姿勢が前かがみになり人から年寄りになったと言われている猫背のあなたへ

2016年6月10日 : 未分類

まだ毛の生える余地はあるかな〜

 

毛穴はどこやねん!98606 のコピー

 

ただいま実験中です。

 

もし生えてきたら

 

全国3000万人のハゲ

 

皆さんにお伝えしますね〜

 

 

 

 

 

まいど
三重の整体、松阪市駅部田町の「てらだ鍼灸整骨院」、院長

「医者が認める 無痛整体集団」BOSSの寺田です。

 

 

 

今回のテーマは  

姿勢が前かがみになり人から年寄りになったと言われている猫背のあなたへ

 

 

もしあなたが今「30年間の農作業」で、「腰と胸の痛み」があり

「腰の痛みのためにかばうような姿勢を続けるために背中がボコッ」

と出て、

 

しかも「人から猫背を見て年寄りになったな〜。」

と言われるので日々猫背の姿勢を気にしながら過ごしているなら、

最後まで読んでみてください。

 

腰の曲がっている状態の方は

「真っ直ぐにするためにストレッチ」しなさい。

反るようなストレッチや体操すれば良くなる

などど言われていますよね。

 

だからお医者さんにあなたもこう指導されたんじゃないんですか?

 

でも実はこの腰の曲がっている人は「反るようなストレッチ」をしてはいけないのです。

 

☑︎整形外科で手術しか方法がないと言われた

☑︎整体院や、カイロ、鍼灸院などの治療院を3箇所以上行った。

☑︎「年のせい」と言われてしまった。

 

あなたがこの中の一つでも当てはまっているなら最後まで読んでみてください。

 

 

今回「口コミ・喜びの声」をくださったM.Kさんの

来院当初は「腰と背中の痛み」により

「背中が猫背になった事を人に指摘されるのが気になる」

というお悩みをお持ちでした。

 

しかも30年間整形外科や鍼灸院や整骨院に

通われていても良くならなかったので

てらだ鍼灸整骨院院に来ることも当初は迷っていたようです。

 

でも、「チラシの内容を見て少しでも良くしてもらえるなら」

という理由で来院されました。

 

ではさっそくM.Kさんの「口コミ・喜びの声」を読んでみてください。

とても勇気がわいてくるはずです。

 

 

 

近藤昌子さん2747

 

 

 

 

 

 

 

 

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M.Kさんご協力ありがとうございました。

 

ではなぜてらだ鍼灸整骨院では「腰と背中の痛みのある猫背」

をそれほど得意としているのでしょう。

 

猫背はおそらく「背中を反らしなさい。」「胸を張りなさい。」

「ストレッチを重点的にした方が良い。」

と言われていませんでしたか?

 

もしかしたらあなたはすでに実践していたかもしれませんね。

でも、ご自身が納得いくところまでは真っ直ぐにならなかったですよね?

 

僕はそれは当然だと思っています。

たしかに経験上15%の人は、そのような方法で改善されます。

 

しかし!

あとの85%の原因、施術しなければいけない箇所は

「手首」なんです。

 

それはおそらく一般的な治療院・整形外科さんには

そんな発想はないと思います。

 

もし、そういった発想を持ってたとしても

「どう施術したらいいのか?」

「どうアプローチしたらいいのか?」

はわからないはずです。

 

そのアプローチ法を知っていることが、

てらだ鍼灸整骨院の稀有なところだと考えています。

 

なぜ、一般的に一時的に良くなるが

すぐに戻ってしまうとされている

「腰と背中の痛みのある猫背」を

 

こんなにも自信をもって回復できる、良く出来る!

と言い切れるの?

とあなたは思うかもしれませんね。

 

その理由はほとんどが手首を内側にひねること

によって肩を下に引っ張り肩甲骨が外に移動するので

背中が丸くなって長時間その姿勢を放置して猫背になる

という猫背になる根本的な仕組みを知っているからです。

 

そして猫背を根本的にとる方法を知っているからです。

 

ではなぜ「猫背はストレッチを」してはいけないのか?

 

なぜなら、手首のねじれによって肩を常に

内側に引っ張っているのが原因なのですから

手首のねじれているままでストレッチをすると

肩の筋肉を壊してしまいます。

 

ラジオ体操で深呼吸をする時は手首を

外側にひねり腕を外に広げると思います。

決して手首を内側にひねりませんよね?

 

手首を内側にひねった状態で深呼吸をしてみると

呼吸もしにくいのがわかると思います。

 

てらだ鍼灸整骨院の考え方では猫背の原因が

手首のねじれなので手首のねじれのもとである

橈骨という骨を内側から外側にアプローチし

手首の関節を締めて戻らないように施術します。

 

すると実に85%の方に「猫背が真っ直ぐになる」

結果を出しています。

 

 

この施術は非常にソフトな刺激で身体を

悪くしている原因を的確に触ります。

 

なので、赤ちゃんからお年寄りまで受けて

いただけるほど安全で効果が高いために

てらだ鍼灸整骨院の施術方法は整形外科の

医者からの推薦も頂いているのです。

 

僕の猫背の施術はまずは背骨の中心軸を整えます。

それにより脳脊髄液の循環を促して身体の中の

血液やリンパの流れが良くなり細胞の働きが

活性化されるのです。

 

その次に自律神経や内臓の状態を調べて、

とことん根本原因を探っていき、最後に

頭蓋骨に手を添えて整えます。

 

その刺激は5グラムにも満たないような強さです。

 

もし、あなたが「強い刺激」「バキバキぼきぼき」

といった施術に慣れているのであれば、

物足りないでしょう。

 

そしてそういった施術を求めているのであれば、

私の施術はあいません。

 

でも、もしあなたが「背中がボコッと出ている

猫背を真っ直ぐにしたい」ならぜひ来て欲しいです。

 

 

 

もしあなたがどうしても

「背中がボコッと出ている猫背を真っ直ぐにしたい」

と強い気持ちがあったら私たちに託してほしいな〜と思っています。

 

あなたのご来院を心よりお待ちしています。

 

 

感謝

 

 

 

 

出産後の腱鞘炎で子供が抱けないあなたへ。〇〇を調整すると・・・

2016年6月4日 : 未分類

なんばパークスを歩いている時

 

後ろ姿の綺麗なオネーさんを見つけたのでスクリーンショット 2016-06-04 6.51.22

 

回り込んで見たら

 

ヒゲの濃いおじさんやった

 

ズコ〜!! 😯 

 

 

 

 

まいど
三重の整体、松阪市駅部田町の「てらだ鍼灸整骨院」、院長

「医者が認める 無痛整体集団」BOSSの寺田です。

 

今回のテーマは  

出産後の腱鞘炎で子供が抱けないあなたへ。〇〇を調整すると・・・

 

 

 

もしあなたが今「出産後にバックを持てないような

痛みの腱鞘炎」で、「大好きなお子さんを抱っこ出来ない

よう」なツライ「手首の痛み」を持っていて、

 

しかも「いつ回復するか分からない不安」な

気持ちを持って日々を過ごしているなら、

最後まで読んでみてください。

 

腱鞘炎は「ストレッチやマッサージ」しなさい。

「安静にしなさい。」手術すれば良くなる

などど言われていますよね。

だからお医者さんにあなたもこう指導されたんちゃいますか?

 

でも実はこの腱鞘炎は「ストレッチするだけ」ではダメです。

 

☑︎整形外科で手術しか方法がないと言われた

☑︎手首をサポーターなどで固定している

☑︎整体院や、カイロ、鍼灸院などの治療院を3箇所以上行った。

☑︎湿布を毎日貼っている。

 

あなたがこの中の一つでも当てはまっているなら最後まで読んでみてください。

 

 

 

ではなぜてらだ鍼灸整骨院では腱鞘炎をそれほど得意としているのでしょう。

 

腱鞘炎はおそらく「ストレッチ」しなさい。

「安静に」した方が良いと言われていませんでしたか?

 

もしかしたらあなたはすでに実践していたかもしれませんね。

でも、完治にいたることはなかったですよね?

僕はそれは当然だと思ってます。

たしかに経験上9%の人は、そのような方法で改善されます。

 

しかし!

あとの91%の原因、施術しなければいけない箇所は

骨盤の歪み」です。

 

それはおそらく一般的な治療院・整形外科さんには

そんな発想はないと思います。

 

もし、そういった発想を持ってたとしても

「どう施術したらいいのか?」

「どうアプローチしたらいいのか?」

はわからんと思います。

 

そのアプローチ法を知っていることが、

てらだ鍼灸整骨院の稀有なところだと考えてます。

 

なぜ、一般的にはなかなか良くならないとされている腱鞘炎を

こんなにも自信をもって回復できる、良く出来る!

と言い切れんねん?

とあなたは思うかもしれませんね。

 

その理由は、出産をした時による骨盤の歪みによって

上半身の筋肉の緊張のバランスが崩れ、

さらに妊娠と出産後のホルモンの変動により

 

筋肉の腱や筋肉の腱が通る鞘(さや)である腱鞘が硬くなり、

硬いままの状態で反復の動きを繰り返すために炎症が起きる

ので骨盤の歪みを整えれば筋肉の緊張のバランスだけでは

なくホルモンのバランスも整うからです。

 

ではなぜ「出産後の腱鞘炎はストレッチやマッサージ」

してはいけないのか?

なぜなら、「出産後の骨盤の歪みが」が原因なのですから。

 

てらだ鍼灸整骨院の考え方では出産後の腱鞘炎の原因が

「出産後の骨盤の歪み」なので「出産後に歪んでしまった骨盤」

に対してのアプローチを「正常な骨盤の位置まで短時間」で施術します。

 

すると実に91%の方に「骨盤の歪みの回復が見え出産後

の腱鞘炎の痛みが減少する」という結果を出しています。

 

 

この施術は非常にソフトな刺激で身体を悪くしている

原因を的確に触ります。

 

なので、赤ちゃんからお年寄りまで受けていただけるほど

安全で効果が高いためにてらだ鍼灸整骨院の施術方法は

整形外科の医者からの推薦も頂いているのです。

 

僕の出産後の腱鞘炎の施術はまずは出産後に歪んだ

骨盤を整えてさらに背骨の中心軸を整えます。

 

それにより脳脊髄液の循環を促して身体の中の血液や

リンパの流れが良くなり細胞の働きが活性化されるのです。

 

 

その次に自律神経や内臓の状態を調べて、

とことん根本原因を探っていき、

最後に頭蓋骨に手を添えて整えます。

 

その刺激は5グラムにも満たないような強さです。

 

もし、あなたが「強い刺激」「バキバキぼきぼき」

といった施術に慣れているのであれば、物足りないでしょう。

 

そしてそういった施術を求めているのであれば、

私の施術はあいません。

でも、もしあなたが「出産後の腱鞘炎を回復したい」

ならぜひ来て欲しいです。

 

 

もしあなたが今、「出産後の腱鞘炎を早く回復させて

お子さんを抱きたい」思いがあるけど、

どこに行っても回復しなかったからどこに行っても同じやろな〜

と迷っているのなら、今すぐに電話をしてほしい。

 

なぜなら僕は「出産後の腱鞘炎の痛みで悩んでいる」な

あなたの為に存在しているのですから。

 

 

感謝

 

 

 

 

膝が痛いあなたへ・膝を使いすぎた動きをしていませんか?

2015年12月31日 : 未分類

膝が痛いあなたへ・膝を使いすぎた動きをしていませんか?

 

 

日常生活またはスポーツ活動をするにあたって必要不可欠な膝の動作ですが、むやみやたらに膝を酷使していてはこれから先、あるいはもう膝への負担が痛みに変わり日常生活に支障をきたすことになりますよ。

 

これまで膝を安定させるための大事な役割をもつ4つの靭帯について述べていきましたが今回は膝に関わる大きな靭帯「長脛靭帯」についての膝の痛みをご説明していこうと思います。

 

 

はじめに「長脛靭帯炎」とはどういうものなのか?

