首の痛みが出る5つの症状

2016年2月26日 : 肩こり

首の痛みには、筋肉が凝り固まることによる「首のコリ」と、「首の疼痛」の大きく2種類に分けられます。さらに、筋肉、神経、骨、内臓など原因部位によって伴う症状(随伴症状)が大きく変わります。

 

今回は、この首の痛みと随伴する症状について詳しくお伝えします。

 

原因部位によって異なる症状

首のコリ・痛みは様々な原因でおこりますが、下記のように部位別に分けると理解しやすくなります。

 

・首のコリ・疼痛

  ・首の筋肉によるもの

  ・頸椎の圧迫・変形によるもの

  ・頸髄の圧迫・損傷によるもの

  ・内臓疾患による関連痛

  ・腫瘍、感染症によるもの

 

では、それぞれについて詳しくお伝えします。

 

1.首の筋肉によるもの

「姿勢の悪さ・骨格のゆがみ」や、「寝違え」により首の筋肉を酷使したり、無理に引き延ばすと、首の筋肉が硬くなり「首・肩こり」を生じることがあります。症状がひどい場合は、「頭痛、慢性的な疲労感、呼吸苦、のどのつまり感」など様々な症状を随伴することがあります。

 

事故による「頸椎捻挫」は、首の筋肉に大きな負担がかかることによっておきますが、「首を動かす時に痛み」があります。

 

2.頸椎の圧迫・変形によるもの

「頸椎症」は上下の頸椎の椎間板や頸椎自体が、加齢などによって変形して、進行すると末梢神経や脊髄を圧迫する病気です。「首を動かす時の痛み」に加えて、神経が圧迫されると「障害された神経の症状」が伴います。神経症状については次の項で詳しく述べます。

 

交通事故で「頸椎損傷」した場合、骨膜には痛みの神経が通っているため、「骨折による痛み」を感じます。特に首を動かすと痛みがあります。

 

3.頸髄の圧迫・損傷によるもの

「頸椎椎間板ヘルニア」および、交通事故や転落、落下物の衝突やスポーツ(ラグビー、アメフト、器械体操、プールの飛び込みなど)による「脊髄損傷」では、圧迫されている神経部位により現れる症状が異なります。

 

「完全麻痺」と「不全麻痺」があり、損傷された脊髄よりも遠位(おしり側)の運動・知覚の障害がでます。完全麻痺では、損傷により完全に機能が障害された状態(運動機能と知覚機能が完全に麻痺した状態)で、不全麻痺では機能の一部が障害を受けた状態です(知覚のみある場合、筋力がある程度に残っている状態など)。

 

脳からおしりにかけて伸びている脊髄は、頭側から頸髄、胸髄、腰髄、仙髄、尾髄(人間では退化しています)に分けられます。首にある頸髄は8つ(首の骨である頸椎は7つ)あり、上からC1〜8と呼び、それぞれが、異なる身体の運動や知覚(温痛覚、触覚)を少しずつ分担しています。そのため、C1〜8のどこが障害をうけたか、また完全麻痺か不全麻痺かで、予後が大きく変わってきます。

 

例えば、C3〜4は横隔膜を動かす神経に関わっており、この部位よりも頭側(C1〜4)で障害をうけた場合は、身体が動かなくなることはもちろん、呼吸も自分ではできなくなるため、一生人工呼吸器が必要となります。

 

頸髄損傷で障害される機能は、主に「運動機能」「知覚機能」「自律神経機能」「排泄機能」となります。

 

「運動機能」障害では、胸から下が動かすことができなくなります。障害される部位により動かせなくなる範囲は異なります。

 

「知覚機能」障害では、触覚(触った時の感覚)や温痛覚(熱い冷たい、痛いという感覚)がわからなくなります。そのため、ケガをしても気付かない、あるいは、寝たきりで褥瘡(じょくそう)(床ずれ)ができても気付かないことがあります。褥瘡が悪化すると感染症を起こして、死に至ることもあり、寝たきりでは褥瘡予防が重要となります。

 

