨盤の動きを悪くし、腰椎への負担を高めます。また、股関節周りには坐骨神経痛を引き起こす原因の1つともなる梨状筋という筋肉が付着しています。これは、臀部にある小さな筋肉ですが、この筋肉が硬くなると、梨状筋のすぐ近くを走行する坐骨神経を直接圧迫してしまうことになります。そのため、股関節のストレッチにより股関節周りの筋肉を柔軟にしておくことが大切です。

 

 

 

 

 

 

坐骨神経痛の症状について

2015年11月11日 : 未分類

私たちの身体は脳から出た指令が、脊髄を通って、その先の末梢神経へと伝わることで手足を思った通りに動かしています。また、反対に、手足の感覚は末梢神経から脊髄を上っていき、脳へと届きます。

 

このように、私たちの運動や感覚はすべて神経によって支配されています。そして、この神経が何らかの原因で、圧迫されたり、損傷を受けたりすることで生じる痛みが、神経痛と呼ばれるものです。

 

神経痛はピリピリ、チリチリした痛みや、正座後のしびれに似た症状、むずむずした違和感や、針で刺したような激痛までさまざまな症状となって現れます。その神経痛の中でも、坐骨神経痛は特に困っている人の多い症状です。

 

今回は、この坐骨神経痛による症状について、見ていきましょう。

 

坐骨神経とは

私たちの身体を支配している神経は脳と脊髄からなる中枢神経と、そこから派生する末梢神経によって構成されています。中枢神経である脊髄は、脊椎(背骨)の中にある脊柱管という空間を頸椎から仙椎へと向かって走行します。その間で、脊椎を構成する椎骨と椎骨の間から手足へと向かう末梢神経が脊髄から分岐していきます。

 

坐骨神経は脊椎のうち、第4、第5腰椎、第1〜3仙椎の下から出た神経の枝から構成された末梢神経です。この坐骨神経は、梨状筋の下方を通過し、総腓骨神経と脛骨神経に分岐、総腓骨神経は深腓骨神経と浅腓骨神経に分岐し、名称を変えながら足先へと走行していきます。

 

坐骨神経痛はこの坐骨神経が圧迫されることによって生じる症状であるため、坐骨神経が支配する筋肉の機能不全や、支配する感覚領域のしびれ、痛みが引き起こされます。

 

坐骨神経痛の主な症状

この坐骨神経痛による症状は、神経の圧迫のされ方や程度によってさまざまです。

一般的な症状としては、臀部の慢性的な痛みとしびれ、さらには太ももの後ろ側からふくらはぎ、足の後ろにかけての電気が走るような鋭い痛みやしびれを引き起こします。このような症状は片側の臀部、脚のみに生じることが多いですが、場合によっては両側に生じることもあります。

 

また、しびれや痛みなどの症状はどこか一部分にだけ集中的に感じることもあれば、全体に広がるように感じる場合などさまざまです。その原因によっては、身体を屈めた際や、腰を捻った際、長時間の立ち仕事や、歩いた際などに症状が増強します。

 

明らかなしびれや痛みとなるまでは、その症状に気がつきにくいですが、脚の筋力が左右で差が出てくることや、足裏の感覚異常から常に靴下を履いているような感覚や、足裏の皮膚が厚くなったような感覚を訴えることもあります。

 

間欠性跛行とは

また、腰部脊柱管狭窄症が原因である坐骨神経痛で生じやすい間欠性跛行と呼ばれる症状もあります。これは、座っているときなどの動いていない安静時には何ともありませんが、長時間の立ち仕事や歩行時になるとしびれや痛みなどの症状が現れます。

 

立った姿勢の保持や歩行による症状についても、歩き始めてすぐに出現するわけではありません。長時間にわたって立位姿勢を保ち続けた時や、歩き続けることで症状が現れ、症状の重症化とともに症状出現までの期間が徐々に短くなっていきます。

 

また、一度休憩をとると、症状が改善し、また歩き始めることができるのが間欠性跛行の大きな特徴です。特に腰部脊柱管狭窄症が原因の坐骨神経痛による間欠性跛行は身体を前屈みにして休むことで症状が改善しやすくなります。これは、腰部脊柱管狭窄症による狭窄が、前屈みの姿勢で緩和されるためです。

 

このように間欠性跛行では、しびれや痛みを避けるために、休み休み歩かなければならなくなります。脚の血管障害による血流不全も同様に間欠性跛行と呼ばれる症状を起こしますが、前屈みで緩和するのが、腰部脊柱管狭窄症による間欠性跛行の特徴です。

 

馬尾症状とは

また、坐骨神経痛の症状を起こしている方は、症状が重篤化することで馬尾症状と呼ばれる症状を招くこともあります。脊髄が下まで伸びていった先では、神経が束となって馬の尾に似た形をしていることから馬尾神経と呼ばれています。坐骨神経だけではなく、この馬尾神経全体までが圧迫を受けてしまうことで馬尾症状が出現します。

 

馬尾症状ではより強い両脚のしびれや感覚麻痺が生じます。また、脚全体の脱力感があったり、局所的につま先立ちができなかったり、足の指の動きが鈍くなったりといった運動麻痺も引き起こす可能性があります。これは、当然立ち上がりや歩行の障害、階段の昇り降りができないなどの日常生活の問題にもつながります。

 

また、馬尾神経は排尿や排便に関する筋肉や感覚とも関連しています。そのため、馬尾神経の圧迫により、失禁や排尿の勢いの低下、頻尿、慢性的な便秘などの排尿障害、排便障害を招きます。

 

