椎間板ヘルニアが病院で治らない場合はどんな治療院に行けばいいのか

2015年10月23日 : ヘルニア

私たちの身体は脳から出た命令が神経を介して、筋肉に行き届くことで細やかな動きからダイナミックな動きまでを、脳のイメージの通り再現しています。この脳から出た信号を届ける神経は脊椎(背骨)の中を脊髄として走行し、脊髄から枝分かれした神経が脊椎の間から外に出て、腕や脚、お腹、背中などの筋肉や皮膚へと届いています。

 

この脊髄を守っている脊椎は椎骨という骨と椎間板と呼ばれる線維軟骨組織からなっています。椎間板ヘルニアとは、この椎間板が裂けてしまい、中にある髄核組織が外に脱出し、神経を圧迫してしまった状態です。根本となる脊髄自体の圧迫や枝分かれした神経の圧迫により、手足にしびれや痛み、運動麻痺などの様々な症状を呈します。

 

このような椎間板ヘルニアになってしまった時、病院以外にどのような治療院で対応してもらえるのでしょうか?

 

ペインクリニック

椎間板ヘルニアに限らず、あらゆる疾患において、痛みの管理というのは非常に重要になります。動作時などに痛みがあることは、運動を制限し、仕事やスポーツのパフォーマンスを低下させ、さらには慢性的なストレスの原因にもなります。また、痛みは精神状態にも影響を及ぼし、沈んだ気持ちやうつ傾向になりやすくなってしまいます。そういった痛みの対処の専門家が“ペインクリニック”です。ペインクリニックは主に麻酔科医が中心となって治療を行う、いわば痛みの専門外来といった位置づけになります。

 

ペインクリニックでは、首や腰の痛みの訴えに対して、病院の整形外科と同様にレントゲンやMRIなどの画像所見を用いて診断を行います。この結果をふまえ、神経ブロック注射を中心として痛みを緩和する治療を行っていくのがペインクリニックです。

 

椎間板ヘルニアとは、前述の通り、飛び出した髄核が神経を圧迫することで痛みが生じています。そのため、この圧迫による神経の炎症を抑えることで、症状が緩和する場合も多く、神経ブロック療法による保存療法で治療可能なケースも多いです。神経ブロック療法は、局所麻酔薬を神経やその神経周辺に注射することで痛みを取り除く治療法になります。椎間板ヘルニアに対する神経ブロック療法はそのターゲットとなる部位によって、硬膜外ブロック療法、神経根ブロック療法、椎間板造影ブロック療法などの様々な種類があり、その患者の状態を診ながら、適切な治療法を選択します。

 

接骨院

椎間板ヘルニアになりやすい人には、ストレートネックや猫背、腰椎の過剰な前彎などの姿勢のゆがみや骨格系の異常をきたしていることが多いとされています。さらに、姿勢の乱れにより、腰への負担が増大することや、筋肉を正しく使えていないことなどにより、筋肉が硬くなった過緊張状態に陥りやすくもなっています。硬くなった筋肉はさらに、神経を圧迫し、痛みを増強させる上、痛みによる刺激がさらに筋肉の緊張を高めてしまうという悪循環を引き起こします。

 

椎間板ヘルニアの症状に悩まされている人の多くは、このような筋肉、骨格系の問題をその背景に抱えています。接骨院は柔道整復師によって開業されている治療院であり、筋肉や骨格に対しての治療を行います。柔道整復師は柔術の知識に基づいて骨や関節、筋肉、腱、靭帯などに関する問題を治療するための国家資格であり、その技術と経験をもとに徒手にて治療を行います。骨格のゆがみや筋肉の緊張を取り除くことで、神経の圧迫を解消し、症状の緩和を促します。

 

カイロプラクティック

また、近年日本でも増加してきているカイロプラクティックも筋、骨格、神経系に対する深い知識をもとに治療が行われます。カイロプラクティックは特に脊椎ヘルスケアの専門家であり、生体力学的、神経科学的、解剖学的な視点を踏まえて、脊椎を中心とする骨格のゆがみを整えることで、神経の働きを回復させることに重きをおいています。関節アジャストメントや脊椎マニピュレーションと呼ばれる徒手治療をはじめ、体操療法や患者教育などを含めた、脊椎調整から症状を改善し、健康を作ることを専門としています。椎間板ヘルニアに対しても、多くの治療法の研究が進められており、神経の除圧効果や症状の改善が期待されます。

 

最後に

一言に、椎間板ヘルニアといっても、その障害されている部位や神経圧迫の形態、程度は様々であり、症状の出方も人によって異なります。椎間板ヘルニアに対しては、多くの治療法がありますが、ある人にとって非常に効果的であった治療方法が他の人に対しても、同じ効果を生み出すとは限りません。また、不適切な治療は神経のさらなる圧迫や症状の悪化を招く可能性もあります。治療を継続しても大きな変化がない場合や、調子が悪くなってきた場合には、他の治療院を訪れるのも良いでしょう。自らの症状の経過を注意深く観察し、場合によっては複数の専門家の意見を取り入れながら、自分に合った適切な治療方法を見つけることが大切です。

 

 


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