2015年12月5日 : 腰の痛み
更年期障害による腰痛
まず更年期障害とはどのようなものなのでしょうか?
更年期とは、閉経移行の時期をいいます。
45~55歳、平均51歳から始まります。
更年期障害とは、この時期(更年期)に生じる様々な要因が関係しあって起こる不定愁訴の総称になります。
更年期障害がおこる原因は何か
卵巣からは女性ホルモンであるエストロゲンというホルモンが分泌されます。エストロゲンの作用は、
女性らしい丸みをおびた体をつくる
自律神経、感情の働きや脳の働きを整える
骨の形成を促し、血管収縮を抑制する
基礎体温を下げる
というような作用があります。
※他にも作用はありますが、更年期に関係するものを書きました。
更年期になると加齢に伴う卵巣機能の低下(卵胞の数が少なくなる)によって、エストロゲンの分泌が減少していきます。しかし、脳は卵胞刺激ホルモンを分泌し、エストロゲンの分泌を促します。上記にも書きましたが、更年期になると卵巣が機能低下によってそれに答えることが難しくなります。その結果、ホルモンバランスの乱れが生じ、視床下部が混乱して自律神経を乱すため更年期の症状があらわれるようになります。
主な症状
以前より汗をかくようになる
動機がする
のぼせ、発汗
肩こり、頭痛、腰痛
骨粗鬆症になりやすい、骨密度が減り、骨折しやすくなる
排尿障害
物忘れやしやすくなる
少しのことでイライラしやすくなる
うつ、情緒不安定などの精神症状を引き起こす
更年期と腰痛とはどのような関係があるのでしょうか
更年期女性が腰痛になるのは、男性に比べ腹筋、背筋が弱いうえ、筋肉の低下により背骨や骨盤の靭帯が緩み体の歪みが生じることが考えられます。
ホルモンバランスの乱れが、自律神経に影響して血行を悪くし、骨盤が鬱血状態になる事が原因とも言われています。
更年期による精神的なストレスによる自律神経の失調も痛みを強める要因になります。
エストロゲンの分泌減少により骨粗鬆症になるリスクが増え、進行すると圧迫骨折や、骨の変形のリスクが増えます。
対処法
まずは、腰に痛みがでたらそのままにしておかずに何かしら対処をしましょう。急な痛みなら冷やす、慢性の痛みなら温めてみる、ストレッチをしてみるなど対処法があっていれば改善も早くなります。それでも痛みが治まらない場合は、整形外科に受診したり、女性特有の病気や更年期障害であることも考え婦人科・更年期外来の受診も考えてみて下さい。原因が分かれば対処法もわかってきます。
女性にとってはつらい更年期障害ですが、更年期障害による腰痛を緩和させるには、背筋や腹筋を鍛えたり、カルシウムをしっかりとり、体を温かくして血行を促進してあげることが効果的です。
運動や睡眠、バランスの取れた食生活も更年期障害による腰痛には重要になってきます。
まとめ
更年期障害では腰痛に限らず、つらい症状が続くと、どうしても気分が落ち込み気が滅入ってしまいます。何事にもやる気が起きず、出かけることも嫌になります。そうなると痛みやつらさにばかり意識が集中し、改善しない症状にどんどん不安が高まっていきます。
痛みなどの症状は、精神状態の影響を大きく受けます。不安やストレスが溜まると、体の機能をコントロールする自律神経のバランスが崩れ、痛みを通常よりも強く感じるようになる事があります。
自分が好きなことや、楽しいことをしていて集中している時には痛みを忘れていたということを経験したことがあると思います。
趣味などに集中する時間をつくったり、リラックスできる方法を探したり、散歩や軽い運動をして体を動かすことも効果的です。
まずは、腰痛の原因は何なのかを知るために病院での受診することをお勧めします。