 

腸脛靭帯は腸→腸骨 脛→脛骨というように、腸骨翼を始めとしてそれが合わさり腸脛靭帯として、腸骨の遠位付着部に停止します。腸脛靭帯は膝の外側を通過して脛骨の外側につき、膝の外側の安定性を保つ役割を果たします。

 

 

 

ではどのようにして腸脛靭帯炎になるのか・発生機序

 

膝の曲げ伸ばしの反復によって、膝の外側の腸脛靭帯と大腿骨外カとの間の摩擦により炎症が生じる典型的な使いすぎ「オーバーユースシンドローム」です。マラソンやジョギングなど中距離・長距離を走るランナーによく起こる疾患で、腸脛靭帯摩擦症候群、ランナー膝・ランナーズニーとも呼ばれています。

 

ランナーズニーはランニングによる膝の関節周囲の障害を全般の総称として使われることもあります。

 

 

腸脛靭帯炎は膝の曲げ伸ばしを繰り返す使いすぎたことで摩擦が生じ炎症が起こるということなのですが、その摩擦についてもう少し詳しく述べていきます。

 

腸脛靭帯は膝を伸ばしたときに大腿骨の前方にいき、膝を曲げたときは後方に移動します。その際に大腿骨の外カという骨が外側に出ていることでその部分に移動を繰り返すたびに腸脛靭帯がその出っ張りに当たってこすれ摩擦が起きその回数が増えれば増えるほど炎症が生じるのです。

ほとんどが膝の脛骨側に炎症が出るのですが、まれに足の付け根に炎症が生じる場合もあります

 

 

 

腸脛靭帯炎が疑われる症状の特徴

 

初期症状として膝関節外側部分に緊張するような違和感と圧痛を感じます。

運動時痛もみられ、ランニング後などに痛みが現れ、安静にしていると痛みが治まります

 

ですが症状が徐々に進行してくると、痛みも同様に大きくなり安静にしていても痛みが治まらなくなって慢性化していきます。また、膝の曲げ伸ばしも困難となり歩行時は曲げることができず膝を伸ばしたまま歩行するかたちをとります。

 

特に痛みを感じるのは膝が曲がった状態から伸ばした際に痛みを強く感じランニングの場合は地面を蹴りだした際に痛みを感じます。

 

 

 

徒手検査方法

 

グラスピングテスト…膝関節屈曲位で大腿骨外カよりやや近位部の腸脛靭帯を圧迫しながら膝関節を伸展させると、炎症部位に痛みが誘発されます。

 

 

 

診断

 

基本的には問診や触診で確認し診断をします。

治療方法として、膝を酷使するような運動を避け、安静を保ちます。

痛みの症状が軽度であれば、しばらくスポーツ活動を休止し安静を続けることで痛みは解消されるのがみこまれますが、痛みが強かったり通常の歩行が困難な場合はまず、炎なぜ症を抑えるために炎症部位を冷やし(アイシング)シップや医療機関の鎮痛薬の内服を行ったりします。

 

痛みが和らいできた際に行う次のステップとして、腸脛靭帯炎の予防にも繋がるストレッチングを十分に行うようにしていくことで回復と予防になります。

 

なぜストレッチングが重要なのかというと、腸脛靭帯炎になる原因は膝の使いすぎと柔軟性不足だからです。運動前のウォームアップと運動後のクールダウンはしっかりと行うようにし、また疲労が溜まったら十分な休息をとるなど膝への負担残さないようにします。

 

普段から筋力トレーニングやストレッチングをすることで、大腿四頭筋やハムストリングスの柔軟が高まりよりスポーツの場においても動きやすい身体づくりにつながるでしょう

そして、シューズやランニングコースの見直しにより膝への負担の原因になっていないかを確認することも大事になってきます。

膝の後ろが痛いあなた、後十字靭帯をご存知ですか?

2015年12月31日 : 未分類

膝の後ろが痛いあなた、後十字靭帯をご存知ですか?

 

 

前回、前十字靭帯について述べさせていただきましたが今回は膝の後ろ側、後十字靭帯について詳しく説明していこうと思います。

 

 

後十字靭帯とは

 

後十字靭帯は、大腿骨内カ(太ももの骨)内壁前方より脛骨カ部後方に前十字靭帯とクロスするような形で付着している靭帯です。前十字靭帯といっしょに大腿骨と脛骨をつないで膝が前後に揺れるのを防ぎ安定性を確保しています。また、膝を曲げる際に伴う大腿骨カ部の後方移動を誘導するとともに、脛骨の後方偏位および内旋を制御します

 

 

どのようにして後十字靭帯が損傷されるのか、発生機序

 

後十字靭帯は前十字靭帯よりやや太いため、前十字靭帯に比べてけがの頻度は少なく断裂などもあまり見られません。ですが、前十字靭帯に合併したり、単独の損傷であったとしてもスポーツ選手は特に選手生命に関わるような大きなけがにつながることもあるので安易には考えないようにしましょう。

 

また、交通外傷(ダッシュボード損傷・オートバイ事故)やスポーツ活動中の激しい接触によって、膝関節屈曲位で脛骨粗面部を強く打ちつけて発生します。そして膝関節の過度な屈曲や過度な伸展で損傷することもあり、特にサッカーやラグビーなど選手との接触が多いスポーツではみられやすい損傷です。

 

日常生活では、つまづいて転倒した際に膝から地面におちて強く打ち付けたり、膝の前から蹴られるなど脛骨が前面から後方に移動するような外力が加わったとき、または足がまっすぐに固定された状態で膝が内側に曲がったり(外反)外側に曲がったり(内反)した時に損傷します。

 

 

 

後十字靭帯の特徴的な症状について

 

前回述べた前十字靭帯の症状と類似して、受傷時には膝がずれた感覚や断裂音(pop音)を自覚することが多いです。

 

受傷直後から膝の強い痛みと不安定感からスポーツ活動の続行は不可能となります。膝の前後のぐらつきは特に後方に著名にみられ、受傷数時間後から関節内に血液がたまって(関節血腫)膝の腫脹を認めるようになりその腫脹の増大によって膝関節を曲げることが著しく制限されます。

 

また、体育座りのように膝を立てて座った際に、脛骨が後方に落ちたようにみえるのも特徴的で実際に脛骨が後方にずれているためにみられるからです

後十字靭帯が発症しやすいスポーツは、サッカーやバスケットボール・ラグビー・格闘技などでよくみられます。

 

 

 

徒手検査方法

 

①後方押し込みテスト

十字靭帯断裂の有無を確認する手技であり、後方に動揺性のあるものを後方引き出し陽性とし後十字靭帯損断裂を意味します。

 

その実施方法は、患者側は上向きで寝てもらい股関節45度・膝関節90度屈曲として検査する側は患側の足関節内・外転・内・外がえし中間位の前足部に臀部を乗せて患側の足を動かないように固定します。

 

次に脛骨中枢端を両手でつかみゆっくりと前後方向に引いたり押し込んだりすることで膝関節の動揺性を確認し後方に著名に動揺がみられれば後十字靭帯の断裂を認めることになります。

 

 

②後方落ち込み兆候

これは、先ほど述べたように体育座りのような膝をたてて座った際に、脛骨が後方に落ち込んでいるようにみえることで確認する方法になります。

 

 

 

治療方法

 

治療方法も前十字靭帯同様で、完全に断裂した靭帯は保存療法では癒合が望めないので手術する手段をとります。したがって、断裂したまま就業・あるいはスポーツ活動を行うと、膝くずれを反復することになり、これによって二次的に関節軟骨や半月版の損傷を伴ってしまう場合があるので要注意です。

 

また、患者の活動性が低く日常生活レベルで不安定感がないものは保存療法の適応になり、まず膝を曲げる運動からはじまりますが、完全な膝の伸展運動はしばらくは行わないようにし、ギプスやサポーター、テーピング等で固定して安静を保つなどの保存療法を基本にとります。また、膝まわりの腱を一部切り取って靭帯の代わりに使う再建手術なども行うことが可能です。

膝の前の痛み、靭帯が関与していますよ

2015年12月31日 : 未分類

膝の前面が痛いあなた「前十字靭帯」という靭帯をご存知ですか?

 

 

前回、膝には膝を安定させるために必要不可欠な4つの靭帯、「内側側副靭帯」「外側側副靭帯」「前十字靭帯」「後十字靭帯」があるというのをご説明させていただきました。

そのうち、内側側副靭帯が最も損傷する頻度が高いのですが次に多いのは前十字靭帯なのです。

 

今回はその前十字靭帯について詳しく述べていこうと思います。

 

 

膝・前十字靭帯

 

前十字靭帯とは、膝関節内の大腿骨外カ内壁(太ももの骨)から脛骨カ間部中央前方に扇状に広がりながら付着する靭帯で、膝が前後に揺れるのを制御して安定性を確保しています。

前十字靭帯の主な機能は下腿が内側に過度にひねらないようにすることと脛骨の前方移動の制御、つまり脛骨が前に飛び出すのを防ぐこと、そして膝をひねる・回旋させる「回旋動作」のコントロールをしています。

 

 

どのようにして前十字靭帯が損傷されるのか

 

前十字靭帯損傷が起こるケースは、非接触型接触型の大きく二つがあります。

単独損傷では、スポーツ活動時や日常生活でのジャンプの着地時や急停止、急な方向転換、急停止・急な切り返しなど、すばやく身体の向きを変えたときに膝が大きくひねられて起こる非接触時の機序で発生することが多いです。

 

それの多くは大腿四頭筋(太もも前面の筋肉)の自家筋力が発生に関与していると考えられています。

そしてスポーツの場で発症しやすい例をあげていくと野球・サッカー・バレーボール・バスケットボール・スキー・格闘技・ラグビー・柔道などです。

 

膝の前後方向への力「旋断力」とひねる動作「回旋力」のコントロールをする前十字靭帯は歩く・走る・ジャンプ・方向転換・瞬発力といった動作で負荷がおおいにかかるので、特に柔道やラグビーのタックルなどで膝関節に物がぶつかる、あるいは転倒した際に膝の前面を強く地面に打ち付けるなどの衝撃で靭帯が損傷する接触型や、事故の他に膝が内側に曲がったり、膝が伸びきった状態から更に伸ばされるといった外力が加わる接触型もあり、非接触型に比べて接触型のほうが割合的に多いといわれています

 

一方、柔道やラグビーのタックルなどで膝関節に外反・回旋力が加わり発生する接触型では、内側側副靭帯をはじめとする他の靭帯損傷を合併することが多いのです。

 

 

特徴的な症状とはどういうものなのか。

 

受傷時には膝がずれた感覚や膝がぬけるような感覚があり、「ブチッ」「ゴキッ」「バチッ」などの断裂音(pop音)が聞こえることがあり自覚するかたが多いです。受傷直後から痛みと膝の不安定感を訴えて、スポーツ活動などの続行は困難となります。

 

受傷数時間後、時間経過とともに関節内に血液がたまり関節血腫による膝の腫脹を認め、腫脹の増大とともに膝関節を曲げることが著しく制限されます

急性期の症状が落ち着いたあとには、急停止や方向転換など膝を使う際に不安定感を感じてぐらつくことや、歩いている際に膝がガクッとくずれるような膝崩れがみとめられます

 

受傷時に痛みは大きく感じますが、その後は膝を曲げたり体重をかけたりなどの運動時痛がみられます。

 

 

 

徒手検査方法

 

 

①前方引き出しテスト

 

患者側は上向きに寝てもらい、股関節45度・膝関節90度曲げ、検者は足部中間位の前足部に臀部を乗せて固定します。

次に脛骨中枢端を両手でつかみ、ゆっくり前方方向に引いたり押したりして膝関節の動揺性を確認します。

 

②ラックマンテスト

 

患者側は上向きに寝てもらい、患者の大腿遠位端部をもち一方の手を下腿の近位をもって膝関節軽度屈曲で下腿の方から前方へ引き出します。その際に健側に比べて抵抗感や前方に引き出されるのが著名であれば陽性とします。

 

 

 

治療方法

 

断裂した靭帯は保存では癒合が望めないので、手術を行うほかありません。ただし切れていなければ、固定やサポーターなど安静を保つ保存療法をとり患部の固定を行いながら膝周りの筋肉を鍛えることでも十分膝の機能を回復させることができます

膝の内側の痛み、何が原因かご存知ですか

2015年12月31日 : 未分類

膝の痛みで特に多い内側の痛み、何が原因か知りたくありませんか?

