不眠と生活習慣の関係について

2015年11月5日 : 未分類

一般に不眠の原因としては、不安や抑うつ、ストレスといった精神、心理的問題が挙げられることが多いです。しかし、不眠にはさまざまな原因があり、生活習慣の問題が不眠を引き起こしていることも少なくありません。

 

不眠にお悩みの方は、毎日の生活のリズム、そして夜寝る前の生活習慣を考えてみてください。その中に、不眠の原因があるかもしれません。

 

生活リズムと不眠

まずは、生活リズムの乱れから考えてみましょう。

 

毎朝、同じ時間に目覚め、同じ時間に布団に入る。私たちが健康に生活を送るためには、規則正しい睡眠習慣が重要な役割を持っています。

 

進学や就職を機に朝起きる時間が早くなった時、夏休みなどの長期休暇明け、朝起きるのがつらいですよね。しかし、不思議なことに、その生活をしばらく続けていると、すぐに身体が慣れてきます。これは、私たちの身体の睡眠と覚醒のリズムが自然と調整されるためであり、一般には体内時計などと呼ばれています。

 

実は私たちの体内時計は、個人差はあるもののだいたい23〜25時間で一回りするようにできています。つまり、ほとんどの人の体内時計は24時間ではなく、人によっては毎道1時間もズレが生じてしまっているのです。そのため、私たちの身体は毎日、体内時計の微妙なズレを修正しながら、24時間の生活リズムに合わせた、睡眠と覚醒のリズムを作っています。この体内時計の調節に大切となるのが、日光です。

 

私たちが朝目覚めたときには、セロトニンと呼ばれる脳内の神経伝達物質が自律神経へと働きかけます。このセロトニンの働きによって、脳を目覚めさせスッキリとした朝を迎えることができています。このセロトニンの働きを促すためのトリガーとなるのが日光なのです。朝、日の光を浴びることで身体のスイッチが入る、というのは、日光によってセロトニンが脳を目覚めさせてくれるためなのです。

 

また、セロトニンが目覚めを誘導してくれるのに対し、夜間に多く分泌されるのがメラトニンと呼ばれる睡眠ホルモンです。このメラトニンがしっかりと働いてくれると、自然な眠気が誘発され、質の良い睡眠をとることができます。

 

つまり、正しい覚醒と睡眠のリズムを作るためには、朝に日の光を浴びる生活習慣が重要となります。この生活リズムが乱れることで、セロトニン、メラトニンの働きが弱まり、不眠を招いてしまうのです。

 

夜寝る前のパソコンやスマートフォンの使用

また、夜間のテレビやパソコン、最近ではスマートフォンによる光の影響も、この覚醒と睡眠のリズムを乱すことになります。本来であれば、夜に向けてメラトニンの分泌量が増え、眠気を誘います。しかし、パソコンやスマートフォンの強い光によって、メラトニンの分泌が抑制されてしまうことで、身体が眠る準備をできなくなってしまうのです。

 

そして、もう1つ。パソコンの画面などに使われているLEDという光には脳を興奮させる作用があることがわかっています。そのため、夜遅くまで、パソコンを使用していると、脳が興奮してしまい、布団に入ってもなかなか寝つけなくなってしまいます。また、深い睡眠をとることができず、夜間の中途覚醒や睡眠の質の低下にもつながります。

 

寝る前にはパソコンやスマートフォンの画面を見るのを控えるようにする、またはパソコン用の眼鏡を使うなどの工夫が必要かもしれません。

 

カフェイン、アルコールと不眠

コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインに、覚醒作用があることは皆さん、ご存知のことかと思います。一般には、カフェインによる効果は摂取してから30分後に効き始めるとされ、4〜5時間にわたって持続します。そのため、寝る前のカフェインの摂取は不眠につながりやすいです。コーヒーや紅茶以外にも、烏龍茶や玉露、コーラ、栄養ドリンク、チョコレートなどにもカフェインが含まれているため注意が必要です。

 

また、アルコールも質の良い睡眠をとる妨げになることが明らかとなっています。一般には、アルコールを飲むことで眠くなると思われており、不眠に悩み、寝るためにお酒を飲んでいるという方もいるかもしれません。確かに、アルコールには脳を興奮させる神経の働きを抑制し、不安などを落ち着かせることで眠気を誘います。しかし、このアルコールによって促される睡眠は浅い眠りであることが多く、決して質の良い睡眠とは言えません。また、アルコールによって何とか眠っている生活を続けると、アルコールを飲まない日にはより強い不眠症状に悩まされることがあります。このときに、焦ってさらにアルコールの量を増やしてしまうと、いずれはアルコール依存症へとつながってしまいます。

 

また、アルコールやカフェインは利尿作用も持っており、尿の生成を促進します。これは夜間の頻尿にもつながり、トイレのために頻繁な夜間覚醒を求められることにもなってしまいます。

 

不眠に悩んでいる方は、一度、ご自身の生活習慣を見つめ直してみるのはいかがでしょうか。

 

 

 


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