「自律神経」障害では、汗が出なくなるため体温調節が難しくなります。また、立ち上がった時に心臓に戻る血液が減って立ちくらみをおこすことがあります。

 

「排泄機能」障害では、尿をするときに使う筋肉が動かないために、自然に尿ができなくなります。導尿法といって、自分もしくは他人にカテーテルという管をいれて尿を出す方法や、手術で尿が自然と出るようにする方法などの対策がとられます。

 

4.内臓疾患による「関連痛」

「関連痛」とは、痛みを感じている部位とは別の場所以外が原因で痛みを感じることを指します。例えば、冷たいものを食べたときに頭がキーンとすることがありませんか?この症状も関連痛の一つで、口の中の刺激が三叉神経を刺激し、頭痛が起きるのです。

 

同様に、胃、胆のう・胆道、心臓でも首や肩周囲に関連痛を生じることがあります。内臓の位置の関係から、胃の場合は「左肩周囲の痛み」、胆のう・胆道の場合は「右肩周囲の痛み」、心筋梗塞では「左肩周囲、首の痛み」として感じることがあります。

 

5.腫瘍、感染症によるもの

首には、感染症にかかりやすい咽喉頭・気管があります。感染症にかかると、全身の関節や筋肉が痛み、リンパ節が腫れるために、一時的に首の痛みを生じることがあります。感染症のリンパ節腫脹は、押すと痛い(圧痛)のが特徴です。

 

怖いのは、悪性腫瘍(ガン)です。良性腫瘍では、筋肉や神経など周りの組織に浸潤することはありませんが、ガンの場合は、周りの組織に浸潤し、また、首から遠い臓器のガンでも首のリンパ節に転移をすることがあります。通常ガンでリンパ節が腫れる場合、大きくなっても痛みがなく、硬いしこりのように感じることが多いのが特徴です。

 

口やのどのガンは非常に強い痛みを伴い、進行すると周囲の神経や筋肉に浸潤していくため、ガンの部位だけでなく首全体が痛むことがあります。また、ガンのために首の手術を行うと、術後に首が引きつれて首から肩にかけてのコリが慢性的に生じます。

 

 

 

 

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お知らせ! 強直性脊椎炎の症状とは・・・

2016年2月12日 : 腰の痛み

強直性脊椎炎はその原因についても明らかとなっていない部分が多く、国の定める難病としても指定を受けています。

 

これは、その名の通り、脊椎の炎症を主とする疾患です。脊椎は、小さな骨である椎骨とその間に挟まる椎間板によって構成されており、身体の複雑な動きを可能にしています。この脊椎に炎症が起こることで、骨破壊や癒着が起こり、脊椎は徐々に可動性を失っていきます。また、脊椎の炎症は股関節や肩関節といった周囲の関節への広がりを見せることもあります。その症状には、日によってムラがあることから、時には怠け病とも言われることがある強直性脊椎炎、今回はその具体的な症状について見ていきましょう。

 

強直性脊椎炎の病態

強直性脊椎炎による症状は、まず仙腸関節という関節の炎症から始まることが多いとされています。仙腸関節とは、脊椎の最下部に位置し、骨盤を構成する仙骨と腸骨によって作られた関節であり、数多くの靭帯によって補強されています。仙腸関節の動きは非常に微細ですが、日常生活の中で脊椎のバランスをとる重要な働きを担います。

 

強直性脊椎炎はこの仙腸関節に始まり、腰椎、胸椎へと上向きに拡大していく椎間関節の関節炎、そして脊柱靭帯の付着部炎が主な病態となります。椎間関節の炎症は軟骨の侵蝕による関節裂隙の不整や狭小化、骨硬化などへと進行し、最終的に強直と呼ばれる状態へと移行します。強直とは、関節を構成する骨や軟骨が変形・癒着することで関節運動が制限されてしまう状態です。

 

一方、靭帯の付着部炎は、椎体隅角部の侵蝕や骨硬化、椎体前面の骨膜化、椎間板辺縁の線状骨化などが生じ、最終的には椎体間の骨性癒合が生じてしまいます。これは腰椎や胸椎をはじめ、頸椎まで広がることもあり、X線撮影では、竹様脊柱(Bamboo spine)と呼ばれる所見がみられます。