 

 

膝には内側と外側・また前・後ろと膝を安定させるための重要な靭帯があります。

そこで今回はその4つの靭帯のうち、一番多い内側の靭帯「内側側副靭帯」について説明していこうと思います。

 

 

側副靭帯について

 

まず、靭帯とはなんのかをご説明しようと思います。

 

靭帯とは、骨と骨を繋ぐもので骨同士が離れていかないようにする為のスジ状になっている結合組織です。筋肉とは別で硬く膝を安定させるだけでなく、動きを制御するなどの働きをもち、これらは膝の周りにあります。膝のみならず、あらゆる骨と骨をつなぐ大事な役割をしています。

 

そして内側側副靭帯は大腿骨内側上カ(太ももの骨の内側)から脛骨内カ部(すねの内側)に付着する靭帯で、膝関節が過度に外側にいかないように制御をしてくれている役割をしています。その逆が外側側副靭帯で膝が過度に内側にいかないように制御する役割をしている靭帯となります。

 

 

なぜ内側側副靭帯の損傷が多いのか。

 

膝関節は脛骨の上に大腿骨が乗っているような構造上、安定性を保つには各靭帯に支えてもらわなければなりません。なかでも内側側副靭帯は側方動揺性を保つので、すばやく動くスポーツや急な方向転換をするなどの動きに深く関わり重要となってきます。

 

つま先が外側に向いた状態で踏ん張ったり、膝を伸ばしたり、ジャンプして着地した時に一番大きな内側側副靭帯が損傷を受けるのです。

 

 

次に発生機序について詳しく述べます。

スポーツ時や日常生活で、膝の外側から内側に向かって強い力が加わり、内側側副靭帯が伸びることで損傷が発生します。また、内側側副靭帯には損傷の程度がありその程度によりⅠ~Ⅲ度に分類されています。

 

Ⅰ度…靭帯組織の小範囲の線維の損傷で、痛みや腫脹(出血)も少なく、圧痛や機能障害も軽く、膝の不安定性を認めません。

 

Ⅱ度靭帯の部分断裂であり、軽・中等度の膝の不安定性を認められますが靭帯は完全断裂はしていなく機能障害はみとめられる。

 

Ⅲ度靭帯組織が完全に断裂しており、関節の不安定性が著名にみられ機能障害も高度である。関節形態や外力の種類にもよりますが、靭帯の完全断裂が発生すれば脱臼にいたることもあります。

 

 

次に症状です。

 

膝関節の損傷側に運動時痛や限局した圧痛・腫脹をみとめます。

怪我の度合いが強いほど痛みも強く、膝を外側にひねった際の不安定感も感じます。

また、重症例では受傷時に断裂音(POP音)を聞くこともあります。

 

 

損傷しているのか確かめる検査方法について

 

膝の内側側副靭帯損傷を調べるのに「側方動揺性テスト」というものがあります。

その方法は、患者側は上向きで寝てもらい股関節を軽く外側に開きます。

下腿をベッドの外側に出し膝を30度曲げて検査側は手を膝の外方にあて

他方の手は足部をもち膝関節をゆっくり外側に抵抗を加えます。

その際に股関節を軽度に曲げて行うことでハムストリングスの緊張がとれて

操作しやすく健側と比べて側方動揺性が認められれば

内側側副靭帯損傷であるとわかります。

 

 

では最後に治療方法です

 

膝の単独損傷であれば、基本的に手術せずに治療を行います。

まず急性期には、RICE治療を行います。

受傷直後は腫脹や関節の動揺性を認める場合があるので

膝関節軽度屈曲位で副子固定を施し免荷を指示するなど、固定を一週間から

10日間程度行います。

 

また、痛みなどの症状が軽減すれば副子固定を除去して

物理療法・大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)

ハムストリングス(太ももの後ろの筋肉)を中心とした運動療法を行い、

膝関節機能の回復に努めます。その際に、装具やテーピングなどを施して

膝が受傷肢位を取らないように注意しておこないます。

 

 

基本的に膝の内側側副靭帯は手術せずに治せる疾患ですが、合併症を伴っている場合は

治療方針が変わってきますので、膝の内側を痛めた際には早期に病院を受診しましょう。

その膝のお皿の痛み、半月板損傷ではないですか?

2015年12月31日 : 未分類

その膝のお皿の痛み、半月板損傷ではないですか?

 

 

 

膝のお皿の痛みを感じたことがある人は、そのお皿の部分をさすったりシップを貼ったりなどの治療方法をしているかと思います。安静にしていると一時的には良くなったりするかもしれませんが、その繰り返しをしていませんか?

 

 

しっかりとその原因と正しい治療方法を知ることで快適な日常生活をおくる第一歩になると思うのでまず、半月版損傷とはどんなものなのか説明していきます。

 

 

 

半月板とはなにか

 

半月板とは、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(足のすねにあたる骨)の関節両間に存在する線維軟骨性からできている三日月形の組織でその大腿骨と脛骨の内側と外側の関節のすきまにあります。不安定な関節面に適合性を与えるだけでなく、衝撃や荷重を分散・吸収し円滑な動きをさせる・スムーズな動きをさせるクッションとローラーベアリングの働きがあります。

そして、滑液(滑りをよくさせる液)の関節腔内への拡散を助けるなど多面的な機能を持っています。なので、外傷により半月板を損傷すると膝関節の機能に多大なる障害をきたすことになります

 

 

 

半月板損傷はどのように起きるか

 

この半月版は主にスポーツ活動により損傷が生じることが多く膝関節の屈伸に下腿の回線(ひねり)が加わった際に損傷を生じることがあります。多くは内側半月版がスポーツ活動により損傷を生じ、外側半月板は生まれつき半月板の形態が大きい場合(円板状半月板)に損傷が自然発症します。

高齢者では変性を基盤として損傷することがあり、この場合には外傷の機転が明らかではないことが多いです。また、膝の捻挫に伴う発症では、半月板だけの損傷のみならず、内側側副靭帯や前十時靭帯など、他の損傷に合併して生じる損傷があります。

 

 

症状の現れ方

 

初回の受傷の際は半月版に亀裂が生じていてもその亀裂が小さなものであれば、無症状あるいは多少の痛みで特徴的な症状は感じません。ですが、その受傷を繰り返したり、ひねりが強くなったり衝撃が大きくなると亀裂が進行して初期症状として、損傷側の関節裂隙を中心とした荷重時痛や引っかかり感を伴った運動時痛を訴えます

 

圧痛もあり、損傷側の関節裂隙にみられます。また、膝のなかでこりっという音(クリック音)がしたり半月板が亀裂したことによって生じる断片がはさまって膝が伸びなくなる(ロッキング)などの症状が現れます。

 

その他、関節に水がたまったり(水腫)血がたまったり(関節血腫)などもあり経過の長い症例では大腿四頭筋(太もも前面の筋肉)の萎縮を生じます。

 

 

 

徒手検査や診断方法

 

徒手検査として「マックマレーテスト」と「圧迫アプライテスト」というものがあります。

マックマレーテストとは、患者側は上向きで寝て踵を臀部に接する程度まで曲げていき、一方の手で膝関節の内外側をもち他方の手で足部をつかんで膝にひねりを加えていきます。また足を伸ばすなど行った際にクリック音や痛みの有無をみる検査法です。

 

 

圧迫アプライテストとは、患者側はうつ伏せで寝てもらい負傷側の膝を90度曲げ検者はその太もも後面に膝を乗せて固定し両手で足部をもちます。そのまま大腿骨カ(太ももと膝の境目)に向けて圧迫しまたひねりをいれて痛みの有無を確認します。内側に痛みがあれば内側半月、外側に痛みがあれば外側半月の損傷を意味します。

 

その他に単純X線検査では特徴的な所見はないので超音波検査やMRI検査が有効的で、半月版の変化や形態の異常を確認することができます。

 

 

 

最後に治療方法です。

 

スポーツ活動や日常生活に支障がある場合は保存療法は無効なことが多いので手術療法を行うのが有効的かもしれません。ただ初期には安静や冷却など行い、大腿四頭筋やハムストリングスを中心とした運動療法やストレッチを行い膝関節機能の回復に努めます

ですが、関節水症やロッキングを繰り返すもの・靭帯も及ぶ複合損傷・小児の円板状半月には手術が望ましいので早期に整形外科医を受診することをおすすめします。

バレーボールやバスケットボールなどスポーツ選手に多い膝の痛みジャンパー膝について

2015年12月31日 : 未分類

スポーツ選手に多いジャンパー膝について、

なぜ多いのかその仕組みを詳しく知りましょう。

 

 

 

ジャンパー膝はその名のとおりバレーボールやバスケットボールなどジャンプを頻回に繰り返すスポーツ選手に多くみられる膝伸展機構のスポーツ障害であり、大腿四頭筋腱炎やオスグッドシュラッダー病を含みますが、ジャンパー膝(膝蓋骨下極に生じる膝蓋靭帯炎)について述べていきます。

 

 

まずどのようにして発症するのかというと、日常生活やスポーツをする場での急な加速減速ジャンプ着地などのスポーツ動作の繰り返しにより、膝関節伸展機構に過度の張力が加わり発症するオーバーユースシンドロームです。

 

大腿四頭筋をはじめとする膝伸展機構への繰り返しのストレスによって微細断裂を起こし、好発部位膝蓋骨下端の膝蓋腱接合部脛骨粗面膝蓋腱接合部膝蓋骨上端の大腿四頭筋の付着部になります。

 

 

症状として、初期には膝蓋骨下端部(膝蓋腱)あたりに違和感を感じる程度なのですが、進行するにつれて圧通運動した際の疼痛を感じるようになります。たまに患部が腫れたり、熱くなったりもします。また、特に太もも前面の筋肉(大腿四頭筋)が縮んで硬くなることもあり、脛骨結節が隆起することもあります。

 

他動的に膝を深く屈曲すると疼痛が誘発されやすく、尻上がり現象がみられることが多いです。

 

この障害は主にジャンプ動作をよくするスポーツに多いですが、マラソンランナーなどにも起こります。

なぜなら、走るという行為はジャンプの着地を繰り返す跳躍動作にあたるからです跳躍の繰り返しの際に膝蓋腱がすごい力で引っ張られたり伸ばされたりすることが原因なのでランニングで発症するのは、ジャンプと着地の繰り返し動作をしているためと考えられています

 

 

 

また、ジャンパー膝は10歳から20歳くらいの年齢層によくみられ、これは成長期に骨の成長に筋肉の成長がおいつくことができなかったために、腱が無理に伸ばされた状態になりそして筋肉もまた柔軟性をなくし硬くなってしまい結果的に膝の衝撃の吸収力が低下するためにおこる症状なのです

 

 

 

次に治療方法・予防について述べていきます

まず症状がまだ軽い第一段階であれば練習前のウォーミングアップストレッチング練習後のアイシングを徹底的することが大事です。

 

第二段階は運動の量や強度・頻度を制限していくようにしてそれに加えてテーピングや装具で部分的に患部(膝蓋腱)の圧迫を行います。最終段階としては、基本的に運動を休止させ患部の安静を保ち治療に専念していただく必要があります。

 

また、大腿四頭筋・太ももの後ろの筋肉(ハムストリングス)の筋力訓練、ストレッチングを十分に行っていきます。これは、膝を痛めないために筋力トレーニングやストレッチングで膝を支える筋肉を柔軟・強化を高めることによって予防や緩和につながるからです

ではどのようなストレッチングを行えば良いのかご紹介していきましょう

 

 

