腰の右側に出る痛み、それは神経が原因かもしれません

2016年3月10日 : 腰の痛み

日本人の多くが頭を悩ませている腰痛。身体の不調に関する訴えでは、男性では1番、女性では肩こりに次いで2番目に多い訴えであると言われている非常にポピュラーな訴えです。そんな腰痛の症状が、右側だけに偏って生じる経験はないでしょうか。

そのような、右側だけの腰痛は、筋肉に関する原因や内蔵に関する原因、神経圧迫に関する原因などが考えられます。今回は、そのうちの1つである神経圧迫による腰の右側の痛みについて考えてみましょう。

 

右側だけの腰の痛みと神経圧迫

視覚や嗅覚、聴覚、味覚、触覚といった私たちの感覚はすべて神経によって脳へと届けられています。また、手足の運動もすべて、神経を介して脳から筋肉へと指令が届けられています。このような神経系は、脳や脊髄といった中枢神経と、脳から直接出てくる脳神経や脊髄から分岐する脊髄神経といった末梢神経にわけられます。

脳から出た運動指令は、脊髄と脊髄神経を介して、手足や体幹の筋肉へと届き、運動を引き起こします。反対に、手足で感じた痛みや温度などの感覚は脊髄神経から脊髄へと伝わり、最終的に脳へとたどり着きます。

 

脊髄は、人間の背骨である脊椎の中の脊柱管という空間の中で守られています。脊椎は椎骨という小さな骨と、その間の椎間板が積み重なった構造をしており、その部位によって頸椎や胸椎、腰椎、仙椎といった名称がつけられています。

そして、脊柱管の中にある脊髄は、この椎骨と椎骨の間から多数の末梢神経の枝を出しています。頸椎の間から出てくる頸神経、胸椎の間から出てくる胸神経、その他にも腰神経や仙骨神経といった総称の末梢神経が分岐しており、それぞれが手足や体幹の筋肉、そして皮膚の感覚受容器へとつながっています。

 

このような末梢神経が圧迫などによって障害を受けることで、その神経の支配領域の痛みやしびれなどの症状が引き起こされることになります。特に腰神経が障害された場合には、その症状が腰痛として現れるケースが多いです。末梢神経は脊椎の両側から分岐しており、右側から出てきた末梢神経は右側の運動や感覚を伝える役割を担います。

そのため、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの末梢神経の障害を招く病態によって右側の腰痛の原因となるのです。また、神経圧迫が原因である右側の腰痛の場合には、腰だけでなく、右側の臀部や脚にまで痛みやしびれが拡大することが多いのも特徴です。

 

以下に、腰部の痛みを引き起こす神経圧迫につながりやすい疾患をご紹介します。

 

腰椎椎間板ヘルニア

ヘルニアとは、体内の臓器などが、本来収まっている部位から飛び出したり、突出したりしてしまっている状態を指しています。椎間板ヘルニアでは、脊椎と脊椎の間にある椎間板という組織が破れ、中から髄核という組織が突出していまいます。

この椎間板ヘルニアが腰椎と腰椎の間で生じているのが腰椎椎間板ヘルニアであり、この飛び出した髄核が神経を圧迫する原因となります。腰椎椎間板ヘルニアは、20歳代のような比較的若い世代でも起こりやすいのが特徴的です。次いで、30〜40歳代、50〜60歳代へと広がりをみせ、どちらかというと男性に多い疾患でもあります。

 

腰部脊柱管狭窄症

一方、高齢者に多いとされるのが、腰部脊柱管狭窄症です。脊柱管とは、前述の通り、脊髄が通るための脊椎内の空間のことです。脊柱管狭窄症は、この脊柱管が何らかの原因によって狭くなってしまうことで、神経を圧迫します。

脊柱管狭窄が生じる原因としては、先天性のものと後天性のものがありますが、その多くは後天性の原因によるとされています。特に多いのが、変性脊柱管狭窄と呼ばれるものであり、変形性脊椎症による狭窄の多くは男性に起こりやすいです。一方、脊椎のずれが加わった病態である、脊椎変性すべり症による脊柱管狭窄症は女性に起こりやすいとされています。

 

腰椎分離症・分離すべり症

腰椎分離症は、椎骨への繰り返される慢性的なストレスによって引き起こされる疲労骨折の一種であると考えられています。椎骨には、それぞれ椎体、椎弓と呼ばれる部分があり、この2つの連続性が断たれてしまう病態であり、安定性を失った椎体が前方へと滑り出してしまうことで、脊椎分離すべり症となります。この腰椎分離症、腰椎分離すべり症においても神経が圧迫されるケースがあり、腰痛や脚の痛み、しびれを引き起こすことになります。

腰椎分離症は、スポーツをしている青少年に多く、何かのきっかけで起こるというよりは、スポーツの中で、ジャンプや腰のひねり動作を繰り返すことで、徐々にストレスがかかっていくことが原因となります。通常の青少年での発生率は5〜10%とされていますが、スポーツ選手では約3倍にまで発生率が高まります。また、10歳代の頃に腰椎分離症が起こり、その後さらに年齢を重ねてからすべり症へと進展してしまうこともあります。

 

 

 

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