 

また、脊椎だけでなく、肩関節や股関節といった、脊椎に近い関節にも炎症が起こりやすく、進行していくことで骨破壊が生じます。さらに、骨自体は炎症を繰り返すことで、弱化してしまい、骨粗しょう症も引き起こされます。

 

強直性脊椎炎の症状

強直性脊椎炎はその病態から、最初は仙腸関節や腰椎の炎症による腰痛、臀部痛などの症状から始まることが多いです。そのため、始めはただの腰痛や坐骨神経痛かと勘違いすることも少なくありません。痛みの進行は比較的ゆっくりであり、適度な運動によって症状が緩和したり、日によって痛みの程度に違いがあったりするのも特徴です。また、股関節や肩関節を中心に、四肢関節にも痛みや運動制限が生じてきます。

 

初期の強直性脊椎炎では、激しい痛みがあったかと思うと、翌日には症状がほとんどなくなってしまうことも少なくありません。そのため、医療機関の受診が遅れたり、症状を上手く伝えることができなくなったりします。また、痛みがなく動ける日もあることから、周囲にはただ怠けているだけという誤解を受けてしまうこともあります。

 

症状が進行をしていくと、胸椎、腰椎部分を始めとして強直と呼ばれる関節運動が制限された状態に陥ります。特に、胸椎の後方に凸のカーブが過剰に増強、腰椎のカーブが消失した状態になりやすく、猫背のような前傾姿勢になっていきます。さらに、頸椎にも強直が起こることもあり、上を見上げることが難しい、場合によっては立って前を見ることも困難になることもあります。

 

ただし、このような脊椎が動かなくなるほどの重症例は患者全体の約1〜2割程度であるとされています。重症例では、発症から10〜20年をかけて、このような状態へと進行します。しかし、多くのケースでは、多少の支障があるものの、日常生活や労働を行うことができています。

 

強直性脊椎炎の合併症

強直性脊椎炎による直接の病態とは異なるが、いくつか起こりやすいとされている合併症もあります。脊椎の変形が起こっていたり、骨破壊による骨粗しょう症が進行したりしている場合には、まず骨折が起こる可能性が高くなります。特に、胸椎・腰椎部分で骨折が起こりやすく、場合によっては神経を圧迫することで神経症状を引き起こしてしまうこともあります。また、骨折が起こった部分がその治癒過程で偽関節という状態になってしまうことも少なくありません。

 

胸椎付近の炎症は胸郭の可動性の低下も招きます。胸郭の可動域制限により、肺活量が低下する拘束性換気障害という状態にもなりやすくなります。また、肺活量低下による肺合併症が起こる可能性も高まります。

 

また、患者の30%ほどには、視力低下やぶどう膜炎(虹彩炎)といった眼の症状を併発します。これは稀ではありますが、失明につながることもあります。その他にも、炎症性腸疾患のような消化器症状、弁閉鎖不全症や伝導障害といった循環器疾患などの病態が合併することもあります。このような臓器不全が強直性脊椎炎の患者の予後に影響することも多いです。

 

 

 

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すべり症の7つの症状

2015年12月12日 : 腰の痛み

すべり症と言う言葉を聞いたことがありますか?すべり症とは腰の骨(腰椎)が腰本来のカーブを何らかの異常で支えれなくなりすべる(ずれる)状態のことです。すべり症になると繰り返す腰痛、慢性的な腰痛、足のしびれなどを引き起こします。高齢者に限らず、子どもから成人までが引き起こす可能性のあるすべり症。もしあなたがすべり症になったらどのような症状が表れるのでしょう。すべり症の症状について紹介していきます。

 

すべり症の種類

まず始めにすべり症にはいくつかの種類があります。そのほとんどのすべり症が「変性すべり症」と「分離すべり症」と言われるものです。変性すべり症は女性が発症する事が多く、老化などで骨に変性が起き発症します。分離すべり症は分離から2次的に発症するものです。

