警告!腰の右側に出る痛みを放っておくと内臓が悪くなってるかもしれませんよ

2016年3月9日 : 腰の痛み

痛みというのは非常に不快な刺激ですが、反対に身体からのサインとしての役割ももっています。身体のどこかに不調や異常があるときに、それを痛みとして教えてくれているのです。

痛みを感じなくなってしまうと、病気や怪我をしていることに気づかずに、治療もしないまま無理な生活を続け、さらに身体を壊してしまうことにもなりかねません。

 

高齢者だけでなく、若い人にもとても多い腰痛ですが、この痛みも、何らかの不調を教えてくれているサインでもあります。

腰の痛みは、腰周りの筋肉の痛みや神経の圧迫だけでなく、内臓疾患が原因となって生じているケースもあります。では、この腰の痛みが、右側だけに生じている場合には、どのような原因が考えられるのでしょうか。

 

腎臓の疾患

右側の腰の痛みを引き起こす可能性のある内臓疾患の1つとして、腎臓に関する疾患があります。腎臓は泌尿器系の器官として、体内の環境維持のために重要な調節機能を果たしています。その主な役割は、血液を濾過することで体内の余分な老廃物や塩分を、尿として体外へと排出する機能です。

また、その濾過の過程で必要となる電解質の再吸収を行い、体液量やイオンバランスの調整役も担っています。この塩分や水分の排出量のコントロールは、血圧の調節のためにも重要となる機能です。血圧が高ければ、尿量を多くすることで水分量を減らすことで血圧を下げるのです。

そのため、この腎臓の機能が低下すると、尿毒症や高血圧などを招きます。

 

腎臓は左右に1つずつ存在する重さ150gほどの器官です。大きさは、だいたい長さ11cm、幅6cm、厚さ2.5cmほどとされており、大きな豆のような外観をしています。

実は、この左右一対である腎臓の位置は、左右対称というわけではありません。身体の右側には、非常に大きな肝臓が位置しているため、左の腎臓と比べると右の腎臓は少しだけ低い位置にあるのです。

 

この腎臓に関する疾患で、腰の痛みと関連するのが遊走腎と呼ばれる病態です。これは、腎臓を支える周囲の組織の弱体化によって、腎臓が重力に負けて下へと落ちてきてしまう病態です。重力の影響がない横になった姿勢と比べて、立った姿勢では約5〜10cm以上も下垂するといわれており、これが腰痛や側腹部痛の症状を引き起こします。特に、遊走腎は右側の腎臓に起こりやすいことから、右側の腰痛の原因である可能性があります。遊走腎による痛みは、立っている時、歩いている時に症状が出現し、横になると改善するのも特徴です。

 

虫垂炎

また、虫垂炎による痛みを腰付近の痛みとして訴えるケースも時折、見受けられます。一般的には、盲腸と呼ばれることも多い虫垂炎ですが、これは虫垂の化膿性の炎症を主な病態とします。

 

人の大腸は大きく、盲腸、結腸、直腸の3種類にわけることができます。虫垂はこのうちの盲腸部分に付着している6〜8cmほどの器官です。虫垂は、多くのリンパ小節が集まっていることから、小児期の免疫機構に関与するとされていますが、成人には不要と考えられています。そのため、虫垂炎の治療は基本的に早期に虫垂を切除する外科的手術となります。

 

この虫垂は人体の右側に位置しています。一般的には、虫垂炎による痛みは激しい腹痛として現れることが多く、右の下腹部に強い圧痛が出現します。ただし、頻度はあまり多くはありませんが、この虫垂炎による痛みが腰への痛みの訴えとして現れることもあります。

 

内蔵の痛みの特徴

内蔵の疾患が原因となる痛みと、筋肉や神経圧迫が原因となる痛みではいくつか特徴が異なります。それだけで、完全に見分けることは難しいですが、痛みの原因を判断するための1つの参考として考えることができます。

 

まず、腰を捻る動作や、前屈み、腰を反らせるなど、動きによって痛みが変化するかどうかを確認します。筋肉が原因の痛みであれば、動かすことで痛みが生じますし、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などによる神経圧迫についても身体を動かすことで症状に変化が出てきます。身体を動かすことで内蔵自体に圧力が加わったり、引き延ばされたりすることで痛みがでる場合もありますが、多くの場合は内臓疾患が原因の痛みは身体を動かすことでは変化しにくいのが特徴です。また、何もせずに寝ているときなど、安静時から痛みがある場合にも、内蔵の機能低下による影響が考えられます。

 

次は、痛みのある部分を少し押圧してみましょう。筋肉が原因の痛みであれば、強い圧痛が生じることが多いです。コリコリとしたしこりのような硬くなった筋肉の塊を触知できることもあります。

 

また、痛み以外の症状を考えてみる必要もあります。特に、神経圧迫による腰の痛みであれば、腰だけでなく脚の痛み、そしてしびれなどを伴うことも少なくありません。一方、内臓の調子が悪いのであれば、腰以外にも症状が出てくる可能性があります。例えば、腎臓の疾患であれば、顔や脚のむくみの症状が出現しやすくなります。

 

 

 

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