このように、坐骨神経痛はさまざまな症状を引き起こすほか、その原因によっては、馬尾症状のようなさらに悪化した症状を招くこともあります。

 

 

 

 

 

坐骨神経痛の原因

2015年11月11日 : 未分類

つらい腰痛や、腰から臀部、足のしびれなどの症状を引き起こす坐骨神経痛。

 

一般的にもその名がよく知られている坐骨神経痛ですが、これは症状の名称であり、病名ではありません。坐骨神経という神経が圧迫されることによる神経症状が坐骨神経痛となります。

 

坐骨神経とは、腰の部分から臀部、太ももの後ろ側、ふくらはぎ、足の裏へと走行していく神経であり、これらの部位の筋肉の収縮や痛みやしびれ、温冷覚などを司ります。そのため、この坐骨神経が圧迫されることで、上記部位に症状をきたすのです。

 

今回は、この坐骨神経痛という症状をきたしうる、原因疾患について見ていきましょう。

 

腰部脊柱管狭窄症

高齢者における坐骨神経痛は腰部脊柱管狭窄症が原因となることが多いです。

 

私たちの身体は脳と脊髄という中枢神経から出た、神経の枝が手足へと分布し、手足の運動や感覚を脳と結びつけています。このうちの脊髄は、私たちの脊椎(背骨)の中を通っており、脊椎の中の脊髄が通る空間を脊柱管といいます。

 

腰部脊柱管狭窄症とは、この脊柱管が腰の部分で狭くなってしまうことで神経を圧迫している病態です。脊柱管は加齢を含めさまざまな原因によって狭窄を招きます。脊柱管の狭窄によって坐骨神経が圧迫されると坐骨神経痛の症状を起こしますし、大元の脊髄自体を圧迫すると、より重度な症状を引き起こすことにもなります。臀部や脚のしびれだけではなく、運動麻痺や、排尿や排便の困難をきたす膀胱直腸障害といった症状を招くこともあります。

 

腰椎椎間板ヘルニア

一方、働き盛りの方など、年齢の若い方の坐骨神経痛は、腰椎椎間板ヘルニアが原因であることが多いです。

 

椎間板とは私たちの身体の脊椎を構成する椎体という小さな骨と骨の間に挟まれている円板状の線維軟骨です。この椎間板は脊椎の柔軟な動きをサポートする役割や、脊椎にかかる衝撃を緩和するクッション作用を有しています。腰椎椎間板ヘルニアは、この椎間板の中にある髄核というゼリー状の組織が、何らかの理由で外に押し出されてしまった状態です。

 

この外に押し出された髄核が、脊柱管の中を通っている神経を圧迫してしまうことで、しびれや痛みといった神経症状を引き起こします。この際に、髄核がどの部分の神経を圧迫するかによって、症状の出る部位が変わってきます。髄核が坐骨神経を圧迫してしまった場合に腰や臀部、足の裏などのしびれといった坐骨神経痛の症状が生じます。

 

梨状筋症候群

また、梨状筋という筋肉が凝り固まることで、坐骨神経痛が生じていることもあります。

 

梨状筋とは大臀筋という臀部にある大きな筋肉の深層にある小さめの筋肉です。脊髄から分岐した坐骨神経は腰椎の合間を抜け、この小さな梨状筋のすぐ真下を通って、足先へと伸びていきます。この梨状筋がランニングなどのスポーツによる使い過ぎ、またはデスクワークなどの不活動によって硬くなってしまうことで起こるのが梨状筋症候群です。この梨状筋症候群の症状の1つとして、硬くなった梨状筋がすぐ近くの坐骨神経を圧迫してしまうことがあります。

 

梨状筋症候群の場合には、運動時や股関節に力を入れた際にも神経圧迫が強まり症状が増強します。また、硬くなった梨状筋を圧迫した際には梨状筋自体に非常に強い痛みを発します。

 

脊椎・脊髄腫瘍

また、脊椎や脊髄に腫瘍ができている場合にも、頻度は多くはありませんが、坐骨神経痛の症状を引き起こすことがあります。

 

腫瘍とは、細胞の異常な増殖が原因となり大きな塊ができた状態であり、この腫瘍が脊椎や脊髄に生じたのが脊椎腫瘍、脊髄腫瘍となります。この腫瘍のうち、悪性のものが悪性腫瘍、いわゆる癌と呼ばれるものであり、正常な細胞組織を浸食してしまうことになります。一方で、一定以上大きくなることはなく、転移などを起こすこともないのが良性腫瘍と呼ばれるものになります。

 

脊椎腫瘍、脊髄腫瘍では腰や背中の慢性的な鈍い痛みを伴うことが多く、夜間横になっている時や休憩をしている安静時にも痛みが持続するのが特徴的です。その他にも、患部を押した際の圧痛も生じます。

 

また、増殖した腫瘍によって神経を圧迫されることで足のしびれなどの坐骨神経痛の症状を引き起こします。さらには、脚の筋力の低下や歩行困難、排尿障害や膀胱直腸障害といった症状まで起こることもあります。これらの症状の現れ方は、腫瘍のできた位置、つまりは他の疾患同様、神経の圧迫された部位によって異なります。

 

このように、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニア、梨状筋症候群、脊椎腫瘍、脊髄腫瘍などさまざまな原因によって坐骨神経痛は引き起こされます。坐骨神経痛、という症状に対しての対応は共通する部分も多いですが、その根本的な治療のためには何が原因で症状が起きているのか、という原因疾患の鑑別が重要となります。坐骨神経痛以外の随伴症状から、自分の原因疾患について考えることも大切です。

 

 

 

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