これら2つのすべり症の症状は似ていますが一部違う症状も表れます。では共通して起こる症状から紹介していきましょう。

 

1.腰痛

まず感じやすいのが腰痛です。同じ姿勢を続けていたり、長い間立ちっぱなしでいると腰のあたりに鈍く重い痛みが表れます。朝は起きるのが辛いと感じます。腰を後ろに反らすと更に痛みが強く出る傾向があります。逆に体を前に倒すと腰やおしり辺りがつっぱっている感じがする時もあります。

ぎっくり腰の「ぐきっ」となった瞬間も実は腰椎がすべった瞬間なのです。しかし、ぎっくり腰の場合はそのすべった瞬間に周りの筋肉が反応して元の位置に戻してくれるのです。

この反射作用によりすべりは戻りますが無理をして頑張った筋肉が炎症を起こして「痛み」「熱」の症状が表れるのです。これがぎっくり腰の正体です。ですので、すべり症の急性期の状態はぎっくり腰にとても近い症状が表れるのです。

 

2.下肢のしびれ

足にしびれが起きます。この場合も片足だけに症状が表れる方や両足に表れる方人によって表れ方も異なります。和室などで正座をしたり足をくずした姿勢を長く続けると「ビリビリ」と足にしびれが走る症状が表れます。

すべった腰椎が坐骨神経にあたり坐骨神経痛を引き起こしている場合もあります。なかなか治らない坐骨神経痛も実は腰のすべり症から引き起こされている場合もあります。

 

3.下肢痛

下肢とは足の付け根から足先のことを言います。その辺りに痛みを感じることです。痛みも両足に出る方や片足だけに痛みの症状が表れる場合もあります。

歩くのも辛い程の痛みが生じることもあります。下肢痛も坐骨神経痛に繋がることもあります。

 

4.歩行障害

上記の腰痛・下肢痛・下肢のしびれなどの症状が強くでることから自力で歩くことが出来なくなります。少しの距離を歩くのにいつもの何倍の時間がかかってしまいます。これはすべり症の症状がひどくなっている状態ですので早急に病院へ行きましょう。

 

5.間欠性跛行

すべり症になると腰部脊柱管狭窄症と同じ様な状態になりますので間欠性跛行の症状が表れます。間欠性跛行とは立ったり動いたり、歩いたりを10分ほどすると足がしびれたり、痛みが足や腰に表れてきます。

少し座って休むと痛みが落ち着きます。しかし病気が進むと安静にしていても痛みが消えなくなってきます。この場合は早い内にすぐに最寄りの病院や治療院での診察を受けましょう。

 

6.排尿・排便障害

これは変性すべり症の場合のみの症状になります。変性すべり症の起こる所には馬尾神経がある場所で尿や便の排尿の機能の為の神経が通っている為に残尿感や頻尿、便秘の膀胱直腸障害が起こることがあります。馬尾神経とは…腰の部分の神経の事です。仙骨まで走ってきた神経がここで分かれていきます。馬のしっぽに見た目が似ていることから「馬尾」と呼ばれているそうです。

 

7.会陰部障害

これも変性すべり症の場合のみの症状になります。馬尾神経障害によるもので、神経を圧迫してしまう事により、股の付け根から陰部にかけてしびれや熱感を持つこともあります。男性では歩いたときに陰茎勃起が起こることもあります。

 

まとめ

いかかでしたでしょうか?すべり症の症状も腰痛だけでなく、足のしびれや歩行障害、排尿や排便障害までを引き起こしてしまう可能性もあるのです。

怖いですね。腰の周りは身体を支える所でもあり、神経も通り道でもあるとても重要なところです。

40代から60代に多いこの病気。やはり筋肉が衰え始める年齢から始まることが多いです。年齢のせいかなと諦めずに、腰の痛み、重だるさ、しびれなどを感じたら「おかしいな、でもすぐに良くなるだろう」と簡単に思わず、おかしいなと思ったら我慢するのはやめましょう。

