椎間板ヘルニアになったらどんな病院に行けば良いか?

2015年10月23日 : ヘルニア

首が痛い、腰が痛い、手や脚がしびれる、私たちは日常生活において様々な症状に悩まされています。特に、人は年をとるにつれ、必ずと言っていいほど身体の不調を感じやすくなります。また、腰痛に至っては、一生のうちに80%の人が腰痛になると言われるほど、ほとんどの人に当てはまる問題です。

 

そんな腰痛や脚のしびれは腰椎椎間板ヘルニア、首・背中の痛みや手先のしびれは頸椎椎間板ヘルニアの症状である可能性があります。このような椎間板ヘルニアを疑う症状がみられる場合にはどのような病院を受診すれば良いのでしょうか?

 

椎間板ヘルニアによる受診は整形外科を

私たちの身体には脊椎にかかる衝撃の吸収や脊椎の動きのサポートを行ってくれる椎間板という線維軟骨組織があります。椎間板ヘルニアはこの椎間板の中にある髄核と呼ばれる組織が突出してしまうことで神経を圧迫している病態です。椎間板は加齢に伴い弾力性が失われ、ヘルニアを発症しやすくなります。また、若年者であっても激しいスポーツなどによって、特に腰椎部分の椎間板ヘルニアを引き起こすことが少なくありません。

 

椎間板ヘルニアは頸椎もしくは腰椎で生じることがほとんどです。頸椎椎間板ヘルニアであれば、首周りから肩甲骨周り、腕、手先にかけての痛みやしびれ、腰椎椎間板ヘルニアでは腰から足先にかけての痛みやしびれが主な症状となります。このような椎間板ヘルニアを疑う症状に悩んでいる場合は、まず病院の整形外科を受診することをオススメします。

 

椎間板ヘルニアには一般に整形外科疾患と呼ばれるタイプの疾患であり、病院の診療科においては整形外科が専門となります。整形外科は身体を作る軸となる骨や関節などの骨格系、そしてそれを取り囲む筋肉や神経などの“運動器”の機能の改善を主目的として治療する科になります。なお、整形外科の中でも、手や腕のケガに強い“手の外科”や“肩関節外科”、脚を得意分野とする“股関節外科”“膝関節外科”“足の外科”、脊椎と脊髄を扱う“脊椎外科”そのほかにも、“スポーツ医学”“リウマチ外科”“骨・軟部腫瘍外科”“骨代謝外来”などの様々な専門分野に分かれます。病院を受診する際の一般的な診療科は整形外科となりますが、椎間板ヘルニアはその中でも脊椎外科が適した専門分野であるといえます。

 

では、整形外科を受診すると、具体的にどのような検査や治療を受けることができるのでしょうか?

 

椎間板ヘルニアの検査

椎間板ヘルニアの整形外科での診察はその症状についての問診と画像所見によって行われます。痛みやしびれなどの症状がどの部位に生じるのか、また、どういった動作をした時に症状が強くなるのかを問診によって詳細に探ります。

 

画像所見は単純X線撮影やMRI検査、脊髄造影などの検査方法が一般的です。単純X線像による所見は椎間板ヘルニアに対して、その病態を詳細に評価することは難しいとされていますが、類似した症状を示すその他の疑わしい疾患を除外するために使用されることもあります。MRI検査は椎間板ヘルニアのような椎間板の変性に対して非常に優れた画像診断の方法となります。突出してしまった髄核組織や脊髄の圧迫の程度などを詳細に描出してくれます。脊髄造影では、造影剤を用いて脊髄の通る通路の変形や部分欠損、陥凹や断絶がないかどうかを確認します。

 

椎間板ヘルニアの治療

整形外科での椎間板ヘルニアの治療は、頸椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間板ヘルニアともに保存療法と手術療法の大きく2種類に分類されます。

 

頸椎椎間板ヘルニアの保存療法としては、まず頸椎部分の安静が必要となります。首の曲げ伸ばしを避けるように指導を行い、必要であればプラスチック製の頸椎カラーなどを使用して頸椎の運動を制限します。その他にも薬物療法やブロック療法、牽引療法などによって症状の緩和を促します。しかし、保存療法による改善が期待しにくく、片側の腕の運動麻痺や感覚障害、持続する激しい痛みや歩行への障害、排尿障害などを呈した場合には、手術療法の適応となります。

 

腰椎椎間板ヘルニアに対しても保存療法はまずは安静にすることから始まります。激しい運動を抑えながら、薬物療法やブロック療法を併用することで疼痛の軽減に努めます。また、腰への負担を軽減できるように、普段の生活からひねり動作や前屈みを予防するような動き方の指導や、軟性コルセットの着用による腰部の安定性の改善を促します。しかし、明らかな運動麻痺が生じている場合や耐えられないほどの激痛がある場合、膀胱直腸障害などの症状がある場合には手術療法が選択されます。また、患者の年齢や生活環境、個人的要因や社会的背景、患者自身の希望などによって比較的早期に手術療法を行う場合もあります。3ヶ月程度の保存療法によって明らかな改善が得られないようなケースでも医師と患者の話し合いによって手術を決断することも少なくありません。

 

当院では手術をしなければならない方も改善していますので安心してくださいね。

 

 


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