2015年11月23日 : 腰の痛み
あなたの3カ月以上続く腰の痛みは、ストレスが大きく関係しているかも知れません
腰痛は日本人の国民病とも言われており10人に1人は腰痛で悩んでいると言われています。腰痛が起こる原因には様々ありますが、整形外科でのX線やMRIの画像検査をしても、腰椎や関節板などの組織に異常がみられず、これといった原因がわからないものが85%を占めています。このような原因がわからない腰痛を非特異的腰痛と呼びます。よく聞くぎっくり腰もこれに分類されます。病院では腰痛症や坐骨神経痛と診断されます。
最近の研究で、このような非特異的腰痛の半分以上はストレスや不安、うつ、痛みによるトラウマなどの精神的なものが関わっている事がわかってきました。このように精神的なものが関わっている腰痛を心因性腰痛と呼びます。
腰が痛くなって病院で検査しても骨や関節、神経に異常がなく、鎮痛剤やマッサージや電気治療などの治療を3ヶ月しても一向に良くならない場合はストレスが大きく関わっているかもしれません。慢性腰痛(骨や筋肉に異常がみられず、3ヶ月以上にわたって痛みが続く原因不明の腰痛)には、体の疲労や体の歪み、内臓疲労、姿勢なども関係してきますが、これに心理的、社会的要因が絡むと腰痛が起こりやすくなったり、痛みが強くなったりする恐れがあります。
なぜストレスで腰が痛むのでしょうか
人は、体に不調(損傷)を起こした時に神経を通って脳に痛みが伝わります。ただし、人の脳には、この痛みを抑制するシステムが備わっています。このシステムがうまく働いていると少しの体の不調や疲労などで痛みが発生した時には痛みをブロックして和らげてくれます。しかしストレスや心理的不安な状態が続くと、この痛みを押さえるシステムがうまく機能せずに普通なら我慢できる痛みが実際以上に強く感じたり、我慢できない痛みに変わったりします。
腰椎椎間板ヘルニアと診断され、治療することにより数ヵ月後に画像でヘルニアが治った人でも痛みがとれる人と、とれない人ではこういった事が考えられると言われています。
慢性的に腰痛があっても好きなことをしている時は、痛みを感じないけど、いやなことや緊張する場面や心に不安がある状態が続くと痛みが強くなったりしたことはありませんか。
ストレスにより胃が痛くなったり、胃潰瘍になったということを経験したことがある人や、そういうことを聞いた事があるのではないでしょうか。
このようにストレスは精神的な病気だけではなく、内臓疾患や体の不調にも大きく関係しているのです。
心因性腰痛の特徴
・検査をしても異常がない
・X線、MRI検査をしても腰椎、椎間板、筋肉、神経などの組織に異常がみられない
・治療をしても改善がしない
・治療や、痛み止めを飲んでも痛みが改善しない。改善してもすぐに再発する。
・腰痛以外の症状がある
・腰の痛みだけではなく、頭痛や肩こり、不眠、吐き気、動機、食欲不振、胃の不快感などがある
どのような状況の人が心因性腰痛になりやすいのでしょうか
職場環境
職場での人間関係が良くない。
仕事に関しての不満がある
仕事が忙しく休みが取れない、長時間労働、夜勤が多い。
家庭環境
家庭内の人間関係が良くない、問題が起きている
子育てに対して悩みや不安があるが相談できる人がいない
子供のころに肉体的、精神的、性的虐待を受けてきた
心因性
痛みに対するこだわりが強い、心配性、神経質
このように心因性腰痛は、ストレスや不安状態が長く続いている人がなりやすいのです。
最後に
痛みがでるということは、体からのSOSです。原因不明の腰痛は全腰痛の85%を占めると言いました。病院では原因が解らずに、薬を飲んでも、治療を続けても効果がない場合は、心因性腰痛かもしれません。心当たりがある人は一度自分の生活環境をしっかり確認して変えられるところから変えていきましょう。いくら頑張っても健康を害しては元も子もありません。環境、行動、心の持ち方を変えてみるのもいいでしょう。