そのままにしておくと慢性化してどんどん腰椎のすべりがひどくならない様に早めに病院や治療院へ行くことをお勧めします。そして予防の為にも普段から運動やストレッチをするように心がけて腰周りの筋力をつけるようにして、すべり症を防いでいきましょう。

 

 

 

 

 

整体師が教える脊柱管狭窄症の2つの症状

2015年11月25日 : 腰の痛み

脊柱管とは、背骨である脊椎の中を通っている筒状の空間です。脊椎は椎骨という小さな骨がいくつも積み重なることで構成されており、この連なった椎骨で作られた脊柱管という空間の中を脊髄が走っています。

脊柱管狭窄症とは、この脊柱管が何らかの原因によって狭められることによって神経が圧迫される病態です。

脊髄神経は脳からの運動指令を手足に伝えたり、反対の手足の感覚を脳へと伝えたりする役割を担うことから、この神経が圧迫されることによって手足の運動麻痺や感覚障害を引き起こします。

この脊柱管狭窄症による具体的な症状についてご紹介します。

 

腰部脊柱管狭窄症による症状

 

脊柱管狭窄症が最も起こりやすい部位は腰であり、腰で起こった脊柱管狭窄症は腰部脊柱管狭窄症という診断名がつけられます。

 

腰部脊柱管狭窄症では、腰痛や腰回りの重苦しさ、違和感、ハリなどの腰の症状に加えて、下肢のしびれや痛みなどの症状を伴います。この下肢の症状は神経の圧迫のされかたによって、症状の出る部位や程度に違いが出てきます。これは、大きく神経根型、馬尾型、混合型の3つにわけて考えることができます。

 

私たちの脳からの指令は中枢神経である脊髄を下降し、末梢神経である脊髄神経となって手足や体幹へと伝えられます。反対に、手足や体幹の感覚入力は、脊髄神経から脊髄を上行し、脳へと伝わります。

この時、脊柱管の中を走行する脊髄から、脊髄神経となって椎骨の下から分岐している根元の部分が神経根です。神経根には、前根と後根があり、前根は主に運動神経を、後根は主に表在感覚や深部感覚の入力の役割を担います。

そのため、神経根型の腰部脊柱管狭窄症では、圧迫されている神経根が直接司っている運動機能もしくは感覚機能に障害をきたします。

腰椎と腰椎の間から出ている神経根・その先の脊髄神経は臀部や下肢へと分布しているため、症状も臀部や下肢に生じます。また、症状が出るのは片側のみであることが多いです。

 

また、脊柱管の中を走行している脊髄は、腰部の途中あたりから馬尾神経という末梢神経へと形を変えています。この馬尾神経は臀部、下肢に加えて会陰部の運動・感覚機能にも関与しています。

そのため、馬尾型の脊柱管狭窄症では、臀部、下肢のしびれ、痛みに加えて、会陰部のしびれや灼熱感、ほてりなどの異常感覚が起こりやすくなります。

また、残尿感や頻尿、失禁などの膀胱直腸障害が起こることがあるのも馬尾型の特徴です。

 

混合型は、この神経根型と馬尾型が合わさった病態であり、両方の症状が引き起こされる可能性があります。

 

また、腰部脊柱管狭窄症の特徴的な症状として、間欠性跛行と呼ばれる下肢のしびれがあります。

これは、安静時や歩き始めには症状がありませんが、長時間歩き続けることで下肢のしびれや痛みなどが現れます。さらに、その後休憩をとることで症状が緩和し、また歩き出すことができるのが特徴です。疾患が重度となるにつれて、歩き始めてから症状が現れるまでの時間が短くなり、ひどくなると立っているだけでも困難となります。

閉塞性動脈硬化症などでも血管性の間欠性跛行が生じますが、腰部脊柱管狭窄症では前屈みになることで症状が緩和しやすいという違いがあります。

これは、前屈みの姿勢をとることで、脊柱管が少し広がり、神経の圧迫が軽減されることによる影響です。反対に、腰を反らせるような動きをすると、症状が強くなることが多いです。