まず筋肉を温めることからはじめます。例えばお風呂に浸かってる際に太もも前面の筋肉(大腿四頭筋)や後面(ハムストリングス)などを揉みほぐしてあげます。

 

 

次にストレッチングです。

①腸脛靭帯のストレッチ

両足をクロスさせて直立し、上半身を前屈させて手を地面に近づけるようにゆっくり伸ばしていきます。その際に後ろにある脚のほうに上半身を向けて後ろにある脚の膝の外側部分を意識して伸ばしていきます。

 

②腸脛靭帯のストレッチ

まず床に座りながら片足を前方に伸ばし、もう片方の足は膝を立てて、伸ばした足の外側に足をもっていきます。上半身はなるべく前かがみにならないように起こした状態で伸ばした足の膝の外側部分を伸ばすように意識します。

 

 

 

筋力トレーニングにはスクワットやレッグランジなどがありますが、痛みが強かったりした場合は無理のない程度に日々の積み重ねが大事ですので徐々に行っていきましょうね。

子どもの膝の痛み成長痛と決め付けていませんか

2015年12月31日 : 未分類

成長痛とオスグッドシュラッダー病の違いについて

 

 

 

成長痛は前回の記事でご紹介したように明確な原因・予防などがはっきりとせず、子どもの成長期特有にみられる症状で、疲労の蓄積や子どもならではの筋肉の未発達、そして心因的な問題と原因は不確定に沢山あると述べました。

 

 

では、オスグッドシュラッダー病はどうでしょう。

 

子どもの頃になった・または自分の子どもがそうだという方もいらっしゃると思います。

そしてオスグッドシュラッダー病もまた子どもたちの成長期にちょうど発症し、成長期が終わる頃には治るといったことから成長痛のひとつとしてくくられている感じを受けます。

 

痛む場所も膝であり、オスグッドシュラッダー病を知らない方は成長痛だと判断して放っておくかもしれません。

 

 

では実際のところ本当に成長痛とオスグッドシュラッダー病は同じものなのか、深い関連性があるのでしょうか。

 

 

 

オスグッドシュラッダー病について詳しく述べていきます。

 

 

オスグッドシュラッダー病は10歳代前半の脛骨粗面部(膝のお皿のすぐ下にある、骨が出っ張った部分)に疼痛と腫脹を生じる骨端症のひとつです。スポーツをしている男児に多く発症します。

 

発生機序として成長期の骨や筋肉が完成する以前の力学的に弱い時期に日常生活動作やスポーツ活動で膝の伸展機構(太ももの前面にある大腿四頭筋)の使いすぎが主な原因であると考えられています。

 

 

それは大腿四頭筋の収縮によって反復して脛骨粗面部を牽引することで脛骨粗面部の裂離損傷が起きるのがオスグッドシュラッダー病の発生機序です。

 

症状としては、ランニングや階段の昇降などの大腿四頭筋を強く収縮させる動きによって膝蓋靭帯付着部に限局して疼痛が認められる。症状が進行するにあたって脛骨粗面部の骨性の膨隆が著しくなりまた、骨性に硬くなることもあり運動痛・圧痛なども重症度によって異なるが認められる。

 

慢性の経過をたどり、再発を繰り返すが、骨端成長軟骨板が骨化を完了する18歳頃には症状はほぼ消失する。脛骨粗面部が膨隆したまま治癒するものもあります。

診断は容易でX線診断で脛骨結節の骨化核の不整・分離・遊離などを認めます。

 

 

 

治療法は

 

①保存療法として局所の安静を中心として症状に即した運動の制限や休止が適応となります。また、運動前には十分なウォーミングアップを行わせて運動後自発痛(外からの刺激によってではなく、関節や筋肉を使っていないにもかかわらず痛みを感じること)のある場合はアイシングを行って炎症の鎮静を図ります。

 

アイシングの仕方は、アイスマッサージ用の袋などの袋に氷をいれ平らな場所で氷をごろごろと動かし、損傷部位に氷が当たる部位を平面にしておきます。そうすることで氷が袋の中で重なることを防ぎ、それにより損傷部位の他にその周囲にもアイシングを行うことができアイシング効果の範囲を広げることが可能になります。

 

また、均衡に氷が溶けていくので凍傷につながることもありません

そして、アイシングは冷たいのを我慢し最低20分は冷やし続けて離すというのを繰り返し行い、血行をよくしてあげます。

氷を当てる場所は膝のお皿の下や周囲で、痛みの強いときには湿布などをします。まれに、剥離した骨が遊離してしまい、膝をついたときの痛みが強いときは手術をすることもあります。

 

 

それに加え特に大腿四頭筋のストレッチングが非常に大事になってきます。また、膝蓋靭帯を押さえる装具の使用も有効で、除痛には膝蓋靭帯の中央部を圧迫する「シュラッテル・バンド」が有効なことが多いです。

 

 

最後に、成長痛とは違いオスグッドシュラッダー病は激しい運動が原因となってきますので、小学校高学年から中学校の成長期の子どもが十分な休息を取れるように、生活面でも気をつけてあげましょう。

もしオスグッドシュラッダー病が疑われる症状を子どもが訴えてきた場合は安静にして早めに医療機関を受診してくださいね。

子どもの膝変形についてご存知ですか?

2015年12月31日 : 未分類

小児の膝変形についてご存知ですか?

 

 

 

以前の変形性膝関節症では50歳代から筋力の低下によって外反膝・内反膝に変形していくと述べましたが、小さい小児にも膝の変形は起こるのです。

 

 

 

新生児から思春期にいたる時期は筋肉・骨格系の発達障害に伴う膝関節疾患がみられ、親が幼児の膝変形を心配して来院する場合は生理的範囲のものが多いのですが、成長軟骨(骨端線のことで、骨の両端にある軟骨部分が膨張・成長することで骨が大きくなり結果的に身長が高くなる、骨端線は平均的に男子の場合17歳前後・女子の場合15歳前後で固まってしまうもの)の損傷による骨の部分的成長障害が疑われる場合はその変形が成長とともに進行してしまうので注意が必要になります。

 

 

そして、幼児が突然夜中に泣き叫ぶという事態が起きた際に考えられる要因は、夜泣きなのかどこかの痛みによるものなのか、病気なのかという分からない状況はとても不安になると思います。

ですが、朝になると何事も無かったように元気だと考えられる中で可能性が高いのは成長痛です。

 

 

しかし、100%成長痛だと言い切れないのはまれにがんなどの重病が隠れているかもしれないので、安易に考えないほうが良いです

 

 

 

ではまず、幼児に多い成長痛とはどういうものなのか詳しく述べていきたいと思いますので聞いたことやなんとなく知っている方も自分の子どもと照らし合わせたり、知識のひとつとして見て頂ければ幸いです。

 

 

 

 

成長痛とは

2歳3歳から11歳に期間の幼児や子どもにみられる、片足あるいは両方の足の膝やかかと・足首やふくらはぎなどの痛みが夕方から夜・夜中にかけて痛みだす症状のことをいいます。

 

数十分間にわたって歩けないほどの痛みをこどもが訴えるのですが、訴えている部位を見ても腫れていたり傷ができていたり熱をもっているわけでもなく、昼間の様子から思い当たる痛みの原因が見つからないのが成長痛の特徴のひとつになります

 

30分から1時間痛みが続いたあとに止まり、朝方になったり日中になると元気に歩いたり遊んだりしているため時期を過ぎれば治ると考えられることが多いです。

 

そのため、成長痛は医学的にもはっきりとした成長痛の定義が存在しなく、成長期の子どもたちに共通してこのような症状の訴えが多いので成長期特有の痛みとして一般的に知られているのだと思います。

 

 

痛みがなぜおきるのか・予防をするためにはどうしたらいいのかなどのメカニズムは実際確定されていないのです。

 

 

推測のひとつとされているものが、子どもは大人に比べて筋肉の疲労や日々の変化に順応しておらず、昼間に沢山遊んだために起こる筋肉痛や疲労感を痛みとして訴えている場合があるのではという説もあります。

 

また子どもにも親がそばに居ないなどの不安から精神的ストレスで痛みを生んでいるというのもあります

 

成長痛の対処法として、疲労を蓄積しないことが大事でまた十分な休息や足などの関節に無理な負担がかかるような運動を控える、筋肉を温かくしてストレッチをするのも効果があるようです。

 

精神面としては、親が子どもに対してかまってあげる・抱きしめてあげたり、子どもの訴えていることに関心をもって優しく受け取ってあげるなど、子どもを不安にさせないことからはじめてみましょう

 

医療機関に受診すると成長痛で時期が過ぎれば治るという風に言われるかもしれないが、子どもにとっては辛い痛みです。

少しでも痛みの軽減を図るために家族や周りの人が子どもに対して不安や混乱からのストレスを和らげてあげることが一番の特効薬になると思います。

 

 

また、冒頭で述べたように成長痛だと勝手に判断しないことも大事で重大な病気・スポーツ障害を見逃すことになるので、まずその痛みの原因をしっかり医療機関で診断してもらいましょう。

あなたは大丈夫?50歳代から多い膝の痛み変形性膝関節症について

2015年12月21日 : 未分類

 

 

膝の痛みについて

まず

50代からが一番多い

 

変形性膝関節症について述べていきます。

 

膝関節はもっとも変形性膝関節症が発生しやすい関節です。

 

その変形性関節症の定義は

「病理学的に関節軟骨の変性、磨耗による荒廃と、軟骨および骨の新生と増殖、つまり摩耗相と増殖相の混在(変形性変化)によって特徴づけられる慢性・進行性の変形性関節疾患」と定義されます。

 

先ほどのべた、50歳代に発症しやすく

男女比はほぼ1:3で数字からみて女性に多いことがわかります。

 

変形性膝関節症の85%以上が内反変形(両膝が外を向いていきO脚のような変形)を呈し、外反変形(両膝が内側に入っていきX脚のような変形)は少ないそうです。

 

まず、どのような症状から始まるかと言うと

初期には動作開始時の疼痛訴える例が多いです。

 

膝など下肢の上体を支えるための荷重関節においては立ち上がり動作や歩行など起居移動動作障害、しゃがんだ姿勢での活動(和式トイレやものを拾う動作・掃除)の障害が主な問題で、病期が進行するにあたって動作中の疼痛を訴えるようになり、日常生活のなかでは階段の昇降、特に階段を降りるときに荷重がかかり痛みが強くなるのが特徴的です。

 

あと、寒い時期や湿潤な時期に症状が悪化するので注意が必要です。

 

では、なぜ変形性膝関節症になるのかという原因の大きなひとつは筋力の低下です。

 

膝関節を構成している組織が変性に伴い関節痛や筋力が退行していき痛みや関節拘縮(靭帯・筋・皮膚などの軟部組織が萎縮を起こし、収縮し関節面の癒着はないが関節の可動域が制限されること)などが生じます。

これらの変化がさらに関節症を悪化させてしまうことになります。

そして軟骨の破壊も進行し悪循環が生まれてしまうのです。

 

では変形性膝関節症の治療アプローチ予防はどのようにして行うのか、筋力の低下が特に原因だが発症しやすい50歳代から筋力トレーニングをしなければならないと思うと苦痛に感じる方が大半だと思います。

ですが、第一の治療方法として安静と体重の減量を積極的に行うことが重要になってきます。

 

体重の減量は上半身の重さが膝に負担をかけてしまうのを助長するので必要不可欠なのです。

まず、安静ですがただじっとしているわけではなんの解決にもなりません。

温熱療法といって、ホットパックや極超短波などの温熱療法は筋緊張の緩和につながり、こう原繊維(結合組織を構成する繊維のひとつのこと)の伸張・鎮痛などを目的とし、なにもせず行う運動療法よりも温熱療法という補助を施してからの運動療法では効果が変わり前処置として必要です。

 

次に運動療法についてです。

 

関節可動域訓練や姿勢制御能改善を目的とした訓練の重要性強調してきました。

関節可動域訓練では自分自身で筋肉を動かし可動域を広げる動作を中心に行いますが、すでに拘縮がある場合は施術者に補助してもらいながら行います。

 

