脊柱管狭窄症と生活習慣の関係性について

2015年11月25日 : 未分類

私たちが身体を動かしたり、物を触ったり、熱さや冷たさを感じることもすべて、脳と指先、足先が神経を介してつながっているためです。脊柱管とはこの脳からの指令、脳への情報を伝える脊髄の通り道です。脊柱管狭窄症はその言葉の通り、脊柱管が狭窄した状態であり、これによって脊髄や脊髄神経が圧迫を受け様々な症状をもたらします。

 

脊柱管狭窄症は加齢をはじめとする様々な原因によって、脊柱管の周囲にある椎骨や椎間板、椎間関節、靭帯などが変性することで起こるものが大部分です。生活習慣というと、一般的に生活習慣病と呼ばれるような糖尿病や高血圧、メタボリックシンドロームとの関連をイメージしがちですが、脊柱管狭窄症と生活習慣も無関係ではありません。今回は、脊柱管狭窄症と生活習慣の関係について考えてみましょう。

 

運動不足と脊柱管狭窄症

生活習慣病をはじめとする多くの健康に関する問題と関係が深いのが運動不足です。運動不足の人は寿命が短くなるという研究結果もあるように、運動と健康が根深い関係にあることはすでによく知られています。

 

脊柱管狭窄症にとっても運動不足は悪影響となります。脊柱管狭窄症が特に起こりやすい腰部は、腰椎や椎間板、靭帯に加えて多くの筋肉によって支えられています。しかし、運動不足によって腰周りの筋肉が落ちてしまうと、その分腰への負担が骨や関節、靭帯へと集中しやすくなってしまいます。また、身体を支えるためには腰周りの筋肉に加えて腹筋も重要です。腹筋や背筋といった体幹の筋肉がしっかりと働くことで、正しい姿勢を作り、脊柱管狭窄症になることを防いだり、悪化を予防したりすることが期待できます。

 

運動といっても、スポーツのような激しい運動をする必要はありません。手軽に始めることができる体操やウォーキングも、非常に有効です。特に歩くという運動は全身を使った運動であり、体幹の筋肉を鍛えることもできます。腰への負担を高める肥満の解消にもなりますし、定期的な運動習慣を持つことは、脊柱管狭窄症にとっても推奨されます。また、腰周りの筋肉のストレッチも凝り固まった筋線維をほぐし、柔軟性を取り戻すのに有効です。ストレッチを行うのであれば、特にお風呂上がりなどの筋肉の血流が良くなった時が効果的でしょう。

 

食習慣・睡眠習慣と脊柱管狭窄症

食習慣や睡眠習慣の点からも、脊柱管狭窄症への影響を考えることができます。

 

糖分や脂質を多く含んだ食生活は体重の増加、下腹部の肥満を招き、これは当然腰への負荷を増大させることになります。また、栄養素の偏った食事は、筋肉の機能を低下させたり、エネルギー不足によって身体の動きを悪くしたりもしてしまいます。運動によって体幹の筋肉を鍛えるためには、十分な栄養補給も大切となります。

 

睡眠不足も同様に、身体を十分に休めることができずに、筋肉や靭帯、椎間板などへの負担を蓄積させることになってしまいます。また、睡眠不足や睡眠時間の乱れは、成長ホルモンの分泌を妨げます。成長ホルモンは筋肉の成長にも重要となるホルモンであり、睡眠不足は筋肉量の減少にもつながってしまいます。

 

座り方と脊柱管狭窄症

腰部の脊柱管狭窄症に対しては、普段の姿勢による影響も大きいです。特に、普段から脚を組んで座っている人や、座っている姿勢が左右どちらかに傾いている人などは脊柱管周囲の骨や関節、靭帯などへの負担も左右どちらかに集中しやすくなってしまいます。

 

また、普段の座り方から左右のバランスが崩れている人は、身体のバランス自体が左右均等になっていないことも多いです。鏡を見て、ご自分の身体を確認してみてください。肩の高さや骨盤の高さは左右で揃っているでしょうか、体重は左右の脚に均等にかかっているでしょうか。

 

一般に、仙骨座りと言われるような、お尻が前にズレたような座り方も腰への負担を高めます。しっかりと骨盤を立てて、左右の臀部にある坐骨に体重が乗るような座り方を意識することも大切です。

 

日常生活の工夫と脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症に限らず、腰を痛める方というのは、腰部への負担が高まる動き方をしている場合が多いです。そして特に、これが顕著となるのが荷物の持ち運びです。床においてある荷物を持ち上げる際に、腰を曲げて身体を“く”の字にしながら、手先だけで荷物を持ち上げる方は腰に非常に強い負荷がかかっています。荷物を持ち上げる際には、腰は曲げずに片膝を床につけ、腰をまっすぐに保ったまま持ち上げるのが腰への負担が少ない動き方になります。脊柱管狭窄症の方は、間欠性跛行という症状が出やすく、前屈みの姿勢が非常に楽に過ごすことができる姿勢となります。しかし、荷物を持つ際など、腰への負担がかかる時には前屈みの姿勢は避けた方が良いでしょう。

 

毎日の運動習慣やストレッチ、食習慣、睡眠習慣、座り方、日常生活での動き方など、脊柱管周囲の組織への負担を和らげてあげるコツはたくさんあります。毎日の生活習慣を正すことは、脊柱管狭窄症だけでなく、多くの疾病を防ぐための重要なポイントです。

 

 


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