 

頸部脊柱管狭窄症による症状

頸部の脊柱管狭窄症は、脊柱管狭窄による神経への圧迫が頸部で起こっている状態です。

この頸部の脊柱管狭窄症では頚髄神経が主に支配している上肢から指先にかけての症状が現れます。

また、運動機能としては、シャツのボタンをかけたり、箸を使ったりといった指先の細かい動きが難しくなることや、握力の低下などがみとめられます。

握力は、握力計を使って数値として確認することができるため、症状のない方との違いを見るときや、病状進行具合、治療効果を見る際にも役立てることができます。

腰部脊柱管狭窄症と同様に、身体を後方へと反らせる動きで症状が悪化しやすい傾向にあります。つまり、頸部の脊柱管狭窄症では上向きに首を反らせることで痛みやしびれが走 るため、ふと上を見上げた際やうがいをしようとした際などには注意が必要です。

 

また、頸椎への負担がかかっている原因として首周り、肩甲骨周りの筋肉の緊張・コリがある場合が多く、その場合は首周りの硬さや痛みといった症状を伴います。

指先のしびれや動かしにくさなどに気づかず、ひどい肩こりなどかと思っている間に疾患が進行していることもあるのが、頸部の脊柱管狭窄症の特徴です。

さらに、頸部を通っている脊髄自体に圧迫が加わっている場合には、下肢にもその症状が及ぶ場合があります。この場合には、頸部の神経の圧迫を取り除くことで、下肢の痛みやしびれなどが改善することになります。

 

坐骨神経痛の症状について

2015年11月11日 : 未分類

私たちの身体は脳から出た指令が、脊髄を通って、その先の末梢神経へと伝わることで手足を思った通りに動かしています。また、反対に、手足の感覚は末梢神経から脊髄を上っていき、脳へと届きます。

 

このように、私たちの運動や感覚はすべて神経によって支配されています。そして、この神経が何らかの原因で、圧迫されたり、損傷を受けたりすることで生じる痛みが、神経痛と呼ばれるものです。

 

神経痛はピリピリ、チリチリした痛みや、正座後のしびれに似た症状、むずむずした違和感や、針で刺したような激痛までさまざまな症状となって現れます。その神経痛の中でも、坐骨神経痛は特に困っている人の多い症状です。

 

今回は、この坐骨神経痛による症状について、見ていきましょう。

 

坐骨神経とは

私たちの身体を支配している神経は脳と脊髄からなる中枢神経と、そこから派生する末梢神経によって構成されています。中枢神経である脊髄は、脊椎(背骨)の中にある脊柱管という空間を頸椎から仙椎へと向かって走行します。その間で、脊椎を構成する椎骨と椎骨の間から手足へと向かう末梢神経が脊髄から分岐していきます。

 

坐骨神経は脊椎のうち、第4、第5腰椎、第1〜3仙椎の下から出た神経の枝から構成された末梢神経です。この坐骨神経は、梨状筋の下方を通過し、総腓骨神経と脛骨神経に分岐、総腓骨神経は深腓骨神経と浅腓骨神経に分岐し、名称を変えながら足先へと走行していきます。

 

坐骨神経痛はこの坐骨神経が圧迫されることによって生じる症状であるため、坐骨神経が支配する筋肉の機能不全や、支配する感覚領域のしびれ、痛みが引き起こされます。

 

坐骨神経痛の主な症状

この坐骨神経痛による症状は、神経の圧迫のされ方や程度によってさまざまです。

一般的な症状としては、臀部の慢性的な痛みとしびれ、さらには太ももの後ろ側からふくらはぎ、足の後ろにかけての電気が走るような鋭い痛みやしびれを引き起こします。このような症状は片側の臀部、脚のみに生じることが多いですが、場合によっては両側に生じることもあります。

 

また、しびれや痛みなどの症状はどこか一部分にだけ集中的に感じることもあれば、全体に広がるように感じる場合などさまざまです。その原因によっては、身体を屈めた際や、腰を捻った際、長時間の立ち仕事や、歩いた際などに症状が増強します。