次に筋力増強訓練を行います。

 

膝の周りの筋肉を強化することで関節の安定性を獲得し、関節軟骨を保護する役割になるのです。

 

特に太ももの筋肉(大腿四頭筋)を中心とした筋力増強訓練を行うのがですが膝に痛みがある場合には膝関節の屈伸(くっしん)(曲げる伸ばす)は避けて行うようにします。

自転車のペダル漕ぎや、水中歩行など膝への負担が少ない状況での運動は疼痛を誘発することなくまた、下肢全体の筋肉が連動して働き効率のよい筋力トレーニングとなります。

姿勢制御能運動は身体がよろめいた際に敏速に反応できるためのトレーニングで、不安定板を用いてバランス訓練を行います。それは姿勢制御能の低下がおこると関節への負担が下肢の関節症の進行を助長させてしまう観点から重要であるとされています。

 

 

最後に

 

 

日常生活での注意する点は食べすぎなど体重管理、頻繁なしゃがみこみ動作は関節への負担が多いので避けなければなりません。

このように、普段の生活から意識することは痛みの緩和や新たな関節症の予防に繋がるのでしょう。

脊柱管狭窄症の原因

2015年11月25日 : 未分類

手先、足先のしびれや痛み、動かしにくさなどの症状を招くとされている脊柱管狭窄症。特に、腰や頚に発症しやすく、腰部での脊柱管狭窄症は坐骨神経痛などの症状を引き起こすとされ、多くの方がその症状に頭を悩ませています。脊柱管狭窄症という疾患を簡単に言うと、文字通り、脊柱管という脊髄の通る管が何らかの原因によって“狭窄”してしまっている病態です。これによって脊髄が圧迫され、様々な神経症状を引き起こします。このような脊柱管狭窄症の起こる原因を詳しく見ていきましょう。

 

脊柱管とは

私たちの身体は、背中を通っている脊椎(背骨)を軸にして支えられています。この脊椎は1つの骨ではなく、椎骨という小さな骨の集合体になります。椎骨は存在する部位によって名前が異なり、7個の頸椎と12個の胸椎、5個の腰椎、5個の仙椎、3〜5個の尾椎が連なって脊椎を構成しています。このうちの仙椎と尾椎はそれぞれが癒合し、仙骨、尾骨となっています。

 

この1つ1つの椎骨にはそれぞれ椎孔という穴が空いています。椎骨が連なって脊椎を構成した際に、この椎孔が連続して作るのが脊柱管という管状の空間です。この脊柱管は前方を後縦靭帯、後方を黄色靭帯という靭帯がそれぞれ補強しており、骨同士の連結を高めています。

 

このような骨や靭帯に囲まれた脊柱管の中を脊髄が走行しています。脊髄は脳と同じ中枢神経であり、外側から硬膜、クモ膜、軟膜という3層の結合組織によって保護されています。

 

脊髄と脊柱管狭窄症

脊髄は脳と身体をつないでいる中枢神経であり、脳からの運動に関する指令を手足に送る運動線維と手足の感覚を脳へと伝える感覚線維があります。この脊髄から手足や体幹に向かって末梢神経である脊髄神経が分布します。脊髄神経は、椎骨と椎骨の間から分岐しており、神経根ごとにその脊柱管から出てくる場所によって頚髄、胸髄、腰髄、仙髄、尾髄に区分されます。

 

脊柱管狭窄症は脊柱管を構成している椎骨や靭帯、椎間板の変性や肥厚、膨隆、突出などによって脊柱管が狭くなっている状態です。狭くなった脊柱管は、その中を走行している脊髄や脊髄神経、その神経根、神経の近くを走っている血管を圧迫し、手足のしびれや痛みなどの神経症状を引き起こします。脊柱管狭窄症は腰部に最も起こりやすく、次いで頸部に起こる可能性があります。腰部脊柱管狭窄症では腰痛や下肢の運動障害・感覚障害、頸部の脊柱管狭窄症では頸部痛や上肢の運動障害・感覚障害が出やすいのが特徴です。

 

脊柱管狭窄症がおこる原因

では、どうしてこのように脊柱管の狭窄が起こるのでしょうか。前述の通り、脊柱管の狭窄は骨や靭帯、椎間板、椎間関節などの異常によって引き起こされます。

 

脊柱管狭窄症の原因は先天性のものと、後天性ものとにわけられます。先天性のもの、つまり生まれつきの原因によるものは、先天性(発育性)脊柱管狭窄症と呼ばれます。これは、生まれつき脊柱管が狭く狭窄症状があったり、脊柱管が通常よりも狭い状態で成長したために狭窄が生じたりしている状態です。また、軟骨無形成症と呼ばれる疾患は、国から難病として指定をされており、脊柱管狭窄による症状も呈します。軟骨無形成症はおよそ2万人に1人の割合で発生するとされており、生まれつきの以上から軟骨細胞の分化促進、内軟骨性骨化の異常から、骨の成長障害や頭蓋底の低形成などを生じます。そのため、脊柱管狭窄以外にも、低慎重や四肢短縮を始めとして様々な症状が出てきます。

 

一方、脊柱管狭窄症の大部分は後天性なものであり、中でもほとんどが変性脊柱管狭窄と呼ばれるものです。これは椎骨や椎間板、靭帯が変性をきたすことによる狭窄です。このような組織の変性は加齢に伴い起こりやすくなるため、脊柱管狭窄症も年をとるほど発症率が増加していきます。変形性脊椎症では、老化による椎間板の弾力性やクッション性の低下によって椎体や椎間関節への負担が高まります。これによって、椎体のふちなどに骨棘という棘ができてしまい、神経を圧迫します。このような変形脊椎症は女性よりも男性に多いとされています。一方、変性すべり症と呼ばれる椎体自体が前方へと滑ってズレてしまう病態は、女性に多いと言われています。これも、元々の解剖学的なリスクを抱えている状態に、加齢変化などが加わることで生じるとされ、椎体が滑ってズレることで脊柱管を狭めてしまいます。その他にも、椎間板の膨隆による狭窄や、黄色靭帯が肥厚することによっても狭窄変化が起こります。

 

このような後天性の脊柱管狭窄は、元々の軽度の先天性の脊柱管狭窄が相まって発症していることもあります。また、頻度は多くはありませんが、骨折や脱臼後に、少し期間を空けて神経圧迫症状を呈する外傷による脊柱管狭窄もあります。その他には、骨代謝に関わる慢性疾患である骨パジェット病においても、脊柱管狭窄が発生する可能性があります。

 

 

 

 

 

脊柱管狭窄症の改善について

2015年11月25日 : 未分類

脊柱管狭窄症は脊柱管という脊髄の通り道が狭くなることで、神経が圧迫され、手足のしびれや痛み、動かしにくさなどの症状を訴える疾患です。主に加齢などによる椎骨や椎間板、椎間関節、靭帯の変性が原因であることが多く、高齢者を中心に多くの方がその症状に悩まされています。

 

脊柱管狭窄症の治療は主に整形外科などで受けることができますが、病院での治療以外にできることはないのでしょうか。脊柱管狭窄症の症状を和らげることが期待される方法をご紹介します。

 

筋肉を暖める・冷やす

脊柱管狭窄症の中でも特に多いとされる腰部脊柱管狭窄症では、腰周りの筋肉を暖めることが効果的であるケースが多くみとめられます。これは、筋肉の血流がよくなり凝り固まった筋肉がほぐれることや、全身の血流が改善されることで症状が緩和する効果が期待できます。また、暖めることで痛みの原因物質であるとされるプロスタグランジンの産出を抑制する効果や、リラックスによる副交感神経の活性化などの利点も伴います。実際の病院での治療の中でも、ホットパックや超音波療法、赤外線療法などの温熱療法という、筋肉を暖める治療法が用いられることもあります。自宅で行うのであれば、暖めたタオルやカイロを腰に当てることや、入浴によって全身を暖める方法などがあります。

 

また、反対に患部を冷やすことで痛みが和らぐこともあります。冷やす場合には、氷などを直接当てると冷たすぎて低温火傷などを起こしてしまう危険性があります。ぬれたタオル程度でも良いですし、氷を使うのであれば乾いたタオルなどでくるんで当てるのが良いでしょう。

 

一般的には痛みの症状が非常に強いときや炎症が起こっているときには冷やし、長期間継続している慢性的なしびれや痛みに対しては暖めるのが良いと言われています。しかし、対策による効果は人によって異なるため、自分に合った方法をとるのが良いでしょう。反対に、一般的に良いと言われていることでも、症状が良くならない、悪化するというのであれば避けるべきです。

 

コルセットの着用

腰部の脊柱管狭窄症などに対しては、コルセットを使うことも症状の緩和につながります。コルセットは体幹の支えとなって、椎骨や靭帯、筋肉の働きを補強してくれ、負担を和らげます。軟性コルセットは服の下につけることができ、普段の生活にも支障を及ぼしにくいため、腰部脊柱管狭窄症の方には重宝されています。特に、症状の出始めの急性期と呼ばれる時期には無理せずコルセットを使って安静にしておくのが良いでしょう。適切なコルセットの選択や装着方法は、医師やリハビリ職員などに指導してもらうことができます。

 

ただし、コルセットの日常的な使用は体幹の筋力低下を招いてしまう危険性をはらんでいます。もちろん、それを避けようとしてかえって症状が悪化しては意味がありませんが、コルセットの使用方法、使用期間などは自身の症状と専門家の意見などを踏まえて考えるのが良いでしょう。また、腹筋や背筋といった体幹の筋肉を鍛えることは、脊椎の安定化につながる、いわば天然のコルセットです。症状が和らいできたら、軽い運動などで体幹の筋肉を鍛えることも有効です。

 

福祉用具の使用・日常生活の工夫

また、脊柱管狭窄症の症状がひどくなってきた場合には杖やシルバーカーといった福祉用具を使う方法もあります。杖の使用は、バランスをとるためではなく、体重による負荷を軽減してくれるということに大きな効果があります。また、腰部脊柱管狭窄症の方では、歩く距離が長くなると臀部や下肢のしびれ、痛みが出てくる間欠性跛行という特徴的な症状に悩まされることが多くなります。杖の使用は腰・脚の双方への負担を和らげてくれることから、歩行距離の増大にもつながります。

 

杖やシルバーカーを使うもう1つの利点は、姿勢がやや前屈みとなることです。腰部脊柱管狭窄症による間欠性跛行では、身体を反らせると症状が悪化し、前屈みの姿勢をとると緩和するという特徴があります。これは、腰椎部分の脊柱管の構造から、前屈みの姿勢で脊柱管が広がりやすいことによるものです。腰部脊柱管狭窄症では自転車に乗っても症状が出にくいとされるもの、杖やシルバーカーと同様に少し前傾気味の姿勢をとることができるためです。

 

料理や洗い物などの長時間の立ち仕事を行う場合には、小さな台を1つ使って工夫することもできます。用意した台の上に、症状の強い脚を乗せて作業することで症状を出にくくすることが期待できます。また、重症になってくると夜仰向けで寝ることが難しくなってきます。この場合にも、膝の下に枕を入れて、膝を曲げた状態にすることで症状が和らぐことがあります。

 

同じ脊柱管狭窄症という疾患であっても、神経の圧迫されている部位や程度によって症状の出方は大きく変わってきます。ある方にとっては有効な改善策も別の方にとってはそうでない場合もあります。ご自身にあった改善策を見つけるとともに、症状が緩和しない場合には専門家の意見を仰ぐことも大切です。

 

 

 

脊柱管狭窄症になるタイプについて

2015年11月25日 : 未分類

脊柱管狭窄症は、脊椎(背骨)の中を走っている脊髄の通り道が狭窄している病態です。脊柱管は椎骨や椎間板、椎間関節、後縦靭帯、黄色靭帯などの様々な組織によって周囲を囲まれています。この脊柱管が狭窄すると、中を走っている脊髄神経が圧迫され、手足のしびれや動かしにくさなどの症状が引き起こされます。

 

