2015年12月21日 : 未分類
膝の痛みについて
まず
50代からが一番多い
変形性膝関節症について述べていきます。
膝関節はもっとも変形性膝関節症が発生しやすい関節です。
その変形性関節症の定義は
「病理学的に関節軟骨の変性、磨耗による荒廃と、軟骨および骨の新生と増殖、つまり摩耗相と増殖相の混在(変形性変化)によって特徴づけられる慢性・進行性の変形性関節疾患」と定義されます。
先ほどのべた、50歳代に発症しやすく
男女比はほぼ1:3で数字からみて女性に多いことがわかります。
変形性膝関節症の85%以上が内反変形(両膝が外を向いていきO脚のような変形)を呈し、外反変形(両膝が内側に入っていきX脚のような変形)は少ないそうです。
まず、どのような症状から始まるかと言うと
初期には動作開始時の疼痛訴える例が多いです。
膝など下肢の上体を支えるための荷重関節においては立ち上がり動作や歩行など起居移動動作障害、しゃがんだ姿勢での活動(和式トイレやものを拾う動作・掃除)の障害が主な問題で、病期が進行するにあたって動作中の疼痛を訴えるようになり、日常生活のなかでは階段の昇降、特に階段を降りるときに荷重がかかり痛みが強くなるのが特徴的です。
あと、寒い時期や湿潤な時期に症状が悪化するので注意が必要です。
では、なぜ変形性膝関節症になるのかという原因の大きなひとつは筋力の低下です。
膝関節を構成している組織が変性に伴い関節痛や筋力が退行していき痛みや関節拘縮(靭帯・筋・皮膚などの軟部組織が萎縮を起こし、収縮し関節面の癒着はないが関節の可動域が制限されること)などが生じます。
これらの変化がさらに関節症を悪化させてしまうことになります。
そして軟骨の破壊も進行し悪循環が生まれてしまうのです。
では変形性膝関節症の治療アプローチ予防はどのようにして行うのか、筋力の低下が特に原因だが発症しやすい50歳代から筋力トレーニングをしなければならないと思うと苦痛に感じる方が大半だと思います。
ですが、第一の治療方法として安静と体重の減量を積極的に行うことが重要になってきます。
体重の減量は上半身の重さが膝に負担をかけてしまうのを助長するので必要不可欠なのです。
まず、安静ですがただじっとしているわけではなんの解決にもなりません。
温熱療法といって、ホットパックや極超短波などの温熱療法は筋緊張の緩和につながり、こう原繊維(結合組織を構成する繊維のひとつのこと)の伸張・鎮痛などを目的とし、なにもせず行う運動療法よりも温熱療法という補助を施してからの運動療法では効果が変わり前処置として必要です。
次に運動療法についてです。
関節可動域訓練や姿勢制御能改善を目的とした訓練の重要性強調してきました。
関節可動域訓練では自分自身で筋肉を動かし可動域を広げる動作を中心に行いますが、すでに拘縮がある場合は施術者に補助してもらいながら行います。
次に筋力増強訓練を行います。
膝の周りの筋肉を強化することで関節の安定性を獲得し、関節軟骨を保護する役割になるのです。
特に太ももの筋肉(大腿四頭筋)を中心とした筋力増強訓練を行うのがですが膝に痛みがある場合には膝関節の屈伸(くっしん)(曲げる伸ばす)は避けて行うようにします。
自転車のペダル漕ぎや、水中歩行など膝への負担が少ない状況での運動は疼痛を誘発することなくまた、下肢全体の筋肉が連動して働き効率のよい筋力トレーニングとなります。
姿勢制御能運動は身体がよろめいた際に敏速に反応できるためのトレーニングで、不安定板を用いてバランス訓練を行います。それは姿勢制御能の低下がおこると関節への負担が下肢の関節症の進行を助長させてしまう観点から重要であるとされています。
最後に
日常生活での注意する点は食べすぎなど体重管理、頻繁なしゃがみこみ動作は関節への負担が多いので避けなければなりません。
このように、普段の生活から意識することは痛みの緩和や新たな関節症の予防に繋がるのでしょう。