 

明らかなしびれや痛みとなるまでは、その症状に気がつきにくいですが、脚の筋力が左右で差が出てくることや、足裏の感覚異常から常に靴下を履いているような感覚や、足裏の皮膚が厚くなったような感覚を訴えることもあります。

 

間欠性跛行とは

また、腰部脊柱管狭窄症が原因である坐骨神経痛で生じやすい間欠性跛行と呼ばれる症状もあります。これは、座っているときなどの動いていない安静時には何ともありませんが、長時間の立ち仕事や歩行時になるとしびれや痛みなどの症状が現れます。

 

立った姿勢の保持や歩行による症状についても、歩き始めてすぐに出現するわけではありません。長時間にわたって立位姿勢を保ち続けた時や、歩き続けることで症状が現れ、症状の重症化とともに症状出現までの期間が徐々に短くなっていきます。

 

また、一度休憩をとると、症状が改善し、また歩き始めることができるのが間欠性跛行の大きな特徴です。特に腰部脊柱管狭窄症が原因の坐骨神経痛による間欠性跛行は身体を前屈みにして休むことで症状が改善しやすくなります。これは、腰部脊柱管狭窄症による狭窄が、前屈みの姿勢で緩和されるためです。

 

このように間欠性跛行では、しびれや痛みを避けるために、休み休み歩かなければならなくなります。脚の血管障害による血流不全も同様に間欠性跛行と呼ばれる症状を起こしますが、前屈みで緩和するのが、腰部脊柱管狭窄症による間欠性跛行の特徴です。

 

馬尾症状とは

また、坐骨神経痛の症状を起こしている方は、症状が重篤化することで馬尾症状と呼ばれる症状を招くこともあります。脊髄が下まで伸びていった先では、神経が束となって馬の尾に似た形をしていることから馬尾神経と呼ばれています。坐骨神経だけではなく、この馬尾神経全体までが圧迫を受けてしまうことで馬尾症状が出現します。

 

馬尾症状ではより強い両脚のしびれや感覚麻痺が生じます。また、脚全体の脱力感があったり、局所的につま先立ちができなかったり、足の指の動きが鈍くなったりといった運動麻痺も引き起こす可能性があります。これは、当然立ち上がりや歩行の障害、階段の昇り降りができないなどの日常生活の問題にもつながります。

 

また、馬尾神経は排尿や排便に関する筋肉や感覚とも関連しています。そのため、馬尾神経の圧迫により、失禁や排尿の勢いの低下、頻尿、慢性的な便秘などの排尿障害、排便障害を招きます。

 

このように、坐骨神経痛はさまざまな症状を引き起こすほか、その原因によっては、馬尾症状のようなさらに悪化した症状を招くこともあります。

 

 

 

 

 

不眠の症状について

2015年11月5日 : 未分類

寝ようと思って布団に入ってもなかなか寝つけない、夜中に何度も目が覚めてしまう、寝たいと思っているのに全然眠くならない、そんな症状にお困りのあなた。ご自分が不眠症かもしれないと考えている方のために、不眠症の症状の特徴というのをおさらいしてみようと思います。

 

不眠症の症状チェック

まずは、“アテネ不眠尺度”という睡眠状態のチェックリストを使って、ご自分の普段からの睡眠状態を確認してみましょう。アテネ不眠尺度はWHO(世界保健機関)が中心となって設立した「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」によって作成されたチェックリストであり、世界中で共通した不眠症の判定方法になります。

 

以下に示した8つの質問に対し、「過去1ヶ月以内に少なくとも週3回以上経験したもの」を選択してみてください。各設問の得点の合計点数からあなたの睡眠に関する状態をチェックします。

 

  1. 寝つき(布団に入ってから眠るまでに要する時間)

  0 いつも寝つきはよい

  1 いつもより少し時間がかかった

  2 いつもよりかなり時間がかかった

  3 いつもより非常に時間がかかったか、全く眠れなかった

 

