ご存知ですか?特定疾患に指定されてる潰瘍性大腸炎

2016年3月17日 : 腰の痛み

下痢が長く続き、そのうちに血便や腹痛を伴うようになった時、単なる下痢ではないかもしれないと疑い、検査を受けてみてください。もしかしたら、「潰瘍性大腸炎」という難病かもしれません。

 

潰瘍性大腸炎とは

潰瘍性大腸炎は、直腸や結腸の粘膜が炎症を起こし、びらんや潰瘍を形成する非特異性炎症性疾患です。治癒したようにみえてもすぐに再発、あるいは数カ月後から数年後に悪化するケースもあるなど慢性的に再燃と寛解を繰り返すため、クローン病と共に厚生労働省の特定疾患に指定されています。

大腸粘膜でおきる過剰な免疫反応、腸管アレルギー・腸内細菌、遺伝的要素や精神的ストレスとの関係が議論されていますが、原因は未だ不明で、研究がなされている最中です。

 

20~30歳代の若年層に好発し、男女比は1:1と特に性別による特異性はないようです。ですが、若年層に発症が集中するため、QOL(生活の質)の障害が問題になっています。

発症は直腸に始まり、連続的に口側へ、やがては全結腸へ広がるように浸潤していきます。結腸粘膜は充血し浮腫状となり、小さな多数の潰瘍が出現し、次第に融合して広範囲に粘膜を破壊していきます。

主たる変化は粘膜、粘膜下層の炎症性浸潤性変化ですが、漸次筋層、漿膜にも充血、浮腫が出現します。重症例では炎症が腹膜腔に及び腫瘍や瘻孔を形成し、瘢痕治癒が進むと大腸は細く硬く管状となり、時に高度の機能障害をきたすようになります。なお、長期経過例では、慢性炎症からの大腸癌が報告されています。

 

症状

主症状は腹痛を伴う血性又は膿粘液性の下痢です。急性又は慢性に発症し、寛解と再発を繰り返し、極期には発熱・貧血・体重減少が著明となり、放置していると強い脱水症状に陥るケースもあります。

回復期にも下痢と便秘の症状が交代で現れます。通常の下痢や便秘と異なるのは、便に粘液が混在する点です。ときに急激に発症し高熱・粘血便が持続し、心衰弱のため死亡する劇症型に発展する場合や、大腸穿孔を合併することもあります。

 

診断

X腺、内視鏡検査により、大腸壁ハウストラの消失、壁の硬化像、潰瘍形成、仮性ポリポージスの確認を行います。糞便検査によりサルモネラなどによる感染性腸炎やクローン病などの類縁疾患の除外が必要になります。クローン病は、右半側結腸に炎症が現れるのが特徴です。

病変範囲により直腸炎・左側大腸炎・全大腸炎に分けられて、臨床症状と貧血などの所見により、重症度が決定されます。

 

治療方針 

基本方針は病型(病変範囲や重症度)、それまでの治療への反応性などを加味して決定しますが、内科的療法が原則となります。重症度の判定は、下痢や血便の程度、頻脈・発熱・貧血(Hb値)・赤沈値などにより行い、また重症時には内視鏡検査は慎重に行い、施行困難な場合はCTなどを参考にします。

治療の第一選択としては、安静、消化の良い高カロリー食、電解質の補給を行った上で、サラゾピリン製剤(サラゾピリン錠)を投与します。効果のない場合にはACTHやステロイド療法へ移行します。抗生剤の投与は合併症として現れる化膿を阻止するのに有効です。劇症型や重篤な合併症を呈する場合は、緊急手術に踏み切ることもあります。内科的療法に効果がみられない場合、薬物への反応性や副作用・長期療養に伴うQOL障害などから待機手術の適応となることもあります。

 

その場合は、回腸末端瘻を造設し、大腸の負担を除くことにより、症状の軽快する場合が多くみられます。再発、出血が止まらず、穿孔、瘻孔などの合併症のある場合は全結腸切除術を行うことになります。

内科的治療を主体とする場合、活動期例に対する寛解導入治療とその後の寛解維持治療に分けて検討します。基本的には安全性の高い5-ASA製剤を第一選択とし、次にステロイド剤を使用します。

重症例ではステロイド剤を主体とした治療を行いますが、ステロイド治療で効果不十分な場合(ステロイド抵抗性)には、血球成分除去療法や免疫抑制剤(シクロスポリンやタクロリムス)が使用されます。また、ステロイド減量に伴う再燃例(ステロイド依存症)では免疫調整薬(アザチオプリン・6-MP)が使用されます。

 

【寛解導入治療】

・直腸炎型:病変部位が比較的限局されているので、5-ASA製剤の座薬や注腸薬など、局所療法が有用である。

しかしながら、外用薬継続することが困難な場合も多く、そのような場合には5-ASA(ペンタサ錠、アサコール錠)の経口薬を投与します。それで効果不十分な場合はステロイド性座薬や注腸薬を併用となります。

 

・左側大腸炎―全結腸炎型(軽症の場合):5-ASAの経口薬(ペンタサ錠、アサコール錠)が第一選択となります。効果不十分な場合や遠位側大腸の病変が強い場合には注腸薬を併用します。

 

・左側大腸炎―全結腸炎型(中等症の場合):軽症に準じて治療を開始しますが、効果不十分な場合や当初より症状や病変が強い場合には、ステロイド(プレドニン換算30-40mg程度)を使用し、効果が見られれば漸減していきます。

 

・左側大腸炎―全結腸炎型(重症の場合):外科的治療の適応有無を判断する必要があります。内科的治療では通常高用量のステロイドによる治療を開始しますが、重症度が高い場合は、ステロイドの強力静注療法を選択します。一週間程度様子をみて、効果が見られるようなら漸減、効果不十分の場合はステロイド抵抗症として治療方針を切り替える必要があります。

 

・ステロイド抵抗症:週1回(重症例では週2回)の血漿成分除去法といった処置を追加するか、タクロリムス(プログラフカプセル)やシクロスポリンA(サンディミュン注)など免疫抑制剤による治療を追加します。特に重症度が高く、経口摂取不能な症例では、即効性のあるシクロスポリンAの点滴静注が選択されます。

いずれも血中濃度調整が重要で、月1回の体内における薬剤の濃度判定が実施されます。またこのような治療抵抗例ではサイトロメガウィルスなどの感染病態に悪化することがあるので、適宜感染検査は必要になります。

 

【寛解維持治療】

・通常例:再発や再燃を繰り返すため、5-ASA製剤による長期の寛解維持治療が有用となります。また、経口投与に加えて、5-ASAの注腸療法の併用は寛解維持を増強する効果があります。

ステロイド長期投与は体に負担をかけるため、寛解維持効果は証明されていません。

・ステロイド依存症:アザチオプリン(イムラン錠)や6-MP(ロイケリン散)などの免疫調節薬を併用し、効果が出ればステロイド剤を漸減していくようにします。

これらの薬剤には効果の発現まで2-3か月を要することもあるので、急激な減量は症状の再発や増悪を招くので、焦りは禁物です。日本人は欧米人基準適用量では副作用が出やすいとされ、比較的低用量から使用することが多く、すぐに効果が出ない場合もあります。副作用として、悪心などの胃腸障害、白血球減少、非常に稀ですが膵炎・脱毛などが現れる場合もあります。

 

まとめ

 軟便や過敏性腸症候群など、下痢傾向のある方は気づかないうちに重症化している場合があります。ご自身で便の状態を随時確認し、異常を感じた場合には、検査を受けることをお勧めします。

 

 

 

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