脊柱管狭窄症には、先天性の原因と後天性の原因があります。一般的な脊柱管狭窄症の大部分は後天的な原因によるものであり、その中でも変性脊柱管狭窄と呼ばれる病態が多くを占めています。では、このような後天的な脊柱管狭窄になりやすいのは、どのような方なのでしょうか。

 

脊柱管狭窄症と加齢

脊柱管狭窄症が起こりやすいとされているのは、まず高齢者です。変性脊柱管狭窄は、脊柱管の周囲にある椎骨、椎間板、椎間関節、靭帯などが肥厚や膨隆といった変性をすることによって、脊柱管を狭めてしまっています。これらの組織の変性には加齢による影響が非常に大きいです。また、高齢になると骨粗しょう症などの骨代謝にも異常をきたしやすくなるほか、背中が曲がってくることで脊椎自体の形も大きく変わっていくことになります。腰周りを支えるための体幹の筋力も次第に衰えていき、その分の負担が骨や関節、靭帯へと加わることも加齢による大きな変化です。

 

脊柱管狭窄症が特に生じやすいのは腰の部分であり、現在では40歳以上の方の約3.3%、約240万人が腰部脊柱管狭窄症に悩まされていると推測されています。この腰部脊柱管狭窄症の有病率も加齢とともに高まることが明らかであり、80歳以上にもなると男性では9.3%、女性では15.8%の有病率になるとされています。

 

脊柱管狭窄症と激しい運動・労働

このように、脊柱管狭窄症は加齢による骨や関節、靭帯の変性による影響が大きく、どちらかというと高齢者の疾患というイメージがあります。しかし、スポーツや肉体労働などの腰に負担がかかりやすい生活をしている方は、当然骨や関節、靭帯の変性も起こりやすくなります。

 

若い頃から激しいスポーツを行ってきた方、特に重量挙げのようなスポーツでは腰への負担が非常に大きくなっています。脊柱管狭窄症の起こりやすい部位である腰部のもう1つの代表的な疾患として、腰椎椎間板ヘルニアがあります。腰椎椎間板ヘルニアは比較的若年者での発生も多く、特に腰に負担のかかるスポーツを行ってきた方などに起きやすいです。激しいスポーツを行ってきた方では、この腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症の合併などが起こることもあります。また、中高年になってからは、テニスやゴルフによる腰部脊柱管狭窄症も増えてきます。テニスやゴルフは腰を捻る動作も多く、そのフォームによっては身体に無理な負荷がかかってしまいます。運動によって体幹の筋肉を鍛えることは、もちろん良いことですが、頑張りすぎて無理をしすぎないように気をつけることも大切です。また、スポーツ以外にも、農業や造園業のような中腰の姿勢を多くとる仕事や、引っ越し、運送業といった重い荷物を運ぶことの多い仕事でも、腰への負担は大きくなっていきます。

 

脊柱管狭窄症と反り腰

普段の姿勢における脊椎のゆがみも、脊柱管を狭める要因となります。人の脊椎というのは、一直線になっているわけではなく、ゆるやかに前方や後方へとカーブを繰り返しています。これは、脊椎にかかる衝撃の吸収や、柔軟な体幹の動きを生み出すために重要な構造です。このカーブが過度に増強したり、反対になくなったりしてしまうことは脊椎への負担を高めることになります。

 

脊柱管狭窄症が起こりやすい腰部の骨である腰椎は、ゆるやかに前方に凸のカーブを作っています。この腰椎の前方に凸のカーブが過度に強まっている状態が、反り腰と呼ばれる姿勢になります。下腹部を前方に突き出し、状態が後方に少し傾いたような、腰を反らせた状態です。この反り腰は、腰部の脊柱管狭窄症が起こる危険性を高めてしまいます。壁に背を向けてまっすぐ立ったときや、床に仰向けに寝たときに、自分の腰に手を入れてみてください。反り腰になって、腰椎のカーブが増強している方は、自分の手の平がすっぽりと腰に入ってしまうと思います。反り後になる理由は、下腹部の脂肪や腹筋の筋力低下、ハイヒールによる姿勢変化など様々です。

 

脊柱管狭窄症とストレートネック

頸部も脊柱管狭窄症が起こる危険性をもった関節です。頸椎も腰椎と同様に前方に凸のカーブを持っており、このカーブの変化が脊柱管狭窄症を招いてしまうことがあります。

 

頸部に起こりやすいのは、このカーブが消失してしまうストレートネックという状態です。言葉のとおり、前方に凸のカーブがなくなり、頸椎が真っすぐになってしまうことで負担が高まります。ストレートネックは、パソコンやスマートフォンの普及によってその発生率がどんどんと高まってきています。パソコン作業の姿勢、うつむいてスマートフォンを操作する姿勢は、頸椎のカーブが弱まる姿勢であり、毎日長時間この姿勢をとっていることによって頸椎の自然なカーブが失われていきます。さらに、頸椎の乱れは、身体全体のバランスを乱すことにもつながりかねません。作業の合間にストレッチや体操を行うことが、筋肉や関節のバランスを取り戻すためには効果的です。

 

 

 

脊柱管狭窄症になったらどんな病院に行けば良いか?

2015年11月25日 : 未分類

脊柱管は脊椎を作る椎骨や椎間板、後縦靭帯、黄色靭帯などの組織に囲まれた脊椎を保護するための空間です。脊髄はこの脊柱管の中を通って、脳からの運動指令を手足に伝えたり、感じとった情報を脳へと伝達したりします。脊柱管狭窄症では、この脊柱管が何らかの原因によって狭まることで、脊髄やそこから派生する神経を圧迫し、手足のしびれや痛みなどの症状を引き起こします。

 

特に脊柱管狭窄症が起こりやすいのは腰部、次いで頸部です。腰部の脊柱管狭窄症では、腰のしびれや重苦しさ、臀部から下肢のしびれ、痛み、会陰部の異常感覚などの症状を伴うほか、歩行距離が伸びるにしたがって徐々に下肢症状が出てくる間欠性跛行などがみとめられます。また、頸部の脊柱管狭窄症では頸部や肩甲骨周り、腕、指先のしびれや手先の動かしにくさ、握力低下などの症状が現れます。このような脊柱管狭窄症と思われる症状があるときにはどのような病院を受診するのが良いのでしょうか。

 

脊柱管狭窄症になったときに受診するべき診療科

脊柱管狭窄症になったときには、まず、整形外科を受診するのが最適です。整形外科は運動器に関する疾患を専門的に扱う診療科です。運動器とは、骨や筋肉、関節、神経といった身体の運動に関する組織の総称であり、整形外科はこれらの運動器の機能障害を改善することに長けています。

 

脊柱管狭窄症では、椎骨やその周囲の靭帯、椎間板などに生じた変性が元となって狭窄が生じていることがほとんどです。そのため、基本的にはまず整形外科を受診するのが良いでしょう。

 

整形外科で受けることができる脊柱管狭窄症の診察

脊柱管狭窄症の症状を訴え整形外科を受診した際の診察は、主に症状に関する問診と画像所見による検査になります。脊柱管狭窄症では、その圧迫されている神経の支配領域に応じた筋肉の動きや感覚に異常が出てきます。また、特に腰部の脊柱管狭窄症については、前述の間欠性跛行は特記すべき症状となります。間欠性跛行については、どれくらいの距離を歩いたとき、どれくらいの時間の立位によって症状が誘発されるのかも確認します。また、腱反射という反射の確認や、前屈みの姿勢や腰を反らせた姿勢での症状の差異なども合わせて評価します。

 

現在の臨床症状をふまえ、最終的な診断は画像所見によって行われます。外来診察ではまず、単純X線撮影が行われることが多いですが、単純X線像からは脊柱管狭窄の病態についての把握は困難です。しかし、腰椎の脊柱管狭窄症を引き起こしうる変形性脊椎症や腰椎分離すべり症、変性すべり症の所見は単純X線所見からもみとめられます。正確に脊柱管の狭窄の程度、脊髄とその周囲の組織の関係性を把握するためには、CT検査やMRI検査が用いられます。椎間板の突出や椎間関節の変形・肥厚、靭帯の状態などを詳細に評価し、脊柱管狭窄の有無を判断して診断がなされます。

 

整形外科で受けることができる脊柱管狭窄症の治療

脊柱管狭窄症の治療法は大きく、保存療法と手術療法の2種類があります。手術療法は狭窄が重度や症状の強さ、年齢、今後の生活、本人の希望などを踏まえて行われますが、基本的には保存療法から治療を始めます。

 

保存療法は薬物療法や神経ブロック療法、理学療法、運動療法、日常生活指導などがあります。薬物療法はまず、消炎鎮痛薬による疼痛の緩和が主となります。その他にも、筋弛緩薬による筋緊張の軽減、プロスタグランジンE1製剤によるしびれ・間欠性跛行の軽減、ビタミンB12による末梢神経障害の改善などの効果が期待されます。薬物療法での症状改善が得られない場合には、神経ブロック療法による疼痛やしびれの緩和を行います。神経ブロック療法は局所麻酔薬を神経の周囲に注射することで、神経を麻痺させて症状を和らげます。その注入部位によって硬膜外ブロック、神経根ブロックなどの種類があり、この治療によって症状がどう変わるかにということも、病態の診断に役立ちます。

 

理学療法では、ホットパックや超音波療法、極超短波療法などの温熱療法や筋肉のリラクセーション、筋力増強運動などを行います。温熱療法は筋肉の血流を改善し、筋のこわばりを改善するため、これによっても疼痛が緩和することがあります。また、筋肉のリラクセーションや運動療法による筋力増強によっても、腰椎やその周囲組織への負担を軽減させることができます。筋力増強といっても、アスリートのトレーニングのような負荷の強いものではなく、上手く使えていない筋肉の収縮を促すような運動が主となります。また、頸椎や腰椎の動かし方によっても症状の出方、進行具体が変わってくるため、痛みやしびれの出にくい日常生活での動き方の指導も行います。

 

最終的に、脊柱管の狭窄を改善するためには手術を行うことになります。手術は、狭窄が起こっている椎骨を削ったり除去したりする方法や、肥厚した骨や靭帯を部分的に削る方法などがあります。また、これによって腰椎の安定性が低下する場合には、脊椎固定術という腰椎を金属やチタン製インプラントで補強する方法もあります。

 

 

 

 

 

 

脊柱管狭窄症と生活習慣の関係性について

2015年11月25日 : 未分類

私たちが身体を動かしたり、物を触ったり、熱さや冷たさを感じることもすべて、脳と指先、足先が神経を介してつながっているためです。脊柱管とはこの脳からの指令、脳への情報を伝える脊髄の通り道です。脊柱管狭窄症はその言葉の通り、脊柱管が狭窄した状態であり、これによって脊髄や脊髄神経が圧迫を受け様々な症状をもたらします。

 

脊柱管狭窄症は加齢をはじめとする様々な原因によって、脊柱管の周囲にある椎骨や椎間板、椎間関節、靭帯などが変性することで起こるものが大部分です。生活習慣というと、一般的に生活習慣病と呼ばれるような糖尿病や高血圧、メタボリックシンドロームとの関連をイメージしがちですが、脊柱管狭窄症と生活習慣も無関係ではありません。今回は、脊柱管狭窄症と生活習慣の関係について考えてみましょう。

 

運動不足と脊柱管狭窄症

生活習慣病をはじめとする多くの健康に関する問題と関係が深いのが運動不足です。運動不足の人は寿命が短くなるという研究結果もあるように、運動と健康が根深い関係にあることはすでによく知られています。

 

脊柱管狭窄症にとっても運動不足は悪影響となります。脊柱管狭窄症が特に起こりやすい腰部は、腰椎や椎間板、靭帯に加えて多くの筋肉によって支えられています。しかし、運動不足によって腰周りの筋肉が落ちてしまうと、その分腰への負担が骨や関節、靭帯へと集中しやすくなってしまいます。また、身体を支えるためには腰周りの筋肉に加えて腹筋も重要です。腹筋や背筋といった体幹の筋肉がしっかりと働くことで、正しい姿勢を作り、脊柱管狭窄症になることを防いだり、悪化を予防したりすることが期待できます。

