2016年2月16日 : 膝の痛み
膝の痛みで受診する場合は、整形外科を受診するのが一般的です。そこでは、問診、診察、血液・画像検査などから総合的に判断して診断します。今回は、「膝の痛み」で受診をしたときの診察方法についてお伝えします。
まずは「問診」から
問診9割といわれるほど、問診は診断に非常に大事です。急に始まったのか、慢性的なのか、どんな時に痛いのかなどの情報から、あらかたの予想をつけてから、効率よく診察や検査を行います。検査は痛みをともなう侵襲性の高いものもあるため、どの検査を行うかを問診と診察で決めて行きます。
問診のポイント
・いつから痛みが始まったか?
例:2日前、1時間前サッカーでぶつかった時から、わからない
・どこが痛むか?
例:(膝の痛い場所を実際指すとわかりやすいです)膝の上、下、内、外、膝の皿
・どんな時に痛むか?
例:スポーツをする時、朝起きた時、ずっと痛い、押すと痛い
・どんな痛みか?
例:刺すような痛み、動かすとズキズキする、激痛
・その他の症状はあるか?
例:膝に熱感がある、膝がはれている、風邪の症状がある、手・手首も動かしにくくなった
・家族歴はあるか?
例:血友病、関節リウマチ、骨肉腫、痛風
・過去に同じような症状があったか?その時の診断名は?
例:痛風性膝関節症、変形性膝関節症
・現在治療している病気があるか
例:痛風、糖尿病、関節リウマチ
・運動や仕事など、普段の生活スタイルについて
例:スポーツを習慣的にしている、重い荷物を運ぶ仕事をしている、正座をすることが多い、O脚がひどい
例をできるだけ上げたのは、患者さんが「いつ、どこで、どんな時に、どんな痛みが」という情報を、なるべく詳しく、要点を絞って話すことが、診断に早く結びつくからです。ぜひ、例を参考に、自分の状況をしっかりお医者さんに伝えてください。
膝の痛みの「診察」とは?
診察は主に、「視診(ししん)」、「聴診(ちょうしん)」、「触診(しょくしん)」の順に行われます。最後の診察が一番侵襲度の高い診察になるからです。とは言っても、膝の診察で聴診器を用いることはないため、主な検査は「視診」と「触診」になります。
膝だけでなく、脚全体を診察する可能性があります。また、脚を上げたり、大きく曲げたり伸ばすなど膝関節の可動を確認するため、出来るだけ診察しやすい服装(裾をめくりやすいゆるめのズボンなど)で行くとよいでしょう。
視診のポイント
・皮膚の色
・腫瘍の有無
・膝の腫れ
・脚の形
触診のポイント
・液体の貯留の有無
・圧痛の部位
・熱感
理学的検査とは?
触診が終わった後に、膝関節の動きを確認するいくつかのテストを行うことがあります。膝は靭帯だけでも複数あるので、診断を絞るためには非常に有用です。
- 関節可動域確認
まず膝は、正常では、まっすぐ伸ばした状態を0度として(伸展)、130度まで曲げることができます(屈曲)。これを、正常膝関節可動域といいます。まずは、この可動域までしっかり関節が動くかを確認します。膝関節そのものは、曲げ伸ばしのみで、股関節のように回旋運動はできません。
- アプレー圧迫テスト(Apley’s ConpreRession Test)
検査方法:うつ伏せに寝て(腹臥位:ふくがい)、膝関節を90度に曲げて、膝に向かって圧迫しながら、下腿(ひざ下の部分)を内側および外側に回旋させるテストです。
疑われる疾患:内側に回旋した時に痛みがあれば内側半月板損傷、外側に回旋した時に痛みがあれば外側半月板損傷が疑われます。
- マクマレーテスト(Mc Maurray’s Test)
検査方法:あおむけ(仰臥位:ぎょうがい)になって、曲がるところまで膝を曲げてから、ゆっくり伸ばします。このときに、下腿を内側および外側に回旋させます。
疑われる疾患:内側に回旋させたときに痛みがあれば外側側副靭帯、内側に回旋させたときに痛みを生じた場合は内側側副靭帯の損傷が疑われます。クリック音(ポキポキッという音)が感じられた場合、半月板断裂が疑われます。
- 引き出しテスト(Drawer’s Test)
検査法:仰臥位で、足底を診察台につけたまま、膝を90度に曲げて、検査をする人は患者さんの足をしっかり固定します。膝の後ろに手を入れて、前方にひっぱり、その後、後方にも押してみます。
疑われる疾患:前方へのひっぱりで痛みが生じた場合は前十字靭帯、後方へ押した時に痛みを生じた場合は後十字靭帯の損傷が疑われます。
- 膝蓋骨圧迫テスト(Patella Grinding Test)
検査法:仰臥位で、足をまっすぐ伸ばした状態で、膝蓋骨(膝のお皿)を上下左右に動かします。
疑われる疾患:膝に痛みが生じた場合、膝蓋骨骨折、膝蓋骨周囲の炎症が疑われます。
- 膝蓋骨跳動テスト(Patella Ballotement Test)
検査法:仰臥位で、足をまっすぐ伸ばした状態で、膝蓋骨の上の部分を片方の手で押さえ、もう片方の手を膝蓋骨の下側から上方に向かって押し上げます。そして、膝蓋骨を上から軽く押してみます。
疑われる疾患:関節水腫などで、膝蓋骨の裏に液体が溜まると、膝蓋骨を軽く押したときに膝蓋骨が跳ねるような動きをします。
実は、膝のテストだけでも10個以上ありますが、上記の6つの診察方法で確認すべき項目は全て網羅しています。
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