  1. 夜間、睡眠途中に目が覚める

  0 問題になるほどではなかった

  1 少し困ることがあった

  2 かなり困っている

  3 深刻な状態か、全く眠れなかった

 

  1. 希望する起床時間より早く目覚め、それ以上眠れない

  0 そのようなことはなかった

  1 少し早かった

  2 かなり早かった

  3 非常に早かったか、全く眠れなかった

 

  1. 総睡眠時間

  0 十分である

  1 少し足りない

  2 かなり足りない

  3 全く足りないか、全く眠れなかった

 

  1. 全体的な睡眠の質(睡眠時間の長さに関わらず)

  0 満足している

  1 少し不満である

  2 かなり不満である

  3 非常に不満である、あるいはそもそも眠れない

 

  1. 日中の気分

  0 いつも通り

  1 少しめいった

  2 かなりめいった

  3 非常にめいった

 

  1. 日中の活動(身体的及び精神的)

  0 いつも通り

  1 少し低下した

  2 かなり低下した

  3 非常に低下した

 

  1. 日中の眠気

  0 全くない

  1 少しある

  2 かなりある

  3 激しい

 

合計点数によって以下のように判定されます。

0〜3点:不眠症の心配はありません。

4〜5点:不眠症の疑いが少しあります。

6点以上:不眠症の疑いがあります。専門家への相談を推奨します。

 

いかがでしょうか。不眠症について考えるためにも、まずはご自分の睡眠状態を知ることが大切です。

 

不眠症の4つのタイプ

一言に不眠症といっても、夜なかなか寝つけないという人や、朝早くに目が覚めてしまう人など、その症状は様々です。このような不眠症の症状はその特徴から4つのタイプにわけて考えることができます。

 

まず1つ目が入眠困難です。これは眠ろうと思って布団に入ってもなかなか寝つけない症状のことであり、布団に入ってからだいたい30分〜1時間以上は寝つくことができないとされています。反対に、朝起きなくてもいいような早い時間から目が覚めてしまう症状を早朝覚醒と呼びます。早朝覚醒に悩んでいる人は、起きようと思って目覚ましなどをセットしている時間よりも早く、自然と目が覚めてしまい、その後も眠りにつくことができません。中途覚醒は夜中にすぐに目が覚めてしまう症状を指します。いったん眠りについても、朝を迎えるまでに何度も何度も目が覚めしまう、眠りが浅い状態が続きます。また、同じように眠りが浅く、ぐっすり眠ったような感じがしないのが熟眠障害です。熟眠障害では、例え長時間の睡眠をとったとしても、しっかりと眠ったという満足感は得られにくく、また疲れなども抜けきらないことが多いです。

 

このように、不眠症の症状は入眠困難、早朝覚醒、中途覚醒、熟眠障害という4つのタイプにわけることができます。これらの4タイプの症状は、どれか1つだけが当てはまるとは限らず、複数の症状が混合して現れることの方が一般的です。

 

不眠症の問題

日本睡眠学会が定める不眠症の定義としては、上述の4つのタイプの症状のいずれかが、週に2回以上みられ、なおかつその症状が少なくとも1ヶ月以上継続していること、そして、不眠のために自らが苦痛を感じるか、社会生活または職業的機能が妨げられること、とされています。

 

重要なのは、自らが苦痛を感じるか、社会生活または職業的機能が妨げられるという点であり、簡単に言うと日中の生活に支障をきたしているかどうかが問題となります。多くの場合、入眠困難や早朝覚醒、中途覚醒、熟眠障害といった症状は日中の倦怠感や意欲・集中力の低下などの身体への不調を招きます。これらの身体の不調と睡眠に関する問題を抱えているのが不眠症と呼ばれる症状になります。例え睡眠時間が短い人であっても、その生活に困っていない、昼間の活動が問題なく行えている、という場合には不眠症ではありません。

 

不眠症による身体の不調は日中の生活に影響を及ぼすだけでなく、持病の悪化や新たな疾病の原因となることもあります。不眠症の症状にお困りの方は、ひとりで悩まず、専門家に相談することも大切です。

 

 

 

 

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