 

運動といっても、スポーツのような激しい運動をする必要はありません。手軽に始めることができる体操やウォーキングも、非常に有効です。特に歩くという運動は全身を使った運動であり、体幹の筋肉を鍛えることもできます。腰への負担を高める肥満の解消にもなりますし、定期的な運動習慣を持つことは、脊柱管狭窄症にとっても推奨されます。また、腰周りの筋肉のストレッチも凝り固まった筋線維をほぐし、柔軟性を取り戻すのに有効です。ストレッチを行うのであれば、特にお風呂上がりなどの筋肉の血流が良くなった時が効果的でしょう。

 

食習慣・睡眠習慣と脊柱管狭窄症

食習慣や睡眠習慣の点からも、脊柱管狭窄症への影響を考えることができます。

 

糖分や脂質を多く含んだ食生活は体重の増加、下腹部の肥満を招き、これは当然腰への負荷を増大させることになります。また、栄養素の偏った食事は、筋肉の機能を低下させたり、エネルギー不足によって身体の動きを悪くしたりもしてしまいます。運動によって体幹の筋肉を鍛えるためには、十分な栄養補給も大切となります。

 

睡眠不足も同様に、身体を十分に休めることができずに、筋肉や靭帯、椎間板などへの負担を蓄積させることになってしまいます。また、睡眠不足や睡眠時間の乱れは、成長ホルモンの分泌を妨げます。成長ホルモンは筋肉の成長にも重要となるホルモンであり、睡眠不足は筋肉量の減少にもつながってしまいます。

 

座り方と脊柱管狭窄症

腰部の脊柱管狭窄症に対しては、普段の姿勢による影響も大きいです。特に、普段から脚を組んで座っている人や、座っている姿勢が左右どちらかに傾いている人などは脊柱管周囲の骨や関節、靭帯などへの負担も左右どちらかに集中しやすくなってしまいます。

 

また、普段の座り方から左右のバランスが崩れている人は、身体のバランス自体が左右均等になっていないことも多いです。鏡を見て、ご自分の身体を確認してみてください。肩の高さや骨盤の高さは左右で揃っているでしょうか、体重は左右の脚に均等にかかっているでしょうか。

 

一般に、仙骨座りと言われるような、お尻が前にズレたような座り方も腰への負担を高めます。しっかりと骨盤を立てて、左右の臀部にある坐骨に体重が乗るような座り方を意識することも大切です。

 

日常生活の工夫と脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症に限らず、腰を痛める方というのは、腰部への負担が高まる動き方をしている場合が多いです。そして特に、これが顕著となるのが荷物の持ち運びです。床においてある荷物を持ち上げる際に、腰を曲げて身体を“く”の字にしながら、手先だけで荷物を持ち上げる方は腰に非常に強い負荷がかかっています。荷物を持ち上げる際には、腰は曲げずに片膝を床につけ、腰をまっすぐに保ったまま持ち上げるのが腰への負担が少ない動き方になります。脊柱管狭窄症の方は、間欠性跛行という症状が出やすく、前屈みの姿勢が非常に楽に過ごすことができる姿勢となります。しかし、荷物を持つ際など、腰への負担がかかる時には前屈みの姿勢は避けた方が良いでしょう。

 

毎日の運動習慣やストレッチ、食習慣、睡眠習慣、座り方、日常生活での動き方など、脊柱管周囲の組織への負担を和らげてあげるコツはたくさんあります。毎日の生活習慣を正すことは、脊柱管狭窄症だけでなく、多くの疾病を防ぐための重要なポイントです。

 

 

レントゲンでスコッチテリアの首輪が見えたら分離症なんですよ

2015年11月25日 : 未分類

脊椎(せきつい)分離症は、成長期のスポーツを習慣的に行う子供にしばしばみられる背骨(せぼね)の病気です。発症したばかりのときに治療を開始すれば、完治する可能性が高いため早期発見・治療が望まれます。

 

分離症を改善するための治療についてお伝えします。

 

1.分離症の病期分類とは?

治療を開始するまえに、病気分類を評価する必要があります。ほとんどの病気に対して病期分類が用いられていますが、病期とは病気の進行具合を示しており、治療計画や今後の経過を予想するうえで非常に重要な指標となります。

分離症の病期評価には、画像検査が行われます。

レントゲンを行えば、腰椎分離症や腰椎すべり症を診断することは可能です。レントゲンでは分離した部分が黒く抜けて、スコッチテリアの首輪に見えることがあり、「スコッチテリアサイン」と名前がついています。

しかし、より詳細に病気の進行度を判定するために、通常はCTやMRI検査が行われます。とくに脊髄の圧迫が疑われる場合はMRIが必要であり、症状が似ている若年性ヘルニアとの鑑別にも有用です。

分離症は様々な分類法がありますが、「西良による分類」では、CTとMRIの検査の結果をもとに、病期を「早期」「初期」「進行期」「偽関節期」に分類しています。

このほかCT所見での分類では、CTでHair line (髪の毛のような黒く細いライン)を認めれば「早期」、Clear gap(明確な分離)を認めれば「進行期」、さらにくっきりと分離して時間が経過した状態は「終末期」と表現され、分離した部分が偽関節に至った状態を示しています。

 

2.分離症にはどんな治療があるの?

どの病期であっても、まずは手術を行わない保存療法が基本です。コルセットによる体幹の固定や疼痛に関する薬物療法が主流です。

スポーツによる過度の負荷が原因なので、まずはスポーツをお休みすることが重要です。それに加え、子供の成長期腰椎分離症では、発症の「早期」であれば、数ヶ月~半年ほどのコルセット着用で分離した部分の骨癒合(こつゆごう)が期待できます。

骨癒合とは分離した骨がふたたびくっつくことです。適切な早期の治療で約9割に近い骨癒合が期待できると言われています。画像などで、分離部分の安定性や骨癒合の完成度を評価しながらコルセット治療を終了する時期を検討します。

この時に用いるコルセットは、市販のコルセットではなく、患者さんの腰のにあったオーダーメイドの医療用コルセットです。軟性コルセットと硬性コルセットがあります。

軟性コルセットはしっかりした支柱が入っており、市販の簡易コルセットよりも固定力が高くなります。「進行期」以降では硬性コルセットが主に用いられます。プラスチックや金属の支柱が使われており、固定力はコルセットの中でも最強です。市販のコルセットでは効果が確認されていないので注意が必要です。

また、成人の場合でも、コルセット使用により、腰の動きを制限し、腰を使う動作のときに分離した部分への負荷を軽くして、腰痛を予防・軽減する効果があります。

通常、お腹の筋肉である腹横筋がお腹を前から後ろに向かって抑えてくれることで腰にかかる負担が減るのですが、コルセットはこの腹横筋の役目を助ける働きがあるため腰痛が改善するのです。

 

3.すべり症を予防するために

脊椎と脊椎の間には椎間板(ついかんばん)があります。若年では、椎間板と脊椎の間にはやわらかい成長軟骨があり、分離症があると不安定な脊椎を支えきれずに、上下の椎骨がずれる「すべり症」が起こりやすくなります。

分離症自体は男児に多く、発症頻度は女児の約2倍ですが、ひとたび分離症を起こすと、女児の方が男児よりも2倍、すべり症を起こしやすいという報告があります。

すべり症をおこすと、腰痛やしびれ・筋力低下といった神経根症状が現れる可能性が高くなるため、すべり症への進展を予防することが重要です。

特に骨年齢が幼若な小学生の場合ではすべり症のリスクが高いため、いずれの病期においてもすべり症への進行を予防するために、スポーツを中止して、コルセットによる固定を行うことが多いです。

高校生以降になると、成長軟骨は骨に置きかわり、上下の脊椎どうしの固定力が高まるため、すべり症がおこりにくくなります。

 

4.その他の治療

腰椎分離症のリハビリテショーンとして、腰椎を安定させるために、腰部と骨盤の筋肉を強化する体操と筋肉を伸ばすストレッチを行います。自己流ではなく、医師やリハビリの先生と相談して、正しい運動を行うことが大切です。

この運動は、スポーツを中止している間も行います。また、治療が終わってからも継続することが大切です。

疼痛がある場合は、経口内服薬の鎮痛薬を使用しますが、それでも症状が改善しない場合は神経ブロックを行うことがあります。

さらに、分離症が進展して、分離すべり症となり、下肢の痛みや筋力低下などの神経症状がある場合や、スポーツ選手として今後もスポーツを続けたい場合など、症状や本人の希望を考慮して手術が選択されることがあります。

 

 

 

整体師が教える分離症を調べる3つの方法

2015年11月25日 : 未分類

分離症とは、スポーツを習慣的に行う子供に多い「成長期腰椎分離症」を指すことが多く、背骨の病気の一つです。分離症には特徴的な症状があり、その症状で分離症を疑い、さらに画像検査所見により確定診断されます。子供の一番近くにいる存在である、親や、スポーツを指導する大人が分離症の症状を理解し、子供の症状を見逃さないことが大事です。

今回は、腰椎分離症の症状について詳しくお話しします。

 

1.特徴的な腰痛の症状とは?

 

分離症は、第5腰椎に最も頻度が高く、繰り返す機械的な負荷が原因で生じる疲労骨折であり、運動時の腰痛が主な症状です。

発症の仕方は様々で、徐々に痛みが出てくるケースや、ある時突然ギクッと痛みが走ってその後腰痛が持続するという場合もあります。

その中でも分離症に見られ、医学的に有意とされている所見は、以下の3つがあります。簡単な身体検査なので、セルフチェックも可能です。

1:Kemp徴候

2:腰椎伸展時痛

3:棘突起(きょくとっき)叩打痛・圧痛

これらについて一つずつ詳しく解説します。

 

2.Kemp徴候とは

座った状態またはまっすぐ立った状態で、やや斜め後ろに腰椎を倒して、回旋します。左右どちらも行います。その時に、右または左に回旋した時に痛みを生じた側が病側となります。

これは、脊髄からでた枝である神経根が圧迫されるためで、この検査で腰痛が誘発されることを「Kemp徴候」といいます。

成長期のスポーツを行う若者がKemp徴候を認めた場合、画像所見で実際に分離症と診断された人は約7割であり、非常に感度の高い所見です。一方で、Kemp徴候が陰性で、画像所見で分離症ではないことが証明されたのは約半分でした。

このことから、Kemp徴候を認めた人は、分離症を積極的に疑い画像検査をする必要があります。さらに、この徴候は分離したばかりの発症早期に約8割の人に認められ、偽関節期まで進行すると約3割と減少します。

また、陰性でも約半分の人が分離症であったことから、陰性の場合でも、腰に負担のかかるスポーツ歴や好発年齢(12~17歳が約9割)などから分離症が疑わしい場合はさらなる検査が検討されるべきです。

腰椎分離症は無症状の患者も多いのですが、腰痛が発生する機序については十分に解明されていません。自覚症状がない場合でも、長時間の立ち仕事や腰を反らせたり横に曲げたりする時のみに腰痛を生じることがあります。

 

3.腰椎伸展時痛とは?

 

立った状態で前かがみになると腰痛が出現することを「腰椎伸展時痛」といいます。

腰部伸展時痛があるスポーツを習慣的に行っている若者10~18歳では、約半数に腰椎伸展時痛を認めています。

この腰椎伸展時痛に関しても、病期が進行するにつれて頻度が減少し、早期では約9割ですが偽関節期には約6割と報告されています。

 

4.棘突起(きょくとっき)の圧痛とは?

