脊柱管狭窄症の原因

2015年11月25日 : 未分類

手先、足先のしびれや痛み、動かしにくさなどの症状を招くとされている脊柱管狭窄症。特に、腰や頚に発症しやすく、腰部での脊柱管狭窄症は坐骨神経痛などの症状を引き起こすとされ、多くの方がその症状に頭を悩ませています。脊柱管狭窄症という疾患を簡単に言うと、文字通り、脊柱管という脊髄の通る管が何らかの原因によって“狭窄”してしまっている病態です。これによって脊髄が圧迫され、様々な神経症状を引き起こします。このような脊柱管狭窄症の起こる原因を詳しく見ていきましょう。

 

脊柱管とは

私たちの身体は、背中を通っている脊椎(背骨)を軸にして支えられています。この脊椎は1つの骨ではなく、椎骨という小さな骨の集合体になります。椎骨は存在する部位によって名前が異なり、7個の頸椎と12個の胸椎、5個の腰椎、5個の仙椎、3〜5個の尾椎が連なって脊椎を構成しています。このうちの仙椎と尾椎はそれぞれが癒合し、仙骨、尾骨となっています。

 

この1つ1つの椎骨にはそれぞれ椎孔という穴が空いています。椎骨が連なって脊椎を構成した際に、この椎孔が連続して作るのが脊柱管という管状の空間です。この脊柱管は前方を後縦靭帯、後方を黄色靭帯という靭帯がそれぞれ補強しており、骨同士の連結を高めています。

 

このような骨や靭帯に囲まれた脊柱管の中を脊髄が走行しています。脊髄は脳と同じ中枢神経であり、外側から硬膜、クモ膜、軟膜という3層の結合組織によって保護されています。

 

脊髄と脊柱管狭窄症

脊髄は脳と身体をつないでいる中枢神経であり、脳からの運動に関する指令を手足に送る運動線維と手足の感覚を脳へと伝える感覚線維があります。この脊髄から手足や体幹に向かって末梢神経である脊髄神経が分布します。脊髄神経は、椎骨と椎骨の間から分岐しており、神経根ごとにその脊柱管から出てくる場所によって頚髄、胸髄、腰髄、仙髄、尾髄に区分されます。

 

脊柱管狭窄症は脊柱管を構成している椎骨や靭帯、椎間板の変性や肥厚、膨隆、突出などによって脊柱管が狭くなっている状態です。狭くなった脊柱管は、その中を走行している脊髄や脊髄神経、その神経根、神経の近くを走っている血管を圧迫し、手足のしびれや痛みなどの神経症状を引き起こします。脊柱管狭窄症は腰部に最も起こりやすく、次いで頸部に起こる可能性があります。腰部脊柱管狭窄症では腰痛や下肢の運動障害・感覚障害、頸部の脊柱管狭窄症では頸部痛や上肢の運動障害・感覚障害が出やすいのが特徴です。

 

脊柱管狭窄症がおこる原因

では、どうしてこのように脊柱管の狭窄が起こるのでしょうか。前述の通り、脊柱管の狭窄は骨や靭帯、椎間板、椎間関節などの異常によって引き起こされます。

 

脊柱管狭窄症の原因は先天性のものと、後天性ものとにわけられます。先天性のもの、つまり生まれつきの原因によるものは、先天性(発育性)脊柱管狭窄症と呼ばれます。これは、生まれつき脊柱管が狭く狭窄症状があったり、脊柱管が通常よりも狭い状態で成長したために狭窄が生じたりしている状態です。また、軟骨無形成症と呼ばれる疾患は、国から難病として指定をされており、脊柱管狭窄による症状も呈します。軟骨無形成症はおよそ2万人に1人の割合で発生するとされており、生まれつきの以上から軟骨細胞の分化促進、内軟骨性骨化の異常から、骨の成長障害や頭蓋底の低形成などを生じます。そのため、脊柱管狭窄以外にも、低慎重や四肢短縮を始めとして様々な症状が出てきます。

 

一方、脊柱管狭窄症の大部分は後天性なものであり、中でもほとんどが変性脊柱管狭窄と呼ばれるものです。これは椎骨や椎間板、靭帯が変性をきたすことによる狭窄です。このような組織の変性は加齢に伴い起こりやすくなるため、脊柱管狭窄症も年をとるほど発症率が増加していきます。変形性脊椎症では、老化による椎間板の弾力性やクッション性の低下によって椎体や椎間関節への負担が高まります。これによって、椎体のふちなどに骨棘という棘ができてしまい、神経を圧迫します。このような変形脊椎症は女性よりも男性に多いとされています。一方、変性すべり症と呼ばれる椎体自体が前方へと滑ってズレてしまう病態は、女性に多いと言われています。これも、元々の解剖学的なリスクを抱えている状態に、加齢変化などが加わることで生じるとされ、椎体が滑ってズレることで脊柱管を狭めてしまいます。その他にも、椎間板の膨隆による狭窄や、黄色靭帯が肥厚することによっても狭窄変化が起こります。

 

このような後天性の脊柱管狭窄は、元々の軽度の先天性の脊柱管狭窄が相まって発症していることもあります。また、頻度は多くはありませんが、骨折や脱臼後に、少し期間を空けて神経圧迫症状を呈する外傷による脊柱管狭窄もあります。その他には、骨代謝に関わる慢性疾患である骨パジェット病においても、脊柱管狭窄が発生する可能性があります。

 

 

 

 

 


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