 

棘突起とは椎骨の後端が隆起して突出した構造であり、背骨として体表から触れることができる。

腰椎分離症は第5腰椎に発生することが多いため、この部位の棘突起を押す、もしくは軽く叩くと痛み(棘突起叩打痛)を生じることがあります。分離症の約6割に認められ、発症早期であるほど陽性率が高くなります。

 

5.複数の所見で感度がアップ

 

これまでに、Kemp徴候、腰伸展時の痛みと棘突起に限局した圧痛の3つをご紹介しましたが、複数の所見がそろうほど分離症の可能性が高くなります。

発育期のスポーツ選手での発症頻度は約40%と効率であり、偽関節に至る例も多いことから、スポーツを定期的に行う子供に腰痛を認めた場合は、簡単にできるこれらの所見を確かめてみるのも良いかもしれません。

 

6.早期に発見する利点

 

発症早期ほどいずれの所見も感度が高く、この時期に医療機関を受診して分離症を見つけてもらうことが大事です。

発症早期にスポーツを中止して、コルセットにより体幹固定を行うことにより分離した骨が再度くっつく骨癒合(こつゆごう)偽関節期になると、骨癒合は期待できません。

 

7.すべり症の症状とは

 

高校生頃までは、椎骨の一部がやわらかい成長軟骨で構成されているため力学的に弱く、分離症と気付かずにスポーツで負荷をかけ続けることで、分離症が伸展して「分離すべり症」になることがあります。

すべり症とは、分離症で上下の椎骨の固定が不安定であるために、椎骨が前方にすべってしまう病気です。前後にずれた椎骨が神経を圧迫すると、下肢のしびれや疼痛、下肢の筋力低下といった神経症状が出現することがあります。

また、脊髄からでた枝である神経根(しんけいこん)を圧迫すると、おしり、太ももの後ろ、すねや足先などにしびれや痛みを生じることがあり、座骨(ざこつ)神経痛様の症状を示すことがあります。

若いほどすべり症の発症頻度が高くなり、スポーツを継続することが困難となり、またコルセットなどの保存療法では改善しないために手術が必要となるケースもあります。

将来スポーツ選手になりたいという子供の夢を叶えるためにも、早期に分離症の治療を行い、このすべり症への進展を防いであげることが非常に大切なのです。

 

 

ご存知ですか?分離症は骨折なんですよ!

2015年11月25日 : 未分類

分離症は、スポーツを行う子供が、腰の曲げ伸ばしやひねり運動を繰り返すことで背骨に負担がかかり、疲労骨折することにより起こる病気です。骨折なので、早めに発見すれば折れた骨を再度くっつけることが可能であり、分離症の原因を知ることで早めの対策をとることができます。

今回は、そのほとんどが成長期の子供にみられる分離症の原因についてお話しします。

1.生まれたての赤ちゃんは分離症がない?

昔から、分離症は小児期~高校生までのスポーツをほぼ毎日行う子供に多く認められ、年齢が増すにつれて発生頻度が増加することがわかっていました。

そこで、問題となるのは、生まれつきの素因である「先天性(せんてんせい)」の病気なのか、生まれたあとに要因がある「後天性(こうてんせい)」の病気かということでした。両者では治療法が大きく異なる可能性があるからです。

調査の結果、二足歩行ができない胎児や新生児では分離症を認めないことが明らかになりました。このことから、分離症のほとんどが生まれつき発生しているのではなく、主にスポーツによる反復的な力学的負荷という後天的な原因で発生していると考えられました。

2.生まれ持った素因も関与

しかし、人種的に発生率が異なり、二分脊椎といった椎弓や椎体の形態異常がある人に多くみられ、兄弟姉妹といった家族間で発生する傾向も認められることから、分離症を起こしやすい先天的な形態的異常があると考えられています。

このことから、分離症は、先天的になりやすい素質の上に、後天的な要素であるスポーツによる負荷が加わることで発生すると推定されています。

3.腰椎に多い分離症

発生する部位は、5つある腰椎のうち一番下にある第5腰椎に多い(約90%)ことがわかっています。立った状態では、第5腰椎とその下の仙骨(せんこつ)の間で上半身の重さを支えており、一番負荷がかかりやすくなります。

画像技術の進歩により、スポーツによる力学的な負荷の画像解析調査が可能となりました。調査では、体を反らす動き(伸展運動)やねじる運動(回旋運動)が繰り返しおこなわれることで、第5腰椎の椎間関節周囲に力学的な負荷がかかって椎弓(ついきゅう)と呼ばれる椎骨から背中側に突き出た突起が、疲労骨折を起こすことがわかりました。

さらに詳しく説明すると、腰を反らす伸展運動では、椎弓をせん断(はさみでものを切る時のちから)するような伸展ストレスが働きます。そして、腰をねじる回旋運動では、椎弓を上下別方向へ回旋させるストレスが働きます。

伸展と回旋という2つのストレスが反復することで、腰椎の椎弓の下の部分から徐々に亀裂が生じます。そして、何度もストレスが加わることで完全に分断し、時間がたつと、完全に分離した骨同士が関節のような働きをするため、「偽関節」と言われます。

椎骨周囲にはたくさんの神経が走っており、また、骨膜にも痛みを感じる神経があるため、亀裂がはいった発症早期には痛みが強く現れることが多いです。

テニス、ラグビー、サッカー、野球、バスケットボール、器械体操、フィギュアスケートなど、ほとんどのスポーツが、腰の伸展運動や回旋運動を要します。

このため、分離症発症の際には、スポーツを一時的に中止して、コルセットを用いて腰の伸展ストレスや回旋ストレスを軽減することが重要となります。

4.なぜ大人に少ないのか

日本では、人口の約6%、700万人程度が分離症であると予測されています。男女別では男性が女性の倍で、男性に多い疾患です。

また、ほとんどの分離症発症時期は10~17歳ころまでの発育期で、成人になってからの発症は極めてまれです。18歳以降になると、椎骨がしっかり骨化して硬くなるため、起こしにくくなります。

どの国でも、有名なスポーツ選手は幼少時から厳しいトレーニングを積んでいます。成長期の子供の骨はしっかり骨化しておらず、大人よりも細く弱いため、腰の回旋や伸展のストレスに耐え切れずに骨折すると考えられています。

腰痛をもつ若いスポーツ選手の多くが分離症を発症していると言われており、運動時の症状がひどいため、手術を要する、あるいは選手生命をたたれることもあります。子供のスポーツ教育をサポートする大人が正しい知識をもち、子供達に安全にスポーツを行ってもらうことが大切です。

5.なぜ分離すべり症なるのか?

分離症がさらに伸展すると、上下の椎骨固定が不安定であることから、椎骨が前後にすべる「すべり症」になります。

子供では、椎骨がまだ完全に硬い骨ではなく、成長軟骨という柔らかい骨で一部が形成されているため、その部分が力学的に弱いことが原因です。

幼いほど、骨が未熟であるため、すべり症合併は、幼いほど発生率が高くなります。このため、たとえ偽関節期という病態が進行した状態であっても、すべり症を予防するためにコルセットで体幹固定を行うことがあります。

6.高齢者の分離すべり症

高齢者では、骨密度の低下や、椎骨と椎骨の間にある椎間板(ついかんばん)の変性により、椎骨が不安定になり、椎骨が前後にすべる「すべり症」と、さらに椎弓が骨折する「分離症」を合併する「分離すべり症」を起こすことがあります。

 

 

 

分離症になった場合はコルセットをすると骨が引っ付くかもしれません。

2015年11月25日 : 未分類

脊椎(せきつい)分離症とは、腰痛持ちのスポーツを習慣的に行っている子供にしばしばみられる病気です。早く発見できれば、脊椎すべり症への進展を防ぎ、手術をせずに治療できる可能性も高くなることから、早めの診断・治療が望まれます。

 

1.脊椎分離症ってどんな病気?

脊椎とは、背骨(せぼね)を形成する一つ一つの骨のことを指します。背骨は、頚椎(けいつい)7個、胸椎(きょうつい)12個、腰椎(ようつい)5個、仙椎(せんつい)5個がひとかたまりになった仙骨(せんこつ)、尾骨(びつい)3~6個の計約30個の脊椎から構成されています。

脊椎分離症は、ほぼ腰椎に起こるため、分離症といえば「腰椎分離症」を指すことが多く、5つの腰椎の中でも仙骨に近い、下位腰椎(特に上から数えて5番目の第5腰椎)に多く認めます。

脊椎には「椎弓(ついきゅう)」という弓状に飛び出た突起があります。椎弓は、上の脊椎と下の脊椎とをしっかり固定する上関節突起と下関節突起の間を橋渡ししており、脊椎にとって非常に重要な構造の一つです。この椎弓が分離した状態が、「脊椎分離症」です。

 

2.子供に多い分離症

子供の背骨はまだ柔らかいため、スポーツなどで過剰に負荷がかかると力学的に弱い部分がすることがあります。

腰痛を持つスポーツ選手を対象とした調査では、16~40%(研究によって差があります)が腰椎分離症であり、腰痛を持つ18歳以下の若者でも約16%に腰椎分離症を認めた、という報告があります。

さらに、腰を伸展させた時に痛みがあり、ほぼ毎日スポーツをしている10歳~18歳の若者では、なんと、約半数に腰椎分離症を認める結果となりました。

このことから、10~18歳の発育期に習慣的にスポーツを行っている子供は非常にリスクが高いことがわかります。

 

3.子供以外に分離症は起こるのか?

諸説ありますが、基本的に椎弓のみが外傷で損傷をうける可能性は低く、年齢とともに頻度が増加する傾向も認めていません。特に、骨がしっかり形作られる高校生以降での分離症発症は、非常にまれです。

高齢者では椎骨が前後にすべる「すべり症」と合併する、「分離すべり症」を認めることがあります。

 

4.遺伝との関係は?

腰椎分離症は家族内での発生例が多いため、遺伝的素因が一因と考えられています。

椎体や椎弓の形態異常、あるいは二分脊椎などの脊椎の病気を合併しているケースも見受けられ、兄弟姉妹で分離症を発症した例も多く報告されています。

こういった遺伝的、体質的な要素にスポーツによる過度の力学的負担が加わって疲労骨折が起こるのではないか、という説が有力です。

 

5.子供でのすべり症合併

すべり症とは、上下の脊椎が前後にずれる状態のことです。分離症によって起こる「分離すべり症」と、分離をともなわない「変性すべり症」に大きく分けられます。ここでは、分離すべり症についてお話しします。

上下の脊椎の間には椎間板(ついかんばん)という繊維とコラーゲンでできたクッションがあります。脊椎と椎間板の間には、成長軟骨が存在し、高校生頃までに硬い骨に置き換わります(骨化)。

子供の場合、分離症によって上下がぐらぐらで不安定になった骨を、柔らかい成長軟骨が支えきれずに上下の脊椎がずれてしまい、「分離すべり症」となります。

 

6.分離症をもった人が中高齢になったら?

分離症を持つ子供が中高齢になると、脊椎と脊椎との間のクッションの役割を果たす椎間板のコラーゲンが失われて椎間板が硬くなり、椎間板が変性することですべり症を合併することがあります。

すべり症合併例の多くは神経を圧迫して、腰痛と神経根刺激症状(しびれ、筋力低下)が出現します。

 

7.早めの診断・治療が大切

治療の基本は、手術を行わない保存療法です。保存法には2種類あり、分離した骨を再びくっつける「骨癒合(こつゆごう)」を目指す治療と、「疼痛コントロール」のための治療です。

発症早期であれば、運動の中止と分離症治療用のコルセットを用いることで、分離した部位の骨癒合(こつゆごう)が期待できます。通常数ヶ月~半年の治療が必要となります。

若年であるほど、成長軟骨が柔らかく、すべり症を合併しやすいため、進行度に関わらず、コルセットの治療を行われることが多いです。

しかし、激しい運動をしなければ無症状であることも多いため、受診したときには完全に分離しており、分離した部分が関節のようになる、「偽関節」の状態であることも多いのが現状です。この場合は、骨癒合は困難であるため、疼痛コントロールに主眼がおかれます。

病態が進行して痛みが強い場合やスポーツ活動を今後も継続するために、腰椎分離すべり症に対して脊椎固定術という手術が行われることがあります。こうなる前、つまり骨癒合が期待できる時期に、早めに診断、治療してあげることが重要なのです。

 

 

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